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、 2022年10月18日 (火) 18:36
'''玉皇大帝'''(ぎょくこうたいてい)<ref name="二階堂2013p191">二階堂 2013, p. 191.(玉皇)</ref>、あるいは<!--二階堂2013ここから-->'''玉皇'''<ref name="二階堂2013p191" />(ぎょくこう<ref name="二階堂2013p191" />、<!--二階堂2013ここから-->Yù Huáng、Jade Emperor)、'''玉帝'''<ref name="二階堂2013p191" />(ぎょくてい)は、<!--二階堂2013ここから-->中国道教における事実上の最高神で、天界または宇宙の支配者であり、その下の地上・地底に住むあらゆるものの支配者でもある<ref name="二階堂2013p191" />。現在も庶民から篤く崇拝されており、民間信仰や、東南アジアなどの華僑の間では最高神として扱われる。
略さない形の名称は'''高上玉皇大帝'''(こうじょうぎょくこうたいてい)<ref name="二階堂2013p191" />。他に'''昊天金闕至尊玉皇上帝'''(こうてんきんけつしそんぎょくこうじょうてい)、'''玉皇上帝'''(ぎょくこうじょうてい)、'''天公'''(てんこう)などと呼ばれる。
== 解説 ==
上帝(昊天上帝、天帝とも)が古くから天の主催者として信奉されてきた。道教では「[[太元]]」を神格化した[[元始天尊]]、次に「[[道 (哲学)|道]]」を神格化した霊宝天尊([[太上道君]])、その後これらに「[[老子]]」を神格化した道徳天尊([[太上老君]])を加えた三柱(「'''[[三清]]'''」)が最高神とみなされていった<ref>[[#二階堂 2013|二階堂 2013]], p. 250.(三清)</ref>。
「玉皇」という名称は古くは[[六朝]]の道士・[[陶弘景]]の『真霊位業図』の中にみられるが、その地位はあまり高くはなかった。[[唐|唐代]]にはその名称が普及し、詩文の中で天帝の美称として玉皇や玉帝といった名称を用いるようになっていった。玉皇大帝が本格的に最高神とされるようになったのは[[北宋]]である。[[真宗 (宋)|真宗]]が[[大中祥符]]8年([[1015年]])に「太上開天執符御歴含真体道玉皇大天帝」という尊号を賜り、国家的な祭祀対象となった。また[[徽宗]]が[[政和]]6年([[1116年]])に「太上開天執符御歴含真体道昊天玉皇上帝」という尊号を追贈し、昊天上帝と同一視されるようになる<ref name="蜂屋2004">[[#蜂屋 2004|蜂屋 2004]], p. 10-19.</ref><ref name="呂宗力&欒保群1991">[[#呂宗力&欒保群1991|呂宗力 & 欒保群 1991]], p. 35, p. 41-44.</ref>。
三清を補佐し天界の政務を行う「'''[[四御]]'''」(玉皇大帝、[[北極紫微大帝]]、[[天皇大帝|勾陳天皇大帝]]、[[后土|后土皇地祇]])の一員とされる。三清と合わせて「三清四御」と呼ぶこともある<ref name="二階堂2002">[[#二階堂 2002|二階堂 2002]], p. 138-143.</ref>。
玉皇大帝のもと、天界の存在は神々も仙人も現実の官僚体制のような組織に属しているとされた。すべての神々と仙人は玉皇大帝から位を与えられてその身分を定められた。『[[西遊記]]』においても、[[孫悟空]]に斉天大聖の位を与えている<ref name="二階堂2013p191" />。
玉皇大帝を祀る[[道観|廟]]は「玉皇廟」「玉皇閣」「玉皇観」「玉皇宮」などと称することが多い。また他の神を主神とする廟にも「玉皇殿」や「霊霄宝殿」など玉皇大帝を祀る殿閣が存在することもある。
[[1月9日 (旧暦)|旧暦1月9日]]は「玉皇誕」とされ、玉皇大帝の誕生の日として祭祀が行われる。
== 各種文献における記述 ==
=== 道教経典 ===
<!--呂宗力&欒保群1991、二階堂2001ここから-->道教儀礼で広く用いられる『{{仮リンク|玉皇経|zh|高上玉皇本行集經}}』(『高上玉皇本行集経』)には以下のような記述がある。
はるか昔に光厳妙楽国という国があり、国王は名を浄徳王、后は宝月光皇后といったが、国王には跡継ぎがいなかった。そこで国中の道士を招いて儀礼を執り行った。ある夜、宝月光皇后は太上道君から子どもを授かる夢を見て、目が覚めると妊娠していた。その後一年を経て、丙午の年、正月九日午の刻に太子として生まれたのが玉帝である。浄徳王の没後に太子は国を継ぐが、やがてすべてを捨てて山中にこもり、道を修め人々を救おうとした。億劫もの長い時間をかけた修行を経て、ついに玉帝となった<ref name="呂宗力&欒保群1991" /><ref name="二階堂2001p213-p224">[[#二階堂 2001|二階堂 2001]], p. 213-224.</ref>。
