差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
4,503 バイト追加 、 2026年1月31日 (土)
日本や中国<ref>《国語・越語上》:“今 夫差 衣水犀之甲者億有三千。” 韋昭 注:“犀形似豕而大。今徼外所送,有山犀、水犀。”</ref>では、水犀(みずさい)と呼ばれる動物が絵画などに見られる。頭には角、背中に甲羅、足には蹄を持つとされる。
 
=== 水犀 ===
'''水犀'''(すいさい、みずさい)とは、幻獣の一種であり、別名通天犀(つうてんさい)とも呼ばれる。
 
==== 概要 ====
その姿は体は馬、牛の四肢と尻尾を持ち、背中には亀の甲羅があり、額に巨大な角を持っている。その角には高い妖力があり、水を張った容器に入れたら水が真っ二つに別れる、その角で火を起こせば数千里離れた場所からでも見える程に輝く炎が立つ、その角で杯を作れば毒酒でも毒を浄化できるなどの言い伝えがある。
 
==== モデル ====
実在するインドサイが口伝する中で、誤った知識の元美術的に装飾されてできたとする説がある。上記の水犀の口伝からアジアに分布するサイが角を目当てに乱獲された。
 
=== 犀龍 ===
長野県安曇野市安曇野から長野市信州新町の犀川流域にかけて、「小泉小太郎」という若者が母親の龍神(諏訪の神の化身といわれる)と犀川流域を開拓したという伝承がある。母の名を'''犀龍'''といい、川の名を犀川という。これは中国・プーラン族の[[グミヤー]]の天地創造神話の類話であって、『グミヤーが、「リ」という名の巨大な獣(サイに似ている)を殺して、まず皮をはいで天を創った。』という部分に対応するモチーフと考える。上田地域(千曲川流域か?)には「泉小太郎」という若者が養母を薪で殺した、という伝承があり、この養母が「犀(リー)」に相当するのだろう。
 
=== 李氷の揚子江治水 ===
漢代『蜀王本紀』に、「江水が水害になった。蜀守李氷は'''石犀'''を五つ作って、水精を制圧した」とある。「石」というものは神話的に「死んだもの」を暗喩する表現である。犀龍のように「水神」となった女神も「吊された女神」であって死者であることを暗喩する。これも「グミヤーの天地創造」、「小泉小太郎」の類話と考える。千曲市では、水害ではなく、干魃のさいに、石臼を水に沈めたそうである。これは石臼の女神が「犀の神」でもあり、この場合は「火」の性質が強くて干魃が起きると考えられて、それを水の力で鎮めようとしたものであろうか。
 
下諏訪には「火の雨」が降った際に、ババ穴、ジジ穴といわれる'''石'''造りの古墳に逃げ込んだ人々だけが助かった、という伝承がある<ref>[https://suwaarea-examine.com/rain_of_fire.html 【火の雨伝説】~ジジ穴とババ穴~]、諏訪の魅力を探る。まほろば諏訪圏。(最終閲覧日:26-01-31)</ref>。台湾では、人類の始祖は「岩」から生まれた男女である、という伝承が多い。「石の女神」は「死した母女神」であった、という点で両者は共通している。台湾には地震と火山に関する災害で、兄妹が臼に乗って難を逃れた、という話もある<ref>神々の物語、台湾原住民文学選5、紙村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p133-134</ref>。
 
=== 私的考察 ===
神話上のサイには、火と水という両極端の性質があるようである。ただし、伝承全般を総合的に見るに、「水を鎮める」力の方が強いとされていると感じる。龍も架空だけれども水生動物だし、サイも水に関連の深い動物だから。もしかしたら、エジプトのカバの女神であるタウエレトとも関連する女神かもしれないと思う。
 
