共工型神

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共工型神とは中国神話の共工のような性質を持つ神のことを指す。黄帝型神の一形態と考えるが、悪神であり、かつ水神である。日本の神話では、誰でも死ぬと幽霊になり、祟り神になる、ということで何でも水神型の悪神にさせられてしまう傾向があるように思う。その元祖が共工といえるのではないだろうか。

  • 水神である。
    • 祝融的な火神に倒される。
    • ときに黄帝型神(水神)に倒されて、自分で自分を倒すような奇妙な神話となることがある。
    • 日本神話に目立つが、いったん倒されて安心していると、また別のところで怨霊的な悪神として復活してエンドレスにリサイクルされる傾向がある。
      • 鎮めるのに、人身御供が必要とされることがある。しかも、「邪悪な水神」に見立てた人身御供を殺す(鎮める)という論理の人身御供が多いので、怨霊的な悪神が量産されると、人身御供も大量に必要になる、という凶悪な人身御供のインフレーションを引き起こす原因に利用される神でもある。

といった特徴を持つ。

共工型神[編集]

これは水神であった黄帝が悪神化したものと考える。水神が悪神化することは、まず自然現象から説明できるように思う。雨は適切に降れば「恵みの雨」だが、大雨が長期に降れば、農作物を枯らしたり、土砂災害を起こしたりすることがある。大洪水の神話ではないが、洪水を起こすこともある。海の沿岸部であれば大地震の際に津波が起きる。水が人々の生活に悪影響をもたらす自然現象はいくらでもあるのだから、これらの現象を「悪い水の神」のせい、と単純に考えても不思議ではない。

もう一つ、もっと政治的ともいえる理由だが、水神である黄帝の原型が、母系社会であった頃のミャオ族のアペ・コペンに由来する、とすると、これは母系の社会制度を擁護する神だし、おそらく神々の社会の頂点にいたであろう女神を擁護する神でもあっただろう、と推察される。社会制度が母系から父系に移行して、女性の社会的地位が低下すれば、神々の世界でも女神の地位は低下するであろうし、それに代わって男性の神の地位が高くなる、と想像される。世界各地の神話でも、最高神が男性とされる神話が多い。そうなれば、かつて「女神を擁護していた男神」の地位は女神の地位の低下と共に低くなるだろうし、場合によっては新興の男性神と「敵対する女神に仕える神」として悪神とされてしまうように思う。共工とは、母系の時代の「良き男性神」だったものが、父系の時代になって「体制に逆らう悪神」へと振り替えられてしまった神でもある、と考える。おそらく、振り替えが行われる過渡期には、「悪い水の神」だけれども「良い神」でもある、というような曖昧な性格が割り振られた時期もあったと想像する。

関連項目[編集]