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、 2022年9月22日 (木) 19:22
'''鬼神'''(きじん、きしん、おにがみ)は、「きじん」または「きしん」と音読みした場合の第一義としては天地万物の霊魂あるいは神々を意味し、「おにがみ」と訓読みした場合は目に見えない精霊または荒々しく恐ろしい神を意味する<ref>「[https://kotobank.jp/word/%E9%AC%BC%E7%A5%9E-50543#E7.B2.BE.E9.81.B8.E7.89.88.20.E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.9B.BD.E8.AA.9E.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E5.85.B8 鬼神]」『精選版 日本国語大辞典』小学館、コトバンク。2021年7月16日閲覧。</ref>
== 中国 ==
ピン音:guǐshén、グイシェン
[[中国]]における鬼神は対照的な2つの[[霊]]である鬼と神を指す。
鬼(き)は生者に禍(わざわい)をもたらす霊であり、[[悪鬼]]として顕現し、祈祓(きふつ、いのりはらい)の対象である<ref name="麦谷邦夫" />。鬼は生者が持つ魄(はく)の死後の姿であり、魄は生者の内にあって肉体をつかさどる陰気の霊であり、その魄が死後に地上にとどまって鬼となる<ref name="麦谷邦夫" />。その死が[[横死]]であったり、身寄りがなく死後に祀(まつ)る者のない場合に悪鬼・幽鬼として生者に祟(たた)る<ref name="渡邊昭五">[[渡邊昭五]]「[https://kotobank.jp/word/%E9%AC%BC%28%E3%81%8D%29-1522360 鬼(き)]」『[[日本大百科全書]](ニッポニカ)』[[小学館]]、コトバンク。2021年7月23日閲覧。</ref>。
神(しん)は生者に福をもたらす霊であり、善神として顕現し、[[祭祀]]の対象である<ref name="麦谷邦夫" />。神は生者が持つ[[魂]]の死後の姿であり、魂は生者の内にあって精神をつかさどる陽気の霊であり、その魂が天上に昇って神・[[神霊]]となる<ref name="麦谷邦夫">「[https://kotobank.jp/word/%E9%AC%BC%E7%A5%9E-50543#E4.B8.96.E7.95.8C.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E7.AC.AC.EF.BC.92.E7.89.88 鬼神]」『[[世界大百科事典]]』第2版、[[平凡社]]、[[コトバンク]]。2021年7月23日閲覧。</ref><ref name="渡邊昭五" />。
また、鬼神は天地のあらゆる物の創造・変化・消滅にかかる人知の及ばぬ霊妙な働きを指す場合がある<ref name="麦谷邦夫" />。
== 朝鮮 ==
{{朝鮮の事物 | hangeul = 귀신 | katakana = クィシン}}
[[朝鮮半島]]の[[民間信仰]]における鬼神は、生者あるいは死者の内にある[[霊]]とは異なり、宿る対象を持たず、何にも従属しない孤立した存在である<ref name="GWE鬼神" /><ref name="靈魂崇拜" />。この点で鬼神は人に宿る霊や人以外に宿る[[精]](精霊)あるいは{{仮リンク|神明 (朝鮮)|label=神明|ko|신명 (신령)}}と区別されるが、宿る対象についての観念がはっきりしなくなると霊や精あるいは神明と区別されなくなる<ref name="GWE鬼神" /><ref name="靈魂崇拜">「[https://ko.wikisource.org/wiki/%EA%B8%80%EB%A1%9C%EB%B2%8C_%EC%84%B8%EA%B3%84_%EB%8C%80%EB%B0%B1%EA%B3%BC%EC%82%AC%EC%A0%84/%EC%A2%85%EA%B5%90%C2%B7%EC%B2%A0%ED%95%99/%ED%95%9C%EA%B5%AD%EC%9D%98_%EC%A2%85%EA%B5%90/%EB%AF%BC_%EA%B0%84_%EC%8B%A0_%EC%95%99/%EC%88%AD_%EB%B0%B0#%EC%98%81%ED%98%BC%EC%88%AD%EB%B0%B0 靈魂崇拜]」『グローバル世界大百科事典』ウィキソース。2021年7月16日閲覧。</ref>。
鬼神は腰より下が[[障子紙]]の服で、足はやせ細りまるで[[にかわ]]のようで[[骨]]だけ残った姿をしていて、まもなく[[病]]を得て死ぬ身の上であり、神明の前で立ちすくんでしまう力弱い存在で、力の強い人に睨まれるとだんだん小さくなって消えうせる存在である<ref name="GWE鬼神" />。人が与える食べ物におとなしくして話を聞く見えない存在だが、鬼神のなかには[[意地悪]]をするものがある<ref name="GWE鬼神" />。
鬼神は昼間はあちこち空中でふらふらするが、夜はじめじめした所を探して体を休めることもする<ref name="GWE鬼神" />。だいたい古木が鬼神の住みかになる<ref name="GWE鬼神" />。また人家を訪れるときがあるが、そのとき人は鬼神が嫌う方法を使って入って来ないように防いで、[[塩]]を撒いたり[[豆]]を撒いたりする<ref name="GWE鬼神" />。鬼神の住みかは藪の中や土の中、池、井戸端などじめじめした所などで、どこでも出入りすることが出来る<ref name="GWE鬼神" />。鬼神はいったん人の家に入ると食べ物を提供されてそこを去る。白昼に石を投げる乱暴を働いたり、時に猟犬の吠える声を出したり[[口笛]]を吹いたりして強風を起こしたりする<ref name="GWE鬼神" />。夜には道を通る人を怖がらせて火遊びもする<ref name="GWE鬼神" />。この火を鬼火([[トッケビ]]の火)とも言い人々が怖がる<ref name="GWE鬼神" />。
鬼神は時に賢く、一国や一家族の滅亡を予言したり警告したり、あるいは遺失物の在りかを知らせたりもする<ref name="GWE鬼神" />。しかしだいたい鬼神は前述のごとく、より勢力があるものに追われる身なのである<ref name="GWE鬼神" />。[[疫病神]]を追い払ったという説話で知られる{{仮リンク|処容|ko|처용}}のような強い人物を描いたお守り(符籍)の前では立ちすくんでしまい、追い払われる存在である<ref name="GWE鬼神" />。また鬼神のうちで強い鬼神は弱い鬼神を殺害したりする<ref name="GWE鬼神" />。なお神明も泊まる居場所がなかったり、生存者から供え物をもらえないと鬼神になる場合がある<ref name="GWE鬼神">「[https://ko.wikisource.org/wiki/%EA%B8%80%EB%A1%9C%EB%B2%8C_%EC%84%B8%EA%B3%84_%EB%8C%80%EB%B0%B1%EA%B3%BC%EC%82%AC%EC%A0%84/%EC%A2%85%EA%B5%90%C2%B7%EC%B2%A0%ED%95%99/%ED%95%9C%EA%B5%AD%EC%9D%98_%EC%A2%85%EA%B5%90/%EB%AF%BC_%EA%B0%84_%EC%8B%A0_%EC%95%99/%EC%88%AD_%EB%B0%B0#%EA%B7%80%EC%8B%A0 鬼神]」『グローバル世界大百科事典』ウィキソース。2021年7月16日閲覧。</ref>。
== 参考文献 ==
*グローバル百科
== 関連項目 ==
*[[顓頊]]
== 参照 ==
{{DEFAULTSORT:きしん}}
[[Category:中国神話]]
[[Category:朝鮮神話]]