「鴨建角身命」の版間の差分

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『[[先代旧事本紀]]』巻第三[[天神本紀]]{{sfn|國史大系 巻7 所収「先代旧事本紀 巻第三『天神本紀』』|p=118-|ref=kokushi7}}には、天降ったおりに[[タカミムスビ|高皇産霊尊]]から[[防人|防衛]](ふさぎのもり)として以下の三十二人に命じて随伴させたとある。<!-- 原典に対する礼儀・敬意をお願いします。学問的にも、冒頭に「捏造と断定する説」を記述するのは適切ではなく、あくまでも一説に過ぎないのだから、本項の頁の可能な限り最下部に記載すべきと考えますが、いかがでしょう。--><!-- しかしここに見られる32柱の神々は、世代・年代を無視して列挙した極めて杜撰なものであり、邇邇芸命降臨時の随行者([[天児屋命]]など)や[[神武天皇]]時代の人([[天道根命]])、[[大国主の国づくり]]の協力者([[スクナビコナ|少名毘古那神]])などが登場しており、史料としてまったく信頼できるものではない。他にも天背男命と天世手命など誤記による神名の重複も多くある。これらから32柱の神々は殆ど全てが後世の捏造記事であり、この部分を除去した五部人・五部造などが、実際の饒速日命に随行したものと考えられる<ref>[[宝賀寿男]]「初期物部氏の系譜」『古樹紀之房間』、2007年。</ref> 。-->
 
『[[先代旧事本紀]]』巻第三[[天神本紀]]{{sfn|國史大系 巻7 所収「先代旧事本紀 巻第三『天神本紀』』|p=118-|ref=kokushi7}}には、天降ったおりに[[タカミムスビ|高皇産霊尊]]から[[防人|防衛]](ふさぎのもり)として以下の三十二人に命じて随伴させたとある。<!-- 原典に対する礼儀・敬意をお願いします。学問的にも、冒頭に「捏造と断定する説」を記述するのは適切ではなく、あくまでも一説に過ぎないのだから、本項の頁の可能な限り最下部に記載すべきと考えますが、いかがでしょう。--><!-- しかしここに見られる32柱の神々は、世代・年代を無視して列挙した極めて杜撰なものであり、邇邇芸命降臨時の随行者([[天児屋命]]など)や[[神武天皇]]時代の人([[天道根命]])、[[大国主の国づくり]]の協力者([[スクナビコナ|少名毘古那神]])などが登場しており、史料としてまったく信頼できるものではない。他にも天背男命と天世手命など誤記による神名の重複も多くある。これらから32柱の神々は殆ど全てが後世の捏造記事であり、この部分を除去した五部人・五部造などが、実際の饒速日命に随行したものと考えられる<ref>[[宝賀寿男]]「初期物部氏の系譜」『古樹紀之房間』、2007年。</ref> 。-->
  
* [[天香山命|天香語山命]](あめのかごやまのみこと)、 [[尾張氏|尾張連]](おわりのむらじ)らの祖
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* [[天香山命|天香語山命]](あめのかごやまのみこと)(天火明命の子、[[須佐之男命]]と[[天照大御神]]の孫)、''' [[尾張氏|尾張連]]'''(おわりのむらじ)らの祖
 
* [[アメノウズメ|天鈿売命]](あめのうずめのみこと)、[[猿女君]](さるめのきみ)らの祖
 
* [[アメノウズメ|天鈿売命]](あめのうずめのみこと)、[[猿女君]](さるめのきみ)らの祖
 
* [[フトダマ|天太玉命]](あめのふとたまのみこと)、[[忌部氏|忌部首]](いむべのおびと)らの祖
 
* [[フトダマ|天太玉命]](あめのふとたまのみこと)、[[忌部氏|忌部首]](いむべのおびと)らの祖
 
* [[天児屋命]](あめのこやねのみこと)、[[中臣氏|中臣連]](なかとみむらじ)らの祖
 
* [[天児屋命]](あめのこやねのみこと)、[[中臣氏|中臣連]](なかとみむらじ)らの祖
* [[フトダマ|天櫛玉命]](あめのくしみかたまのみこと)、[[鴨氏|鴨県主]](かものあがたぬし)らの祖。[[天活玉命|天神玉命]]の子で、[[賀茂建角身命]]の父
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* [[フトダマ|天櫛玉命]](あめのくしみかたまのみこと)、'''[[鴨氏|鴨県主]]'''(かものあがたぬし)らの祖。'''[[天活玉命|天神玉命]]の子'''で、[[賀茂建角身命]]の父
 
* [[天道根命]](あめのみちねのみこと)、[[川瀬氏|川瀬造]](かわせのみやつこ)らの祖。[[神武天皇]]と同世代の神
 
* [[天道根命]](あめのみちねのみこと)、[[川瀬氏|川瀬造]](かわせのみやつこ)らの祖。[[神武天皇]]と同世代の神
* [[天活玉命|天神玉命]](あめのかむたまのみこと)、[[三嶋県主]](みしまのあがたぬし)らの祖。[[神産巣日神]]の子で、[[フトダマ|天櫛玉命]]の父。
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* [[天活玉命|天神玉命]](あめのかむたまのみこと)、'''[[三嶋県主]](みしまのあがたぬし)'''らの祖。[[神産巣日神]]の子で、'''[[フトダマ|天櫛玉命]]'''の父。
 