また『{{仮リンク|聖源覚真経|zh|聖源覺真經|label=聖源覚真経}}』では、遠い昔に身を捨てて天の北を塞ぎ、代わりに万の衆生を生かした(「捨身堵北缺、代存万衆生」)という。
=== 西遊記 ===
『西遊記』では「高天上聖大慈仁者玉皇大天尊玄穹高上帝」の名で登場し、霊霄殿に出御し朝政を行っているとする。
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
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== 参考文献 ==
<!--この節には、記事本文の編集時に実際に参考にした書籍等のみを記載して下さい。
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* {{Cite book |和書 |author=二階堂善弘|authorlink=二階堂善弘 |editor=松村一男他|editor-link=松村一男 |title=神の文化史事典 |publisher=[[白水社]] |date=2013-02 |chapter=玉皇(p. 191)、三清(p. 250) |isbn=978-4-560-08265-2 |ref=二階堂 2013 }}
* {{Cite book |和書 |author=二階堂善弘|authorlink=二階堂善弘 |title=中国の神さま―神仙人気者列伝 |publisher=[[平凡社]] |date=2002-03 |chapter=すべての神を統御する――玉皇大帝 |isbn=978-4-582-85130-4 |pages= 138-143 |ref=二階堂 2002 }}
* {{Cite book |和書 |author=二階堂善弘|authorlink=二階堂善弘 |others=[[増尾伸一郎]]・丸山宏編 |title=道教の経典を読む |publisher=[[大修館書店]] |series= あじあブックス |date=2001-01 |chapter=玉皇経 |pages= 213-224 |isbn=978-4-469-23169-4 |ref=二階堂 2001 }}
* {{Cite book |和書 |author=蜂屋邦夫|authorlink=蜂屋邦夫 |others=野口鐵郎・田中文雄編 |title=道教の神々と祭り |publisher=[[大修館書店]] |series= あじあブックス |date=2004-12 |chapter=道教の最高神――玉皇・三清と神々の系統 |pages= 10-19 |isbn=978-4-469-23199-1 |ref=蜂屋 2004 }}
* {{Cite book |和書 |others=呂宗力・欒保群編 |title=中国民間諸神 |publisher=台湾学生書局 |date=1991-10 |pages= 31-44 |isbn=957-15-0273-1 |ref=呂宗力&欒保群1991 }}
* {{Cite book |和書 |others=[[中野美代子]]訳 |title=西遊記 1 |publisher=[[岩波書店]] |date=2005-01 |isbn=978-4-003-20201-2 |ref=西遊記1 }}
== 関連項目 ==
* [[道教]]
** [[三清]]
* [[中国神話]]
** [[三皇五帝]]
* [[四御]]
* {{仮リンク|玄天上帝|zh|玄天上帝}}
* [[西王母]]
== 外部リンク ==
* [http://zh.daoinfo.org/wiki/%E7%8E%89%E7%9A%87%E5%A4%A7%E5%B8%9D 玉皇大帝 - 蓬瀛仙館道教文化中心資料庫]
* [http://www2s.biglobe.ne.jp/~xianxue/DandX/DandX3-1.htm 道教と仙学 第3章 1、道教の神仙信仰] - 仙学研究舎
* [https://kotobank.jp/word/%E7%8E%89%E7%9A%87%E5%A4%A7%E5%B8%9D-53224 玉皇大帝] - [[コトバンク]]
* [https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000140414 玉皇上帝について知りたい。] - レファレンス協同データベース(2013年11月)
* [https://ctext.org/wiki.pl?if=gb&res=772548 《玉皇經》] - 中國哲學書電子化計劃 維基
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[[Category:中国神話]]
[[Category:道教]]