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アジア、ヨーロッパの神話・伝承を見ると、「'''燃やされた女神'''」の話をよく見かける。神話の世界では、この他に「'''(逃げ回って)[[吊された女神]]'''」「'''[[水に投げ込まれた女神養母としての女神]]'''」もよく登場し、これら三女神が一体化した女神もよく見かける。これらの女神は主に'''米や穀物を発生させたり、人々に与えたりする'''。まれに'''酒造りを教える'''こともある。薬草の発生に関連するからか、'''医薬神'''とされることもある。
本項ではこのうち「'''燃やされた女神'''」を取り上げたい。
** (殺される)月などの女神。日本神話の[[大宜都比売]]のような女神。ハイヌウェレなど。
* 身の潔白を証するためなどで火に飛び込むもの。インド神話のシータのような女神。
** '''ラプンツェル型''':シータは英雄に助け出されて結婚するが、後に火に飛ぶ混む羽目になる。民間伝承では助けられた王女は、英雄と結婚して「めでたしめでたし」で終わることが多いが、おそらく話の元となった歴史的事実は神話の方に近いものと考える。
** 毒蛇に噛まれて死ぬ女神(蛇毒が火になぞらえられている):エウリュディケ的な女神。
* 火神を生んで焼け死ぬもの。日本神話の[[伊邪那美命]]のような女神。'''伊邪那美型'''。
** 子供を捨てる女神。犬祖伝説、巨人祖伝説などと関連する。
* 踊る女神:[[天宇受賣命]]など。
である。
 
== 三女神の総合神話 ==
理解しやすくするために、[[豊玉毘売]]の例を挙げる。
 
<blockquote>[[豊玉毘売]]はワニの女神だったので、「出産時には本来の姿に戻るため姿を見ないで欲しい。」と夫に言う。しかし、夫は'''火を灯して'''こっそり見てしまう。[[豊玉毘売]]は子供を生むと、'''子供を捨てて'''、'''スタスタと故郷の海に逃げ帰る'''。</blockquote>
 
* '''燃やされた女神''':火を灯して見られた点。生まれた子供を捨てる点。
* '''吊された女神''':実家にさっさと逃げ帰る点。
* '''水に投げ込まれた女神''':海に飛び込んだ点。
 
となる。この神話は三女神の特徴をよくまとめたものと考える。近いものは朝鮮神話の[[三神婆]]といえよう。こちらは産婆の女神とされている。
== 燃やされた女神の類例 ==
* [[天甕津日女命]]:京都府・向日神社には[[天甕津日女命]]が民間伝承化したと思われる伝承があり、生まれた'''子供を捨てる女神'''として表されている<ref>おそらく「八犬伝」の元ネタの一つかもしれないと考える。江戸の作家は伝承をあれこれ勉強していて博学だったと思われるから。</ref>。
 
== 出産と出火が関連するもの ==
出産と出火が関連する場合は、「[[吊された女神]]」との複合神話と考える。特に'''木花之佐久夜毘売'''は名前の通り「樹木」に関連する女神で、その傾向が強いと感じる。
* [[伊邪那美命]]:火神を出産し火傷で亡くなる。
* 木花之佐久夜毘売:出産の際に火を放つ。
* [[伊邪那美命]]:火神を出産し火傷で亡くなる。
* [[狭穂姫命]]:出産時に兄と共に焼け死ぬ。
 
== ラプンツェル型 ==
若者が閉じ込められた王女を怪物から助けて結婚する話。民間伝承では好まれる物語ではないだろうか。「ラプンツェル」の話そのものは王子は魔女と直接戦ったりしないので、典型的な話ではないのだが、盲目になった王子がラプンツェルと再会して視力を取り戻したりするくだりは、この話の「原型」を良くとどめていると思うので型名にしたいと思う。
* [https://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=103&1765976032 タフムーラスとペリ・メルジャン](イラン神話)
== 関連項目 ==
* [[吊された女神]]
* [[水に投げ込まれた女神養母としての女神]]
== 参照他 ==

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