日本では阿遅鉏高日子根(ア'''ヂ'''スキタカヒコネ)、伊豆能売(イ'''ズ'''ノメ)、神阿多都比売(カムア'''タ'''ツヒメ(木花之佐久夜毘売の本名))の名にこの子音がみられる。古い時代の神々と見えて、中国式に「阿」「伊」といった親しみを示す接頭語がついている例がある。阿遅鉏高日子根は雷神としての性質も持つ。日本では「'''火山の神'''」としての性質も強いように感じる。雷も火山も大きな音を立てて光と熱を発するからであろうか。「伊豆」という地名も関連する言葉であろう。伊豆は火山の多いところである。
== 3.B-、P-、W-、V-、O-あるいはU- ==
「B-」「P-」について。神の名を示す言葉に「ベール(Bel)」という。これは荒れる天候神のエンリルや、太陽神マルドゥクの添え名である。他にもカナンの天候神バアル(Baal)、シュメールの太陽神バッバル(Bahbar)、ギリシア神話のプロセルピナ(Proserpina)がある。接頭語を離れた例は、ヒッタイトの太陽女神ヘバト(Hebat)、アナトリアのキュベレー(Cybele)、古代メソポタミアの伝説的女王ク・バウ(Ku-Bau)など。ギリシア神話のアプロディーテー(Aphrodite)など。
== Estanという言葉について ==
==== 1)A-、I-、E- ====
[[ファイル:helios.png|thumb|center|780px|主なヒエログリフにみる接頭辞の変遷]]
ヘバト(Hebat)女神の名を参考にしてこちらの群の接頭辞を見ていくと、いずれもKhrという言葉から子音が失われたものと思われる。おそらく、当初存在していたであろう「K」という子音ははっきりとカ行の音で発音するものではなく、軽く発音するものであったのであろう。この言葉から、葦、糸(機織り)に関するヒエログリフ、腕、口、きちんとした四角形の池、鳥、鳥から派生したと思われるマアトの羽等のヒエログリフが派生していると考えられる。<br>
ただし、葦は水辺の植物であるため、蛇神を意味する子音「d」の発音で読まれることもある。<br>