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また、月読命(豊産祈願)や大己貴命(大国主命)、御食津神(五穀豊穣)などを祭神とする寺社ではその祭神の性格からウサギを神の使いとするところも多い。『[[古事記]]』には大国主命に助けられるウサギの話として「また、月読命(豊産祈願)や大己貴命(大国主命)、御食津神(五穀豊穣)などを祭神とする寺社ではその祭神の性格からウサギを神の使いとするところも多い。『古事記』には大国主命に助けられるウサギの話として「[[因幡の素兎]]」の話が伝わっている。
ウサギは道教・陰陽思想の影響を受けたウサギは道教・陰陽思想の影響を受けた十二支の生肖の1つでもあり、「卯(う)」として暦時方角をもあらわしてきた(ただし東南アジアでは[[十二支ネコ]]が取って代わる)。 ==== 多産・豊穣・性のシンボル ====アングロ・サクソンの多産と豊穣をつかさどる春の女神エオストレ(Ēostre)は、その化身あるいは使いがウサギである。 ウサギは、'''冬に失われた生命が復活し草木が芽吹き花々が咲く再生の春のシンボルである'''。卵は宇宙の根源のシンボルであり、宇宙は卵から生まれ、殻の上半分が天になり、下の部分が地になったことをあらわす。絵画等でも女神は必ずといっていいほどウサギを伴った姿で描かれ、このウサギが良い子に卵をもたらすとされる。卵のほうは絵画にはあらわれないが、ウサギと卵の関係について、このウサギは'''女神が冬に翼の凍ってしまった鳥をウサギに変えたもの'''なので、特別に鳥のように卵を産めるのであるとする話や、ウサギが春色に塗り分けたきれいな卵をプレゼントしたところ女神が大変に喜び、皆にも配るよう命じたという話、ウサギが子どもたちを喜ばせるためにニワトリの卵を庭に隠して探させてみようとしたところ、そのうしろ姿を子どもたちにみられてしまった話などが伝わっている。欧米では現在も春の祭りの日の余興として、子供たちや招かれた客があらかじめ招待主の隠しておいた庭の卵探しをすることがあるという。 同様の話は、オスタラ (Ostera) アスタルテー (Astarte) イシュタル (Ischtar) イナンナ (Inanna) などの女神の名で欧州各地の神話伝説にあり、さかのぼれば、ギリシャのアフロディーテやローマのビーナスなどにも通じ、古代エジプト、ペルシャ、ローマなどでは春の祭りに卵に着色して食べる習慣が既にあったという。のちに、キリスト教が入ってきたときに、キリストの復活と春を祝う女神信仰が「生命への希望」という共通点で結びつき、エオストレ (Eostre) は[[復活祭]] (Easter) の名前の由来となった。 こうした経緯から、キリスト教会で行われる復活祭(イースター)では、生命と復活の象徴を卵とウサギに求めて、[[イースターエッグ]]や[[イースター・バニー|イースターバニー]]の名で行事にシンボルモチーフとして登場させる。ただし、正教会においてはイースターエッグのみであり、異教の女神と色濃く結びつくイースターバニーのほうは排除されてしまった。 こうした背景の中で、米英を中心とする西欧世界ではイソップ物語や不思議の国のアリスなどに登場するウサギのように、秩序からはずれた存在をあらわす役目をあてがわれ、あわて者、怠け者、異界へ誘う者、トリックスターとして描かれることも多い。天敵の多いアナウサギは生き残りのために発情期をなくして年中生殖行為が可能である<ref group="注">一方ノウサギの発情期は春先から秋であり、発情の始まった3月頃のオスのウサギが落ち着かなくなる様を指して「[[三月ウサギ]]」というイギリスのことわざが生まれた。</ref>。 年中発情している獣はヒトとウサギ(アナウサギ)くらいであるというイメージから、性的誘惑のシンボルとしてウサギが選ばれ、大人の世界のディズニーランドというコンセプトを目指した米国の高級ナイトクラブであるプレイボーイクラブの[[ウェイトレス]]の正式な[[コスチューム]]として、「バニーガール」が、1960年に採用され、[[カジノ]]や[[バー (酒場)|バー]]などで女性コスチュームに広く採用されるようになった。成人誌『[[PLAYBOY]]』でも、連動して1960年からオスのウサギの頭をデザインした「ラビットヘッド」がキャラクターとして用いられている<ref group="注">ウサギには“快活で、遊び心や茶目っ気がある”というイメージから、「ユーモラスであり、セクシーさの象徴」としてウサギをマスコットに選んだと、マークをデザインしたデザイナーは語っている{{要出典|date=2017年10月}}。</ref>。{{See also|バニーガール}} [[ウサギの足|ラビットフット(兎の足)]]という魔除けのお守りが、1940-1960年代にアメリカの[[ヒッチハイカー]]などの間で局地的に流行したとされる。その起源は[[ケルト]]の生肖の1つでもあり、「卯(う)」として暦時方角をもあらわしてきた(ただし東南アジアではの一族が身に付けていた幸運のお守りであり、ウサギの繁殖力を神聖視していた一族が、ウサギの男根を象徴しているウサギの足の[[ミイラ]]を身に付けて繁栄を願ったものであったとされている。 このように古来からウサギは多産豊穣・繁栄のシンボルとして、洋の東西を問わず女性や子どもと関わりの深い動物であり、1960年代ごろから男性成人向けのキャラクターとしても用いられるようになった。 今日の日本では、[ネコ[卯]]が取って代わる)。月が四月の春であること、月見をするのが現在は秋であることから、イメージとしては春とも秋とも結び付けられている。俳句においては、野兎<!--野生の兎の意味の野兎ではなく、ノウサギ属の野兎のほう-->や雪兔は冬の季語とされている。
== ペット飼育 ==
==== 多産・豊穣・性のシンボル ====
[[ゲルマン人|アングロ・サクソン]]の多産と豊穣をつかさどる春の女神{{仮リンク|エオストレ|en|Ēostre}}は、その化身あるいは使いがウサギである。
 
