天狗は'''頭が白い'''狐狸のような動物で、'''魔除けの瑞獣'''とされた。しかし、その後彗星や流星を表す言葉へと発展し、古代人は天空を走る星を大きな災厄とみなすようになった。そのため、天狗という名前も'''凶星を表す言葉'''になったのである。
== 備考 ==
この項は、「天狗(中国)」について纏めるためにもっと内容を整理しないといけません。現時点(25年12月23日)での「天狗考」については[https://bellis.sakura.ne.jp/adiary/bell/%e6%af%94%e8%bc%83%e4%bc%9d%e6%89%bf/003 '''こちら''']をご覧下さい。
== 歴史 ==
明朝(15世紀頃)の頃から、天狗が日食や月食を起こすという、「天狗食日食月信仰」が登場した。日食が起きると、人々は太鼓や爆竹を叩いて天の犬を追い払うようになった。
== 天狗食日・犬に追いかけられる日月 ===== Wikipediaの天狗(中国) ===明朝の頃から、天狗が日食や月食を起こすという、「天狗食日食月信仰」が登場する。以下のような内容である。 <blockquote>昔々、太陽神と月神が、人間の起死回生の薬を盗んだ。<br>人々は犬に月と太陽を追いかけさせた。<br>しかし、月神と太陽神はすでに薬を飲んでいたので、犬が月と太陽を噛んでも噛んでも、月と太陽は死なない。<br>それでもこの犬は諦めない。常に月と太陽を食う。<br>それで、日食、月食が起こるのである。(『紅河イ族辞典』より)</blockquote> ここでいう天狗とは、文字通り「天の狗(=犬)」のことである。この神話は現在、中国全土に広まっている。 === 羿神話 ===伝説によると、[[羿|后羿]]が民のために9つの太陽を撃ち落としたとき、王母娘娘(西王母)は褒美に霊薬を与えたが、[[羿|后羿]]の妻である[[嫦娥]]はそれを食べて一人で天に昇ってしまったという。門の外から[[羿|后羿]]の猟犬・黒耳が吠えながら家の中に飛び込み、残りの霊薬を舐めてから上空の[[嫦娥]]の後を追った。[[嫦娥]]は黒耳の吠える声を聞くと、あわてて月に飛び込んだ。そして、髪を逆立て、体を大きくした黒耳は、[[嫦娥]]に飛びかかり、月を飲み込んだ。 月が黒い犬に飲み込まれたことを知った玉皇大帝と王母娘娘(西王母)は、天兵に命じて犬を捕らえさせた。黒い犬が捕まった時、王母娘娘(西王母)は[[羿|后羿]]の猟犬と認め、南天の門を守る天狗にした。黒耳は役目を得ると、月と[[嫦娥]]を吐き出し、それ以来、月に住むようになった。 張仙が天狗を撃った話は、天狗が天の星が子供として生まれ変わるために地上に降りてくるのを邪魔していたので、張仙が天狗を打ち払って、人々が問題なく子供を得られるようにしたことから、張仙と呼ばれるようになったというものである。 === ハニー族の天狗食日 ===ハニー族の先祖のである三兄弟は不老不死の薬を持っていたが、月神に盗まれた。三兄弟は長い梯子を作って天に昇り、薬を取り戻そうとしたが、月神が梯子を倒したため三兄弟は地面に落ちた。彼らの飼っていた犬が天に昇って月を噛んで薬を取り戻そうとするので月食が起きる<ref>『中国文学大事典・下』より、天狗食べ日(月)考、王鑫、怪異・妖怪文化の伝統と創造ーウチとソトの視点から、2015、巻45、p67</ref>。 ==天狗食月1天狗食月 ==
古くは「天狗が月を蝕む(天狗蝕月)」という言い伝えがあり、例えば明代の『洪山中碑文』には「景光年間、天狗が月を蝕み、'''玄武竜と野戦した'''」と始まっている。 明の代の「洪順楚の歌」には、「景康の年、犬が月を食った」という前置きがある。李氏朝鮮時代の李忠武公の亀甲船の歌には「天狗は月を蝕み、海は疲弊し、風は万里を断つ。」とある。
韓国では、犬は満月と相性が悪いと言われているため、満月の日には犬に餌を与えない<ref name="韓國的民俗與文化">扈貞煥, 《韓國的民俗與文化》, 2002-10, 台灣商務出版社, 台灣, isbn:9570521163</ref>。ビルマの伝説では、月が天狗に飲み込まれたのは、死者を蘇らせ、病人を癒すために主人の臼と杵を盗んだからだと言われている<ref name="缅甸文化综论">李谋, 《缅甸文化综论》, 2002-08, 北京大学出版社, 中國, isbn:9787301058312</ref><ref group="私注">臼と杵は「[[不老不死の薬]]」を作るのに必要なのである。</ref>。
