良渚文化
良渚文化（りょうしょぶんか、テンプレート:ピン音、Liangzhu Culture）は、長江文明における一文化。紀元前3500年ころから紀元前2200年ころにみられた。
1936年、浙江省余杭県のテンプレート:仮リンクで発掘された。崧沢文化などを継承しており、黄河文明の山東龍山文化との関連も指摘されている。柱形・錐形・三叉形など多様な玉器の他、絹なども出土している。分業や階層化が進んでいたことが、殉死者を伴う墓などからうかがえる。
宮殿とそれを取り巻く城郭都市、墓地、工房などの中国最古級の都市遺跡が出土した良渚遺跡は、初期の都市文明を伝えることが評価され、2019年に「良渚古城遺跡」の名で世界遺産に登録された。
提唱されている学説
近年、長江文明研究の進展により、良渚文化は夏や殷王朝に比定されている。
また、黄帝の三苗征服伝説を、黄河流域の中原に依拠した父系集団の龍山文化による三苗征服の痕跡とみなし、黄河文明と長江文明の勢力争いを描いたものとする見方もある[1]。
徐朝龍によれば[2]、良渚文化は稲作都市文明を形成していた。1000年ほどの繁栄を経て、洪水でこの文化は崩壊する。良渚文化集団の一部は北上し、黄河中流域で夏王朝を興した。やがて夏王朝は支配下にあった東夷后羿（こうげい）部族に倒される。夏王朝の遺族の一部は北西に逃れ（下記匈奴参照）、のち四川盆地に移住し、三星堆文化を築いたとする。
関連項目
ギャラリー
- Under Jade burial, Liangzhu culture.Nanjing museum.jpg
多数の玉器を伴う埋葬。上流階級者の墓（南京博物館）
- Jade bi disc, Liangzhu Culture1.jpg
玉璧（上海博物館）
- Square Tube (Cong) with Masks LACMA M.70.76.3.jpg
玉琮（高さ 29.2cm）
紀元前2600年～前2400年 - Neolithic jade cong, Liangzhu Culture, acquired 1958.jpg
大きな玉琮（中国国家博物館・北京）
- Pot, Liangzhu Culture, 2600.jpg
黒陶の壺（高さ 15cm）
- Neolithic pottery dou, Liangzhu Culture, Zhejiang, 1955.jpg
花瓶 （中国国家博物館・北京）
- Neolithic stone knife, Liangzhu Culture, Zhejiang, 1958.JPG
ナイフ（磨製石器）
- Neolithic stone arrows, Liangzhu Culture, Zhejiang, 1958.jpg
矢尻（磨製石器）
- Black Pottery He with a Bird-Shaped Lid1.jpg
黒陶（上海博物館）
紀元前3100年～前2200年 - Red Pottery He1.jpg
赤陶（上海博物館）
紀元前3100年～前2200年
脚注
- ↑ 『図説 中国文明史１ 文明への胎動』創元社、2006年
- ↑ 『長江文明の発見』1998 角川書店。また松岡正剛千夜一夜、第三百三十一夜、2001年7月9日
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