=== 織女と怪物 ===
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'''巨根の神デナマイ、怒って洪水をおこす話(抜粋)'''
1.昔、デナマイと称する神ありき、その陰茎はすこぶる巨大にして、雨天続きて河水氾濫する時はこれを橋として社人を渡せり。デナマイはすこぶるの好色漢なり。ある夜、一人の婦人余念もなく機を織りつつありしが、デナマイ窓より大なる一物を衝き入れて、その婦人を倒して姦せしに、一物のあまりに大なりしため婦人は即死せり。これを見たる夫は斧を振るいて彼の一物に斬りかかる。デナマイ大いに怒り、我は天に昇りて風と水とにならん。といい去りしが、間もなく大風起こり、河水一時に漲りて社を没したり。その時デナマイいうよう、我に美男美女を与えなばこの水を去らしめんと。祖先らもやむなく美女と美男とを船に乗せて海に流せしに、見る見る水は退きて元のごとく陸地を現しぬ。(セデク系タロコ族タッキリ渓下流域群、『蕃調』紗積族p.108)<ref>神々の物語 台湾原住民文学選5 神話・伝説・昔話集、紙村徹編・解説他、草風館、273-274p</ref>
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'''巨根の巨人、人を呪詛してマラリアを送りつける話(抜粋)'''
2.昔、カラマエ、またはマハルと称する巨人ありけり。極めたる好き者にして、機織る女を見れば必ず姦せり。また山に行きて口を開きてあれば、獣類は洞穴と見誤りて飛び込みけり。かかる巨人なればその陰茎もまた大にして、驟雨にて水増したる時には社人常に彼を呼びて、その陰茎を橋とせしものなり。されど彼ありては山中の獣類みな絶滅すべしとて、社人協議して、山より焼け石を転ばし、鹿なりと偽りて吞ましめて殺せり。その時彼、いうよう、我死なば必ず地震および悪疫流行すべしと。しかして彼に姦せられたる女の夫らは、彼の死後その体を細断して捨てたり。これその種の残るを怖れてなり。(アタヤル族スコレク群大嵙崁部族角板山社、『蕃調』大公族前篇pp.304-305)<ref>神々の物語 台湾原住民文学選5 神話・伝説・昔話集、紙村徹編・解説他、草風館、272-273p</ref>
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