「火」の性質は、彼女が生前は「太陽女神」だったことに由来するものと考える。「干魃を起こす」というのは、中国の魃女神の流用であろう。
== 分布 ==
== 形態 ==
シロサイは体長370 - 400センチメートル、体重2,300キログラム<ref name="owen-smith" >Norman Owen-smith 「サイ」祖谷勝紀訳『動物大百科 4 大型草食獣』今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編、平凡社、1986年、52-51頁。</ref><ref>Macdonald, D. (2001). ''The New Encyclopedia of Mammals.'' Oxford University Press, Oxford. ISBN 0198508239.</ref>(最大で3600kgという記録がある<ref>Groves, C. P. (1972). ''"Ceratotherium simum". Mammalian species.'' 8 (8): 1–6. doi:10.2307/3503966. JSTOR 3503966.</ref>)。現生種ではインドサイ・シロサイはオスがメスよりも大型になるが、他種は雌雄であまり大きさは変わらない<ref name="owen-smith" />。皮膚は非常に分厚く硬質で、1.5 - 5.0cmの厚みを持ち、格子構造になったコラーゲンが層をなしている。皮膚はあらゆる動物の中でも最硬といわれ、肉食獣の爪や牙を容易には通さない。インドサイ等は、だぶついた硬い皮膚が特徴的で、体全体が鎧で覆われているように見える。体色は灰色をしている種が多いが、サイは泥浴びを好み、水飲み場などでよくこれを行うので、土壌の色で茶色などを帯びたように見えることもある。スマトラサイを除き体毛がない。しかし耳介の外縁や睫毛、尾の先端に毛を残している。幼獣は成獣より毛深く、成熟するにつれて体毛が薄くなる。スマトラサイは耳介も含めて全身が粗く長い茶褐色の体毛で被われているものの、野生種では泥にまみれるか、抜け落ち、あまり目立たない。
非常に大きな頭蓋骨は、前後に長く、後頭骨が立ち上がっている。鼻骨は大きく前か上にせり出し、前上顎骨よりも前に飛び出る。角が接合する部分は、鼻骨の表面がカリフラワー状に荒れている。頭部に1本(インドサイ属)または2本(クロサイ・シロサイ・スマトラサイ)の角がある<ref name="owen-smith" />。ラテン語の呼称および英名のrhinocerosはこの角に由来し<ref name="owen-smith" />、古代ギリシャ語で鼻を指すrhisと角を指すcerasを組み合わせたものとされる<ref name="nakazato" />。スマトラサイでは後方の角が瘤状にすぎない個体もいたり<ref name="nakazato" >中里竜二 「においづけでなわばりを確認 サイ」『動物たちの地球 哺乳類II 5 アザラシ・アシカ・オットセイほか』第9巻 53号、朝日新聞社、1992年、146-150頁。</ref>、ジャワサイのメスには角のない個体もいる<ref name="obara_c">小原秀雄「スマトラサイ」「ジャワサイ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、133-134頁。</ref>。角はケラチンの繊維質の集合体で、骨質の芯はない(中実角)<ref name="owen-smith" /><ref name="nakazato" />。何らかの要因により角がなくなっても、再び新しい角が伸びる<ref name="nakazato" />。シロサイやクロサイでは最大1.5mにもなる<ref name="geo">[https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141218/428850/ シロサイ] 日経ナショナルジオグラフィック</ref>。サイの角は肉食動物に抵抗するときなどに使われる。オスのほうがメスより角が大きい。目は小さく、視力は非常に弱い。シロサイは30mも離れると動かないものは判別できない<ref name="tow">[http://www.tomorrow-is-lived.net/wildlife/perissodactyla/w-rhinoceros.html Tomorrow is lived]</ref>。嗅覚は非常に発達する<ref name="owen-smith" />。聴覚も発達し、耳介は様々な方向へ向け動かすことができる<ref name="owen-smith" />。脳は哺乳類の中では比較的小さい(400 - 600g)。後腸をもつ後腸発酵草食動物で、必要とあらば樹皮のような硬い植物繊維質も食料源とすることができる。単胃であるため採食が頻繁で、反芻しない。体は硬い皮膚に覆われているが口先はやわらかく、感覚に優れている。口先の形状は種によって異なり、種によって食性が微妙に違うことを示している<ref>[http://animals.nationalgeographic.com/animals/mammals/black-rhinoceros/ ナショナルジオグラフィック Black Rhinoceros by Diceros bicornis]</ref>。吻端はシロサイを除いて尖る<ref name="nakazato" />。インドサイやクロサイは上唇の先端がよく動き、木の枝などを引き寄せることができる<ref name="owen-smith" />。シロサイは頭部が長くて唇が幅広く、丈が短い草本を一度に広い範囲で食べることに適している<ref name="owen-smith" />。
24本から34本の歯を持ち、小臼歯と大臼歯ですり潰す(歯式は 1-2/0-1, 0/1-1, 3-4/3-4, 3/3)。アジアのサイの下顎切歯を除けば、犬歯および切歯は痕跡的である。これは突進時の衝撃への適応 適応と考えられている<ref>[http://www.newworldencyclopedia.org/entry/Rhinoceros Rhinoceros] New World Encyclopedia</ref>。アフリカのサイ2種は前歯を持たず<ref>[http://www.iheartrhinos.com/rhino-facts.html Rhinoceros Fact] iheartrhinos.com</ref>、その代わりに口先(吻)で餌を挟み取る。四肢は短く頑丈で、指趾は3本<ref name="nakazato" /><ref name="owen-smith" />。
== 関連項目 ==
* [[塗山氏女]]:中国神話で石と化して亡くなった女神。
* [[グミヤー]]:グミヤーは犀で世界を創造する。
* [[李氷]]:石犀を作って水神を鎮める。
* [[小泉小太郎伝説]]:小太郎は犀川流域を開拓したと言われている。
[[Category:水生生物]]
[[Category:動物]]
[[Category:石|*]]

案内メニュー