海神(大綿津見神)に歓迎され、娘・'''豊玉姫'''(豊玉毘売命・とよたまひめ)と結婚し、綿津見神宮で楽しく暮らすうち既に3年もの月日が経っていた。山幸彦は地上へ帰らねばならず、豊玉姫に失くした釣針と、霊力のある玉「'''潮盈珠(しおみつたま)'''」と「'''潮乾珠(しおふるたま)'''」を貰い、その玉を使って海幸彦をこらしめ、忠誠を誓わせたという<ref name="yma"/>。この海幸彦は交易していた隼人族の祖と考えられる<ref name="yma"/><ref name="haraguchi"/>。
その後、妻の豊玉姫は子供を産み、それが[[鵜草葺不合命]](うがやふきあえずのみこと)であり、山幸彦は[[神武天皇]]の[[祖父]]その後、妻の豊玉姫は子供を産み、それが鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)であり、山幸彦は'''神武天皇の祖父'''にあたる。
==あらすじ==
=== 古事記 ===
==== 海佐知毘古と山佐知毘古 ====
[[古事記]]では火照命(ほでりのみこと)は海佐知毘古(うみさちびこ)(漁師)として大小の魚をとり、火遠理命(ほおりのみこと)は山佐知毘古(やまさちびこ)(猟師)として大小の獣をとっていた。火遠理命は兄の火照命に互いの道具の交換を提案した。火照命は三度断ったが、少しの間だけ交換することにした。火遠理命は兄の釣針(海佐知)で魚を釣ろうとしたが1匹も釣れず、しかもその釣針を海の中になくしてしまった。兄の火照命も獲物をとることができず、「山佐知も己が佐知さち、海佐知も己が佐知さち(山の幸も海の幸も、自分の道具でなくては得られない)」と言って自分の道具を返してもらおうとした。火遠理命が釣針をなくしたと告げると、火照命は火遠理命を責め取り立てた。火遠理命は自分の[[十拳剣|十拳劔]]から1000の釣針を作ったが、火照命は「やはり元の釣針が欲しい」として受け取らなかった。古事記では火照命(ほでりのみこと)は海佐知毘古(うみさちびこ)(漁師)として大小の魚をとり、火遠理命(ほおりのみこと)は山佐知毘古(やまさちびこ)(猟師)として大小の獣をとっていた。火遠理命は兄の火照命に互いの道具の交換を提案した。火照命は三度断ったが、少しの間だけ交換することにした。火遠理命は兄の釣針(海佐知)で魚を釣ろうとしたが1匹も釣れず、しかもその釣針を海の中になくしてしまった。兄の火照命も獲物をとることができず、「山佐知も己が佐知さち、海佐知も己が佐知さち(山の幸も海の幸も、自分の道具でなくては得られない)」と言って自分の道具を返してもらおうとした。火遠理命が釣針をなくしたと告げると、火照命は火遠理命を責め取り立てた。火遠理命は自分の十拳劔から1000の釣針を作ったが、火照命は「やはり元の釣針が欲しい」として受け取らなかった<ref group="私注">これは変形が著しいが、「難題婿」の変化したものではないだろうか。要は火照命と綿津見神は本来「同じもの」であったと思われる。</ref>。
火遠理命が海辺で泣き悲しんでいると、塩椎神(しおつちのかみ。[[潮流]]の神)がやって来た。火遠理命が事情を話すと、塩椎神は小船を作って火遠理命を乗せ、綿津見神(海神・わたつみ)の[[宮殿]]へ行くように言った。