=== 3.Y-(イラン等) ===
[[ファイル:i-reed1.png|thumb|right|px|a,i,m,y, 葦の穂]]
ゾロアスター教において、中級神の一群をヤザタ(Yazata)と呼ぶ。これは別名をイェズダン(Yezdan)ともいう。stanという言葉を「土地」と解するのであれば、これは本来「Ya-stanあるいはYe-stan(神々の土地)」という言葉から派生したと考えられる。<br>
古代エジプトにおいて、「Y」あるいは「I」を意味するヒエログリフは「葦」の形で現される。この言葉は本来太陽を示す「khr」の子音で現された言葉から先頭の子音が失われ、「Hy-」あるいは「Hi-」となったものから、更に「h」の子音が失われて、母音のみが残されたものと考える。例えば、ヒッタイトのヘバト(Hebat)女神はケバト(kebat)とも呼ばれ、「H」という言葉は「K」という子音と連続性がある言葉であることが分かる。ヘバト女神は太陽神なのであるから、当然「He」という言葉は「太陽」を指すものと考えられる。例えば古代エジプトの太陽神ホルス(Horus)やギリシア神話の太陽神ヘーリオス(Helios)も、「H」で始まる太陽神である。<br>
また、「Yazata」という言葉が「Ya-stan」という言葉から派生しているのであれば、正確には「太陽神の土地」と呼ぶべきなのではないだろうか。また、「Yazata」の最後の子音である「ta」を古代エジプトの「食料としての月」の「t」と同じ意味の言葉と捉えれば、「Yazata」とは「太陽-太陽-月」という意味になる。ヒッタイトのヘバト(Hebat)女神の名を子音でみると「He-ba-t」となり、こちらも意味としては「太陽-太陽-月」ということとなるため、根本的には「Yazata」と「Hebat」は同じ意味を持つ言葉ということになりそうである。
==== 1)Z-とS-について ====