ウサギは、冬に失われた生命が復活し草木が芽吹き花々が咲く再生の春のシンボルである。卵は宇宙の根源のシンボルであり、宇宙は卵から生まれ、殻の上半分が天になり、下の部分が地になったことをあらわす。絵画等でも女神は必ずといっていいほどウサギを伴った姿で描かれ、このウサギが良い子に卵をもたらすとされる。卵のほうは絵画にはあらわれないが、ウサギと卵の関係について、このウサギは女神が冬に翼の凍ってしまった鳥をウサギに変えたものなので、特別に鳥のように卵を産めるのであるとする話や、ウサギが春色に塗り分けたきれいな卵をプレゼントしたところ女神が大変に喜び、皆にも配るよう命じたという話、ウサギが子どもたちを喜ばせるためにニワトリの卵を庭に隠して探させてみようとしたところ、そのうしろ姿を子どもたちにみられてしまった話などが伝わっている。欧米では現在も春の祭りの日の余興として、子供たちや招かれた客があらかじめ招待主の隠しておいた庭の卵探しをすることがあるという。
 
同様の話は、オスタラ (Ostera) アスタルテー (Astarte) イシュタル (Ischtar) イナンナ (Inanna) などの女神の名で欧州各地の神話伝説にあり、さかのぼれば、ギリシャのアフロディーテやローマのビーナスなどにも通じ、古代エジプト、ペルシャ、ローマなどでは春の祭りに卵に着色して食べる習慣が既にあったという。のちに、キリスト教が入ってきたときに、キリストの復活と春を祝う女神信仰が「生命への希望」という共通点で結びつき、エオストレ (Eostre) は[[復活祭]] (Easter) の名前の由来となった。
 
[[画像:Easter Bunny Egg 4-14-09 IMG 2445.jpg|right|150px|thumb|[[イースター・バニー]]と卵]]
こうした経緯から、キリスト教会で行われる復活祭(イースター)では、生命と復活の象徴を卵とウサギに求めて、[[イースターエッグ]]や[[イースター・バニー|イースターバニー]]の名で行事にシンボルモチーフとして登場させる。ただし、[[正教会]]においてはイースターエッグのみであり、異教の女神と色濃く結びつくイースターバニーのほうは排除されてしまった。
 
こうした背景の中で、米英を中心とする西欧世界では[[イソップ寓話|イソップ物語]]や[[不思議の国のアリス]]などに登場するウサギのように、秩序からはずれた存在をあらわす役目をあてがわれ、あわて者、怠け者、異界へ誘う者、[[トリックスター]]として描かれることも多い。[[画像:Brazilian playmates at Campus Party Brasil 2009 (2).jpg|130px|right|thumb|[[バニーガール]]ズ]]
天敵の多いアナウサギは生き残りのために発情期をなくして年中生殖行為が可能である<ref group="注">一方ノウサギの発情期は春先から秋であり、発情の始まった3月頃のオスのウサギが落ち着かなくなる様を指して「[[三月ウサギ]]」というイギリスのことわざが生まれた。</ref>。
 
年中発情している獣はヒトとウサギ(アナウサギ)くらいであるというイメージから、性的誘惑のシンボルとしてウサギが選ばれ、大人の世界のディズニーランドというコンセプトを目指した米国の高級ナイトクラブであるプレイボーイクラブの[[ウェイトレス]]の正式な[[コスチューム]]として、「バニーガール」が、1960年に採用され、[[カジノ]]や[[バー (酒場)|バー]]などで女性コスチュームに広く採用されるようになった。成人誌『[[PLAYBOY]]』でも、連動して1960年からオスのウサギの頭をデザインした「ラビットヘッド」がキャラクターとして用いられている<ref group="注">ウサギには“快活で、遊び心や茶目っ気がある”というイメージから、「ユーモラスであり、セクシーさの象徴」としてウサギをマスコットに選んだと、マークをデザインしたデザイナーは語っている{{要出典|date=2017年10月}}。</ref>。{{See also|バニーガール}}
 
[[ウサギの足|ラビットフット(兎の足)]]という魔除けのお守りが、1940-1960年代にアメリカの[[ヒッチハイカー]]などの間で局地的に流行したとされる。その起源は[[ケルト]]の一族が身に付けていた幸運のお守りであり、ウサギの繁殖力を神聖視していた一族が、ウサギの男根を象徴しているウサギの足の[[ミイラ]]を身に付けて繁栄を願ったものであったとされている。
このように古来からウサギは多産豊穣・繁栄のシンボルとして、洋の東西を問わず女性や子どもと関わりの深い動物であり、1960年代ごろから男性成人向けのキャラクターとしても用いられるようになった。
 
今日の日本では、[[卯]]月が四月の春であること、月見をするのが現在は秋であることから、イメージとしては春とも秋とも結び付けられている。俳句においては、野兎<!--野生の兎の意味の野兎ではなく、ノウサギ属の野兎のほう-->や雪兔は冬の季語とされている。
==== 速さのシンボル ====

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