* 頬でなく額に拳ほどの瘤を持つ爺が二人という設定。しかも山奥の神様に詣って夜篭りをしている途中、神楽を歌い神社に入り込む六尺(180cm)程の赤ら顔、鼻高の天狗達に瘤を取ってもらう話(遠野市、和賀郡の民話)<ref>佐々木喜善,1964, 『聴耳草紙』、p. 192; 同1931年、10-16頁?</ref>。
*: 天狗が登場する(また別の?)話では、隣の翁が天狗が歌う「天狗、天狗、六天狗」のあとに、昨夜の翁のように自分も勘定に入れ「俺も足して七天狗」と言うべきところ、「天狗の鼻かけろ」などといいかげんに歌って踊り、歌詞の内容が天狗を怒らせるというものもある<ref>2017年11月</ref>。
* 隣の翁が瘤を取ってもらうことに成功する([[出羽国|出羽]]で採取{{Efn2|[[松谷みよ子]]がアンソロジーで紹介。}}隣の翁が瘤を取ってもらうことに成功する(出羽で採取<ref>松谷みよ子がアンソロジーで紹介。</ref>)*: 隣のじさが「待て待で、鬼っこ」と呼ぶと「昨日の面白え爺がまた来てんでねべか」と鬼が戻ってきだ。鬼は「じさ、昨日瘤取ったのに、また瘤つけてきて駄目でねか」言うてバンと叩くと瘤とれてねぐなってまったど。隣のじさは喜んで鬼と一緒にバガスグと朝まで夢中になって踊ったど…<ref>{{harvnb|松谷みよ子|1986}}、『昔話十二か月〈二月の巻〉』所収「こぶとり」, 1986、『昔話十二か月〈二月の巻〉』所収「こぶとり」</ref>。
* また、隣の翁は「こぶが取れるよう参詣しよう」と誘う1人目の翁の願掛けを断り一人で行かせる無信心な翁という設定になっている話もある。
* 瘤が増えてしまい落ち込む意地悪な翁を見かねた陽気な翁が踊りで元気付けようとする。悩んでいるのが馬鹿らしくなり、歌と踊りを教えてもらううちに自然と瘤が取れてしまう。明るい性格になった隣の翁は村人からも好かれるようになった。
== 起源・類話 ==
同じ型の話は古く13世紀成立の『[[宇治拾遺物語]]』第三話に見られる同じ型の話は古く13世紀成立の『宇治拾遺物語』第三話に見られる{{Refn|group="注"|塚本編本<ref name="tsukamoto-ed-ujimonogatari" />、小林訳参照<ref name="kobayashi-tr-ujimonogatari" />。}}。
冒頭で翁の瘤の大きさが「大柑子(おおこうじ)」(大ぶりのみかん)ほどあると描写されるが{{sfn|塚本|1922|p=4}}{{sfn|小林|2007|p=14}}{{efn2|この「大柑子」ほどの瘤のせいで人と交わる生業につけなかったと続くが、稿本によってはそれらの記述は欠落する。}}、これは現在の[[夏みかん]]の事だとも推察されている<ref name="NKDJ-ookoji" />。また、この瘤のせいで人と交わることができず、薪を集めて生業にしていたと、職業が木樵であったことが明確になっている{{sfn|小林|2007|p=14}}<ref name="ishii" /><!-- 石井 p. 64 -->。