総論・男神

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各地の男神の神話や伝承をみるに、彼らには3つの大きな機能があるように思う。

  • 黄帝型神:(時に植物神として表される)、基本的には善神だが例外もある。
  • 炎帝型神:(時に植物神として表される)、基本的には悪神だが、そうでない場合もある。祝融型神の前世として重要。饕餮など。
  • 祝融型神:範囲の広い疫神。基本的に悪神だが、王家の始祖神話を中心に善神とされる場合も多い。おおむね、黄帝型神息子あるいは息子的に描かれる。祝融型神の中でも伏羲に関する群は、大洪水神話などで特徴的だ。

神話や伝承によっては、それぞれの性質が入り交じったり、分離したり、区別しがたい場合がある。また父と息子が入れ替わっていたり、別々の男性として描かれることもある。

原則として、黄帝型神炎帝型神を倒すことが多いが、稀に祝融型神炎帝型神を倒すことがある。ミトラスなど。

祝融型神黄帝型神を倒すことが多いが、その逆もある。

男神対応表[編集]

主に中国の神話・伝承を中心に対応表を挙げる。

                                               
黄帝関連対比表
母女神(燃やされた女神父神息子妻女神息子神・疫神備考
ヒョウタン女媧伏羲(ときに犬形とされる[1]伏羲女媧型神話
有莘氏女嬉塗山氏女五帝神話との対比
有莘氏女嬉白馬塗山氏女五帝神話との対比
相柳共工祝融祝融神話との対比
八俣遠呂智奇稲田姫須佐之男命
西王母的妻譚華丹甘基王(盤瓠風・蛙)ヤオ族の羿的神話との対比
嫦娥羿逢蒙黒耳羿神話との対比
羿干ばつ(複数の太陽)土家族神話との対比[2]
雷神壮族神話との対比[3]
盤瓠干ばつ・水難(祝融
盤瓠息子たち
養蚕の母黄帝祝融蚩尤炎帝饕餮炎黄闘争との比較
市杵嶋姫大国主命下光比売命阿遅鉏高日子根神
天甕津日女命葦原醜男阿遅鉏高日子根神
八上比売葦原醜男木俣神

日本神話で、黄帝型神の代表格は大国主命だと考える。記紀神話の編纂者達は、中国の神話をきちんと研究していたとみえて、中国神話と比較するとおおまかなところで、対応している部分が多い。黄帝や大国主命は「水神」としての性質を持つのだが、中国神話で暴れん坊の悪い水神といえば共工である。これは水神だから黄帝型神なのだけれど、悪神として描かれる。そして、祝融に倒されてしまう。共工に対応する、日本の悪い水神は八俣遠呂智だ。八俣遠呂智須佐之男命に倒される。そして、須佐之男命祝融は共に疫神である。共工に関する神話と、八俣遠呂智に関する神話には、設定に類似性があり、それぞれ神々の性質も対応する神と一致している。

関連項目[編集]

参照他[編集]

  • Wikipedia:各神対応項目
  • 百田弥栄子『中国の伝承曼荼羅』三弥井民俗選書、1999年、188-189頁
  • 百田弥栄子『中国の伝承曼荼羅』三弥井民俗選書、1999年、135-136頁
  • 百田弥栄子『中国の伝承曼荼羅』三弥井民俗選書、1999年、136頁