古代中国では、天狗は月の邪神の名前としても使われていた。古書『謝爾捷方』巻四は、枢機卿の暦を引用して、「天狗は月の邪神である」と述べている。 この日は神仏に祈ること、加護を祈ることは禁じられていた。同書はまた、暦から「天狗は常に月の前二時にいる」と引用している。
民間では他に「蝦蟇が月を食べる(月蝕蝦蟇)」というものもある。
== 天狗食月2 ==
管理人が、各地の日月食神話に影響を与えたと考える話。
eastasian氏のブログから、引用。
<blockquote>'''河北省保定の中秋節に関する伝説'''<br />
毎年八月十五日の深夜、天上には天狗神が現れ、月を呑むと言われている。奇妙なことだが、この天狗神は'''口はあるがのどがない'''。大口を開けて月を呑むが月はその腹に収まることはなくのど元から吐き出されるのである。吐き出しては又呑む。それを何度も繰り返して簡単にあきらめることはない。月の神はこれを耐えがたく思って下界の人民に指示をだし、様々な大声を出して天狗を驚かし追い払うようにしたのである。<br />
そんなわけで毎年この夜には民間では爆竹を放ち、鉄鍋を鳴らし、銅盆をたたく。太鼓をたたくものもある。それは天狗を脅かしているのである<ref>[https://eastasian.livedoor.blog/archives/1946100.html 犬(3) 狗食日月]、神話伝説その他、eastasian、00-01-18(最終閲覧日:22-10-23)</ref><ref group="私注">この場合の「天狗神」は明らかにインド神話の[[ラーフ]]に相当するように思う。また、[[饕餮]]の特徴とも一致する。</ref>。</blockquote>
<blockquote>'''民間習俗(『中国民間禁忌』より)'''<br />
民間では日月色は天狗がこれを食べたからだと言う。皆既日月食は食べられ排泄された、と考えて不吉で不作である。部分日月食は食べきれずに吐き出したと考えて吉、豊年であるとする。人々は日月食があると銅鑼を鳴らし、太鼓を叩いて天狗を脅し日月を救おうとする。<ref>[https://eastasian.livedoor.blog/archives/1946100.html 犬(3) 狗食日月]、神話伝説その他、eastasian、00-01-18(最終閲覧日:22-10-23)</ref><ref group="私注">禍斗という霊犬は火に関係し、排泄物も「火」であるという。ということは、怪奇日食後の太陽は「'''天狗(禍斗)の糞'''」なのではないだろうか。</ref>。</blockquote>
== その他の天狗食月 ==
また管理人は、長野市栗田で「狗天伯」という神が祀られている祠を見たことがある。天白神あるいは天伯神は東海から関東にかけて割と頻繁に見られる神であり、雷神信仰が目立つ地域に良く見られるという印象を持っているので、雷神の一種ではないか、と管理人は考える。栗田のあたりは、かつて裾花川が近くに流れていた地域であり、狗天伯社は水神の祠と並んでいるので、水に関連する神の性質もあるように感じる。ただし、「狗天伯」と天白神に「狗」がつく神は、栗田でしか見たことがない。もしかしたら、「狗天伯」というのは、頭が白いという中国風の天の犬神のことで、北極星のことでもあるかもしれないと思う。
== その他 ==
北欧神話ではスコールとハティという2匹の狼がそれぞれ太陽と月を食べようと追いかけ、日月蝕の原因になると言われている。
インド神話では[[ラーフ]]という「首だけの神」が日月蝕を起こすという。[[ラーフ]]の息子達は[[ケートゥ]]という32の彗星とされ、中国の天狗が流星とされていたことと性質が似ている。[[ラーフ]]もまた彗星あるいは流星の一種であり、中国風の「天狗」に相当するのではないだろうか。
== 派生神話あるいは天狗食日月北斗 ==