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==== 近現代のブタ ====
[[明治維新]]以後、肉食は一般化していった。まず普及したのは牛鍋([[すき焼き]])にみられるように牛が圧倒的であり、豚肉の需要はすぐには伸びなかった。豚の飼育は増えたものの、これは東京近郊の農家が[[肥料]]を得るためで、食用が主目的ではなかった。しかし、日本政府が[[富国強兵]]策として[[1900年]]より養豚事業を開始し、[[1904年]]の[[日露戦争]]開戦により兵士に支給される食肉が増加、それに伴う牛肉の不足からの豚肉食の奨励が行われた<ref>[http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40160?page=5 食の研究所]豚汁がまだ「おふくろの味」ではなかった時代 2014.03.14 澁川 祐子 </ref>。また[[大正]]元年([[1912年]])に[[コレラ]]の流行が起きると、[[警視庁]]がコレラの流行を食い止めるために[[魚類|魚]]の生食を制限し、火を通すことが前提である肉食を奨励した。この際、上述のように豚が多く飼育されていた東京や[[関東地方]]において安価であった豚肉が注目された。これによって、それまで牛肉が主であったカツレツが豚に置き換えられて[[豚カツ]]が誕生するなど豚肉料理がこの時期に多く誕生し<ref>[[野瀬泰申]]、『天ぷらにソースをかけますか? ニッポン食文化の境界線』pp174-176、2009年3月30日、新潮文庫</ref>、豚肉の需要が急増して、ブタも日本各地で再び飼われるようになった。特に[[関東大震災]]後に関東地方で養豚ブームが起き、供給量が増えて安価になった。琉球の島豚は[[1902年]]にバークシャー種、ハンプシャー種が入り純粋種はなくなったが[[名護市]]や[[奄美大島]]などで復元されている。
 
== 品種 ==
{{main|en:List of pig breeds}}
主な[[品種]]({{lang|en|breeds}})に[[大ヨークシャー種]]、[[高座豚]]、[[富士幻豚]]に代表される[[ヨークシャー種]](俗称「中ヨークシャー種」)、[[ランドレース種]]、[[デュロック種]]、黒豚に代表される[[バークシャー種]]、ハンプシャー種などがある。近年では、これらの品種の二つか三つ([[三元豚|三元交配]])を掛け合わせて肉豚を生産することが多い。肉質の良い品種、子豚を多く生む品種を使いハイブリッド豚も作られている。黒豚と中ヨークシャー種は肉が特に美味だとされるが、小柄で肥育に日数を要する(アメリカ系バークシャー種を除く)。純粋な中ヨークシャー種を肉用に肥育することは少ない。日本においては「黒豚」と表示して販売できるのはバークシャー純粋種のみとされている<ref>食肉公正競争規約第4条-5、第10条-5及び、規約に基づく食肉公正競争規約施行規則</ref>。ブタとイノシシは生物分類学上同じ種(species)である。実際相互に交配可能であり、生まれてくる仔は[[イノブタ]]といわれる。
 
{{Multicol}}
; イギリス
:*[[大ヨークシャー種]]
:*[[ヨークシャー種]](中ヨークシャー種)
:*[[バークシャー種|イギリス系バークシャー]]
:
; アメリカ
:*[[デュロック種]]
:*[[ハンプシャー種]]
:*[[アメリカ系バークシャー]]
:
; デンマーク
:*[[ランドレース種]]
:
; スペイン
:*[[イベリコ豚]]
:
; イタリア
:*[[チンタ・セネーゼ豚]]
:
; フランス
:*[[ビゴール豚]]
:*[[バスク豚]]
:
; ハンガリー
:*[[マンガリッツァ]]
:
; 日本
:*[[トウキョウX]]
:
:;沖縄
::*[[アグー]]
::*[[アヨー]]
:
{{Multicol-break}}
; 中国
:*[[梅山豚]]
:*[[ハルビン白猪]]
:*[[新淮猪]]
:*[[北京黒猪]]
:*[[上海白猪]]
:*[[伊犁白猪]]
:*[[カン州白猪|贛州白猪]]
:*[[漢中白猪]]
:*[[三江白猪]]
:*[[東海猪]]
:*[[新金猪]]
:*[[北京花猪]]
:*[[泛農花猪]]
:*[[山西黒猪]]
:*[[太湖猪]]
:*[[梅山豚]]
:**[[二花臉豚]]
:**{{仮リンク|楓径豚|en|Fengjing pig}}
:**[[嘉興黒豚]]
:**[[横径豚]]
:**[[米豚]]
:**[[沙烏頭豚]]
:他に、地方品種として、東北民猪、西北八眉猪、黄淮海黒猪、漢江黒猪、沂蒙黒猪、両広小花猪、粤東黒猪、海南猪、滇南小耳猪、藍塘猪、香猪、隆林猪、槐猪、五指山猪、寧郷猪、華中両頭烏猪、湘西黒猪、大囲子猪、大花白猪、金華猪、竜遊烏猪、閩北花猪、嵊県花猪、楽平猪、杭猪、贛中南花猪、玉江猪、武夷黒猪、清平猪、南陽黒猪、皖浙花猪、莆田猪、福州黒猪、姜曲海猪、東串猪、虹橋猪、圩猪、陽新猪、内江猪、栄昌猪、成華猪、雅南猪、湖川山地猪、烏金猪、関嶺猪、藏猪などがある。
:
; ベトナム
:*[[ポットベリーピッグ]]
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ブタの品種については、[[養豚#品種]]の項を参照。
 
