[[パイワン族]]の伝承に、[[サラアツ|サルツグ]]という女性と結婚した'''百歩蛇'''(祖神)が虹を伴っていた、という伝承がある。
<blockquote>サルツグという美女がいて、百歩蛇が結納を持ってきて婿入りした。子供が生まれると虹がかかり、婿と子供は林に帰ってしまった。その後村には干魃が起こり、穀菜は枯れ、人畜は多く死亡した。虹が婿と子を伴って帰ってくると、風雨が順調に生じ、人々は蘇生した。そこで、人々は初めて蛇を神霊として祀り、すみかの林を禁足地として保護した。<ref>パイワン族中部パイワン群クナナオ社、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p334-335</ref></blockquote>
=== 創世神話 ===
太陽が降りてきて卵を生んだ、'''壺'''の中に卵を生んだ、壺に日光が当たって壺が割れ子供が生まれたなどの伝承が多い。パイワン族の中では、太陽は女神であり、鳥神的な存在といえる。最初の卵を蛇が食べてしまった、というエピソードがつく場合がある。この場合の「蛇」は祖神というよりも、「余所からやってきて子供を食べる」という年獣のような悪神と考えられる。'''初子のみを食べる「幼児供犠」'''のような習慣があったことをうかがわせる。こちらの「'''赤子食いの蛇'''」は[[チモ族]]に関連した神の可能性があるように思う。
=== 陶壺 ===
陶壺はパイワン語で「reretan」といい、パイワン族の物質文化における三宝の一つである。三宝とは「陶壺、とんぼ玉、青銅刀」の三つで、パイワン族の社会でよく見られるものだ。台湾では6000年前から陶器の製作が行われており、太古には集落の頭目や貴族の流通財産だった。陶壺は、パイワン族、ルカイ族の社会文化では地位を象徴する役割があり、家を継いだり、分家したりする際の重要な証しとなるもので、また、婚礼の際の重要な結納の品、伝統的信仰における祭器、生活上の食器でもある。陶壺はパイワン族、ルカイ族にとっては、民族における身分や地位を示す象徴で、また、互いのつながりを伝えるものでもある。用途としては、祭祀(さいし)、贈り物、酒造用があり、種類としては'''公壺'''(表面にヒャッポダと人の模様がある)、'''母壺'''(表面に太陽と突起の模様がある)、'''陰陽壺'''(公壺と母壺の特徴を合わせ持ったもの)がある。
最も古い時期の陶壺は何も模様のない円形の壺だったが、次第に簡単な太陽の模様がある底が平らな円形の壺、蛇の模様のあるひし形の壺、高台付きの壺に発展していった。陶壺は家で最も神聖な場所、つまり正庁(家の中心部で、神様や祖先を祭り、客をもてなす部屋)の陶壺の棚に置いておかなければならない。陶壺は原住民社会において重要なニーズがあり、飲食や祭祀、婚礼、結拝(契りを結んで兄弟や姉妹になること)などで、さまざまな形の陶壺で儀式を行う必要がある。現在でもこの決まりに従って行われており、陶芸の継承は非常に重要である<ref>[https://www.moc.gov.tw/jp/News_Content2.aspx?n=348&s=242744 パイワン族の陶壺アーティスト | Masegeseg Zingerur]、中華民国(台湾)文化部(25-09-04)</ref>。
=== ルカイ族 ===