* [[天椹野命]](あめのくぬのみこと)、[[中跡氏|中跡直]](なかとのあたい)らの祖。[[伊勢国造]]の一族。
 
* [[天椹野命]](あめのくぬのみこと)、[[中跡氏|中跡直]](なかとのあたい)らの祖。[[伊勢国造]]の一族。
 
* [[天糠戸命]](あめのぬかどのみこと)、[[鏡作氏|鏡作連]](かがみつくりのむらじ)らの祖
 
* [[天糠戸命]](あめのぬかどのみこと)、[[鏡作氏|鏡作連]](かがみつくりのむらじ)らの祖

2022年11月1日 (火) 18:05時点における版

賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと、かもたけつのみのみこと)は、日本神話に登場する神である。鴨建角身命とも呼ばれる[1]

概要

別名には八咫烏八咫烏鴨武角身命(やたからすかもたけつのみのみこと)がある。

山城の賀茂氏(賀茂県主)葛城国造の始祖であり、賀茂御祖神社(下鴨神社)の祭神として知られる。

『新撰姓氏録』によれば、賀茂建角身命は神魂命(かみむすびのみこと)の孫である。神武東征の際、高木神天照大御神の命を受けて日向の曾の峰に天降り、大和の葛木山に至り、八咫烏に化身して神武天皇を先導し、金鵄として勝利に貢献した。

『山城国風土記』(逸文)によれば、大和の葛木山から山代の岡田の賀茂(岡田鴨神社がある)に至り、葛野河(高野川)と賀茂河(鴨川])が合流する地点(下鴨神社がある)に鎮まった。

賀茂建角身命には建玉依比古命(たけたまよりひこのみこと)と建玉依比売命(建玉依姫命、たけたまよりひめのみこと)の2柱の御子神がいる。建玉依比古命は後に賀茂県主となる。建玉依比売命は、丹塗矢に化身した火雷神(ほのいかづちのかみ)を床の近くに置いていたところ、賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと、上賀茂神社の祭神)を懐妊し出産したとされる(『山城国風土記』逸文)。

三島溝咋耳

三輪山の大物主、あるいは事代主の舅としての賀茂氏の祖。鴨建角身命と同一視される。

『古事記』神武天皇段では、大物主神が三嶋湟咋の娘である勢夜陀多良比売(玉櫛媛)を見染め、丹塗矢に化して比売の陰部を突く。そして比売は驚いたが、その矢を床に置いたところたちまち壮夫となり、比売との間に富登多多良伊須須岐比売命(媛蹈鞴五十鈴媛命)が生まれたという。

『日本書紀』神代巻では、媛蹈鞴五十鈴媛命が大三輪神の子と記すとともに、事代主神が八尋熊鰐となって三島溝樴姫(玉櫛媛)のもとに通い、生まれた媛蹈鞴五十鈴媛命が神武天皇の后になったと記す。『日本書紀』神武天皇即位前庚申年8月16日条にも同様の記載があり、ここでは玉櫛媛は三島溝橛耳(溝咋耳命)の娘と記されている。

これらの文献を踏まえた上で、さらに溝喰神社の境内社には大物主神でなく事代主神が祀られていることから、事代主神を奉祀する地祇系の鴨氏と三島勢力との交流を指摘する説がある[2]。周辺には三島鴨神社鴨神社といった神社や、鴨村・鴨林といった地名が残り、天神系か地祇系の鴨氏の勢力がうかがわれ、(要出典範囲、2020年11月)後世になってこの交流が記紀神話に再構成され、出雲系の神が上記の様に強調されたと考える説がある。

大阪府茨木市に三島溝咋耳一族を祀る溝喰神社がある。

ニギハヤヒ関連

先代旧事本紀』巻第三天神本紀テンプレート:Sfnには、天降ったおりに高皇産霊尊から防衛(ふさぎのもり)として以下の三十二人に命じて随伴させたとある。

さらに五部(いつとも)が供領(とものみやつこ)として副い従った、とある。

私的解説(考察)

葛城の賀茂氏の祖神が大物主、大阪と三嶋の賀茂氏の祖神が事代主とされているのではないだろうか。大物主系は、須佐之男命を賀茂氏の祖神にするための一派と管理人には思われる。神武経由の賀茂氏系の氏族は出雲系の氏族ではないにも関わらず、暗に須佐之男命の子孫と名乗れることになる。

関連項目

私注


参照

  1. ブリタニカ国際大百科事典-小項目電子辞書版。
  2. 事代主は出雲の大国主の子として記述されるが、『日本の神々』では、一説として事代主は本来出雲系でなく鴨系だと指摘している。
  3. 3.0 3.1 3.2 御上祝家系図(三上氏)(コマ番号84-97) / 諸系譜. 第28冊(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 「御上神社沿革考 : 近江国野洲郡三上村鎮座」 大谷治作 編 / 出版: 太田治左衛門 / 出版年月日: 明32.2(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. 5.0 5.1 5.2 三枝部造 甲斐野呂氏後裔 輿石氏系図(コマ番号84-92) / 諸系譜. 第6冊(国立国会図書館デジタルコレクション)