=== ブランド豚 ===
ブランド豚には明確で客観的な品質評価基準がないので、銘柄豚(ブランド豚)だからといって全てが良い豚肉であるとは限らない。現在のブランド豚全頭が均一に良い豚肉になることはなく、肉質が普通の豚より落ちるものもある。これは品種や飼料、飼育方法、飼育環境にこだわって、肉質・脂質や味が二の次になる銘柄豚もあるからである。豚肉は工業製品ではないので、全部が全部、均一に良いということはない。1頭の豚の右半身と左半身でも全く肉のつき方や肉質の異なることさえある。1頭1頭で脂のしまり方、熟成の期間も違う。したがって、現在のブランド豚を買っても、消費する段階で全ての食味が良いという訳ではない。消費者に届く段階まで、1頭1頭ごとの熟成の管理されているとは限らない。
 
==== 洋種系 ====
* [[かごしま黒豚]]・鹿児島黒豚 - [[明治|明治時代]]に琉球から伝えられた島豚とイギリスから導入したバークシャー種を掛け合わせ改良され、本来の鹿児島黒豚が誕生。昭和に入り生産者を守る観点より多産系で発育の早い白豚との交配が進み、俗に言う黒豚三元豚が誕生した。明治に交配され本来の鹿児島黒豚は鼻がしゃくれていたが、昭和の黒豚は鼻筋がとおっている黒豚である。その後その黒豚とアメリカンバークシャー種との交配も進められた。高級志向の流れもあり、再びイギリス系バークシャー種との交配が進められ、現在の鹿児島黒豚がある。明治古来からの血統を継ぐ鼻のしゃくれている鹿児島黒豚も少ないながらも飼育されており、希少価値も高い。
* [[富士幻豚]](ふじげんとん)- 中ヨークシャー種の掛け合わせ[[二元豚|二元交配豚]]。
* [[高座豚]]
* [[TOKYO X]](トーキョーエックス) - [[東京都]]が系統造成した。生産拠点は多摩地区のほか、周辺の他県にもある。枝肉が上規格のみを[[TOKYO X]]として認定している。
* [[イベリコ豚]]
* [[白金豚]](はっきんとん)
* [[茶美豚]](チャーミートン)
* [[三元豚#平牧三元豚|平牧三元豚]] - ランドレース種とデュロック種を掛け合わせ、それとバークシャー種を掛け合わせた[[三元豚|三元交配豚]]。山形の特産品。当初は「平牧黒豚」という名称で販売していたが、食肉公正競争規約第4条第5号、第10条第5号及び、規約に基づく食肉公正競争規約施行規則にあわせて現在の名称に変更した。
* [[桃豚]] - 秋田の特産品。
* [[杜仲豚]]([[トチュウ|とちゅう]]とん) - [[秋田県]][[大仙市]]の特産品。
* [[幻霜ポーク]](げんそうぽーく) - [[広島県]]産。ランドレース種と大ヨークシャー種とデュロック種を掛け合わせた。
* [[元気豚]](げんきぶた) - 千葉県多古町の特産品。チバザポーク銘柄豚の1つ。
* [[ローズポーク]] - 茨城県が全国に先駆けて系統造成し[[1979年]]に認定されたランドレース種系統豚「ローズL」を使ってできた銘柄豚。さらに大ヨークシャー種、デュロック種の系統豚を掛け合わせて生産している。
* [[おおいたL07]] - [[大分県]]が系統造成したランドレース種系統豚。[[2007年]]登録。
* [[シルクポーク]] - 秋田県[[横手市]]の特産品。
* [[ひょうご雪姫ポーク]] - 兵庫県の近年開発された新ブランド。一般的な[[三元豚|三元交配豚]]でありながら、赤身に脂肪の[[サシ]]が入るのが特徴。
* [[桃色吐息 (ブタ)|桃色吐息]] - 兵庫県[[姫路市]]<ref>[http://www.e-himeji.com/himejipork/ 姫路グルメポーク・桃色吐息]</ref>。
* [[京丹波ぽーく]] - 平成7年から約10年かけて造成したデュロック種の系統で、「発育の早さ」と「ジューシーな肉質」の特長を有している。
* [[八鹿豚]] - 兵庫県[[養父市]](旧[[八鹿町]])<ref>[http://www.yamasho-kaniya.com/cathand/list-17495-0-0-0.html 八鹿豚]</ref><ref>[http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/gokoku/201304/0006068222.shtml 八鹿豚を育てる]</ref>。
* [[愛媛甘とろ豚]] - 中ヨークシャー種純粋交配豚に、愛媛県産[[ハダカムギ]]を与えた新ブランド。
* [[和豚もちぶた]] - ランドレース種×ラージホワイト種にデュロック種を掛け合わせた豚。独自配合の飼料を使う。獣臭がなく、きめが細かく脂身がさっぱりしている。
* [[αのめぐみ]](アルファのめぐみ) - 石川県の産学官が共同開発したブランド豚。一般的な豚と比べ「[[α-リノレン酸]]」の含有量が多いのが特徴。
* [[トトリコ豚]] - [[鳥取県]]のブランド豚。餌に[[ドングリ]]を用いる黒豚。
* [[アボカドポーク (アボ豚・アボトン)]] - [[千葉県]]のブランド豚。飼育過程において一定期間、[[アボカド]]またはアボカドオイルを豚に与えて飼育するのが特徴である。
* [[玉城豚]] - 三重県のブランド豚<ref>{{cite book|和書|editor=株式会社ゼロ(月刊Simple) 編|title=農トリップ まるっと玉城|publisher=玉城町|date=2013-02-05|page=30|ref={{sfnref|株式会社ゼロ 編|2013}}}}{{全国書誌番号|22523136}}</ref>。
 
