地中海沿岸地域の原産といわれ、地中海沿岸地域に広く分布するが、寒さによく耐えることからヨーロッパ、イギリス、アメリカなどに広く伝えられた<ref>辻井達一, 2006, p64</ref>。日本へは明治時代に渡来し、明治初年には開拓使の青山の圃場に入ったといわれており<ref>辻井達一, 2006, p64</ref>、日露戦争の戦勝記念として東郷平八郎、上村彦之丞の両海軍大将によって日比谷公園に植栽されて各地に広まった<ref>平野隆久監修 永岡書店編, 1997, p22</ref><ref>辻井達一, 2006, p64</ref><ref>正木覚, 2012, p58</ref>。日本では関東地方から九州までの範囲で植栽される<ref>山﨑誠子, 2019, p48</ref>。萌芽力が強く、海岸や屋上などの条件が悪いところでも、丈夫に育つ<ref>正木覚, 2012, p58</ref>。雌雄異株であるが、日本には雌株が少ない<ref>正木覚, 2012, p59</ref>。
[[常緑広葉樹]]の[[高木|中高木]]で、高さは9 常緑広葉樹の中高木で、高さは9 - 12[[メートル]]ほどになる{{sfn|12mほどになる<ref>田中孝治|, 1995|p=144}}{{sfn|, p144</ref><ref>鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文|, 2014|p=, 235}}</ref>。株立ちすることも多い{{sfn|<ref>平野隆久監修 永岡書店編|, 1997|p=22}}。[[樹皮]]は灰白色から灰色で、皮目が散在する{{sfn|, p22</ref>。樹皮は灰白色から灰色で、皮目が散在する<ref>鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文|, 2014|p=235}}, p235</ref>。一年枝や若枝は緑色をしている{{sfn|<ref>平野隆久監修 永岡書店編|, 1997|p=22}}{{sfn|, p22</ref><ref>鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文|, 2014|p=235}}, p235</ref>。枝葉を傷つけると独特の芳香がある{{sfn|<ef>田中孝治|, 1995|p=144}}{{sfn|, p144</ref><ref>平野隆久監修 永岡書店編|, 1997|p=22}}, p22</ref>。葉身は、長さ5 - 12[[センチメートル]] (cm) の狭長楕円形で、濃緑色の革質で光沢があり、葉縁は波打つ{{sfn|12cmの狭長楕円形で、濃緑色の革質で光沢があり、葉縁は波打つ<ref>平野隆久監修 永岡書店編|, 1997|p=22}}{{sfn|, p22</ref><ref>山﨑誠子|, 2019|p=48}}, p48</ref>。葉裏はやや硬い{{sfn|<ref>山﨑誠子|, 2019|p=48}}, p48</ref>。
花期は[[春]](4 - 5月)で、[[葉腋]]に短い[[花柄]]を出して、その先端に黄白色の小花を群がって咲かせる{{sfn|田中孝治|1995|p=144}}{{sfn|山﨑誠子|2019|p=48}}。[[雌雄異株]]で、日本の株は、ほとんどが雄株である{{sfn|平野隆久監修 永岡書店編|1997|p=22}}。果実は直径1 cmほどの球形で、10月頃に黒紫色に熟し香りがある{{sfn|正木覚|2012|p=58}}{{sfn|山﨑誠子|2019|p=48}}。
冬芽は葉芽が楕円形から卵形、花芽は球形をしている{{sfn|鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文|2014|p=235}}。側芽は(葉芽)は頂芽よりも小さく、そのすぐ下にある葉痕が白っぽくよく目立つ{{sfn|鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文|2014|p=235}}。葉痕には維管束痕が1個ある{{sfn|鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文|2014|p=235}}。
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File:Laurus nobilis1.jpg|樹皮
File:Laurus nobilis (6).JPG|葉
File:Laurus-nobilis-flowers.JPG|葉のわきに群がって小さな花をつける
File:Laurus nobilis 20130409.jpg|花
File:Laurus nobilis unripe fruit.jpg|果実
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== 利用 ==