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9.子孫の時代になると姜一族は増え、王室はますます栄えたが、社会制度や道徳観念が整ってくると王室の歴史に色々と問題が生じるようになった。先祖である姫補佐官と饕餮補佐官の仲が悪いことは体裁が悪い。姫補佐官と息子の姜王子の仲が悪いのも体裁が悪い。父親殺しなんてもっての他である。母親殺しもまずいけど、姜王子が早い段階で太陽女神信仰と母の存在を公式の記録から消してしまっていたから、こちらは子孫の政治的課題にはならなかった。ともかく、父系の男の家族はみな仲良しだったことにせねばならないのだ。9.父兄の黎明期の文化は[[良渚文化]]である。[[良渚文化]]では、雷神と獣面紋が主たる神として祀られていた。いずれも男性形の神である。良渚文化の早期は副葬品から女性が優位だったと考えられている。また「[[共工]]」という神話的概念が生まれていたようだ。
そこで、姫補佐官を「'''黄帝'''」、饕餮補佐官を「'''炎帝'''」として二人とも神格化して並び立てることにした。彼らは喧嘩もしたけど、仲も良かったのだ、ということにした。饕餮補佐官は怠け者でたいした業績がなかったので、「土神」としての性質を'''黄帝から炎帝に移すことにした'''。そうすると、「[[共工]]」という概念があったとすれば、それと対立する[[祝融]]、[[禹]]といった概念もあったと想像する。女性が優位で母系的であった頃の良渚文化は、女性の祭祀者兼首長が、雷神、獣面神、共工をある程度並べて祀っていたと思われる。女性首長自身が単なる祭祀者だったのか、太陽女神の代理人といった女神的地位にあったのかは定かではない。そして、首長が女性であっても、男性の神々を主に祀っていたのなら、神々と信仰の世界では「父系化」がすでに始まり、進んでいた状態といえはしないだろうか。
「黄帝が天(円)、炎帝が地(方)」共工は「良き神」として祀られていたとしても、現在伝わる中国神話から察するに、蛇神だったり水神だったりすると想像する。いわゆる「[[黄帝型神]]」である。[[祝融]]は天から火を降らせた火神だ、という神話がある。日本では古来より「火雷神」として火の神と雷の神が一体であるという概念がある。天から火を降らせる、という性質からして祝融には雷で火事を起こす雷神としての性質が含まれてもおかしくはない。鳥雷神、特に雄鶏雷神は古代の長江流域に見られる思想であり、良渚文化よりも古い河姆渡文化からは二羽の雄鶏が太陽を支える図が出土している。よって、良渚文化で信仰されていたのは* [[祝融]]に相当する鳥雷神* [[禹]]に相当する獣面神* [[共工]]に相当する水神だったのではないだろうか。母系が優位の時代には彼らは雷神を頂点としながらもある程度は並び立っていたのだが、時代が下り父系が優位となると、まず女性首長が潜在的に担っていた「太陽女神」としての地位は男性首長が「太陽神」となるように変更されたことと思う。彼らの開祖的な先祖とみなされる[[禹]]は、初代の王であり、太陽神とされたのではないか。[[禹]]の地位が単独で上昇するにつれて、水神としての[[共工]]の地位は低下し、後に中国神話で悪神とされるように、「悪い神」へと変更されてしまったと考える。共同体の中で「[[共工]]」を神として指示する人々が女神信仰を指示ししてもいたので、彼らとその神[[共工]]の地位が低下するにつれて母系優位の文化や女神信仰も衰退してしまったと思われる。そして父系の文化は竜山文化へと確立してゆく。
になって、二人は子孫の皇帝と皇室を見守ってくれていることになる。  姫補佐官と姜王子の関係は一つにまとめることができなかった。姫補佐官が悪い、という人達と、姜王子が悪い、という人達がいて反発しあうからだ。そこで3つのパターンを作って、別々の話として語り継ぐことにした。この頃には姜王子は「火を祀る一族」にちなんで「火神」とみなされるようになっていた。'''天の太陽神でもあり、地の火神でもある'''のだ。 # 姫補佐官と姜王子が戦って、姫補佐官が勝ったパターン。これを、黄帝と'''蚩尤'''の戦い、とした。父と子の関係はなかったことにした。でもクー・フーリン(「犬」という名の英雄)とコンラ、ロスタムとソフラーブ、シヴァ(蛙)とガネーシャ(火)、伊邪那岐命と火之迦具土神の中に「'''父が子を殺すパターン'''」が残されている。# 姫補佐官と姜王子は戦うけれども、和解して姜王子の子孫が認められるパターン。ヤオ族の伝承では、これを黄帝(雷)と蚩尤(父親)との戦いの後、蚩尤の子'''伏羲'''だけが許されて生き残る、とした。さらに[[伏羲]]はだから、[[禹]]という名に変えられて、夏・周という国を作ったこととされたと考える。([[禹]]は[[祝融]]同様水神を殺す。)だから夏の皇室の名は'''姜'''だったと思われる。# 姫補佐官と姜王子が戦って、姜王子が勝ったパターン。'''[[祝融]]'''と[[共工]]の戦い、あるいは[[祝融]]と[[鯀]]の戦いである。の起源は黄河文明ではなく長江文明であって、治めた川は黄河ではなくて、本当は長江のことだったのではないか、と考える。良渚文化の玉器に複数の獣面が掘られたものがあるが、それは「太陽が複数あった」という[[黄帝羿]]は悪神とされた。でも、インドと日本の神話にだけ、火神が親を焼き殺す話が残ってしまったのだった。姫補佐官が悪神とされる場合は、その鬼の怒りをなだめるために、「'''親を殺した女王'''」に見立てた娘を生け贄に捧げなければ、不吉なことが起きるとされた。 こうすると'''土神としての姫補佐官は消してしまわなければならない'''ので、国内からはほとんど消した。あくまでも「犬族の姫補佐官神は土神である」と言い張る人々は粛正の対称とされた。後に彼らは政治という祭祀(占い)の場で姫補佐官の霊にお伺いを立てるための人身御供として、殷でどんどん殺されることとなった。神話を彷彿とさせる感がある。
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