==== 沖縄種系 ====
[[ファイル:Agu Pig in Ueno Zoo.jpg|thumb|アグー([[恩賜上野動物園|上野動物園]])]]
* [[アグー]] - 沖縄の在来種を元祖とした産業豚。
* [[今帰仁アグー]](ナキジンアグー) - [[沖縄県]][[今帰仁村]]産。沖縄在来種の閉鎖育種による系統選抜種。ミトコンドリアDNAの解析では他のアグーと異なる東アジアで飼育される豚のグループに入る。胸椎、腰椎の数がイノシシと同数であり、東洋種の特徴を残す。性成熟が約100日であり卵巣摘出をしていた沖縄の伝統的な雌豚の生理生態を残す。遺伝的に筋繊維が細く張りがあり脂肪融点が低く超美味である。平成24年3月に商標が登録されている。
* あぐー - JAおきなわの登録[[商標]]。アグーの血を4分の1以上継ぐ交配豚の生産業者に対して与えられる。
 
==== 中国種系 ====
* [[梅山豚]](めいしゃんとん)
* [[金華豚]]
 
=== 小型品種 ===
; ミニブタ
:[[ミニブタ]](miniature pig; mini-pig)は品種改良の結果生まれた[[愛玩動物]]・[[実験動物]]である。ブタとして「ミニ」であっても、体重は概ね40 - 70kgあり、100kg以上に育つ個体もある<ref>[https://mainichi.jp/ch160508964i/ミニブタ 『毎日新聞』朝刊2018年4月11日「【ハマりました】ミニブタ/賢くてツンデレ頼れる 背中」用語解説。]</ref>。元々家畜として飼われていたブタの小型のもの(中国南部、東南アジアのものが多い)と、交雑によって作られた種類とがある。交雑種は主に実験動物用に開発されたもので、クラウン系ミニブタやゲッティンゲン系ミニブタなどがある<ref>{{Cite journal|和書|author=吉田光敏 |title=クローン繁殖技術による高付加価値クラウン系ミニブタの開発 |journal=鹿児島大学農学部農場技術調査報告書 |issn=0919-4940 |publisher=鹿児島大学 |year=2010 |volume=16 |pages=10-13 |naid=120002514454 |url=https://hdl.handle.net/10232/9638}}</ref>。
 
:アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリア、日本などでペットとして飼われているミニブタは、ほとんどがベトナムを起源とし、ヨーロッパ→アメリカ→日本に移入された太鼓腹(ポットベリー)から名づけられた{{ill2|ポットベリーピッグ|en|Vietnamese Pot-bellied}}(ポットベリー種)であり、ドイツで開発された「ゲッティンゲン」の血を引くものと思われるものもある。
 
; マイクロブタ
:[[マイクロブタ]]はミニブタをさらに品種改良し、体重が成長停止時で18 - 40kg程度まで育つようにした実験動物・愛玩動物のブタの品種である<ref name="jichiika">{{Cite web|url=https://www.jichi.ac.jp/cdamt/setsubi/taishou.html|title=実験対象|accessdate=2021-10-09|publisher=自治医科大学 先端医療技術開発センター|quote=マイクロミニブタは突然変異の超小型ブタから系統造成中の系統で、6~8か月齢で体重10kg、成長停止時の体重20kg程度の極小ミニブタである}}</ref>。
== 野生ブタ(野ブタ) ==

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