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102 バイト除去 、 2022年4月2日 (土) 19:07
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椀貸伝説は奥羽から九州まで日本の広い範囲に伝搬しているが、特に中部地方や北関東の山沿いなどに多く伝わっている。概ね上記の例と同じ筋書きだが小異は多く、貸してくれる相手は童子や河童、龍、女神、お地蔵様や、上記の事例のように正体不明であったり様々である。
貸してくれる場所は[[淵]]や[[滝]]、岩や山陰の[[洞穴]]、[[隠れ里]]に直接取りに行く場合もあり、やはり様々である。比較すると水に因む場所が多く、[[水神少童譚]]や[[水神]]信仰との関連が考えられる伝説も多い。物語には既に膳椀を貸してもらえる関係ができている場合や、椀が川の上流から流れてくるなどして異界や隠れ里を発見する場合もある。[[千葉県]][[印旛郡]][[栄町]]の[[龍角寺岩屋古墳]]や{{Sfn|貸してくれる場所は淵や滝、岩や山陰の洞穴、隠れ里に直接取りに行く場合もあり、やはり様々である。比較すると水に因む場所が多く、水神少童譚や水神信仰との関連が考えられる伝説も多い。物語には既に膳椀を貸してもらえる関係ができている場合や、椀が川の上流から流れてくるなどして異界や隠れ里を発見する場合もある。千葉県印旛郡栄町の龍角寺岩屋古墳や<ref>神野|, 2009|p=16}}、同県同郡[[酒々井町]]の[[カンカンムロ横穴群]], p16</ref>、同県同郡酒々井町のカンカンムロ横穴群<ref name=Shisui2>{{Cite web|author=酒々井町風土記|url=, https://www.town.shisui.chiba.jp/static/chunk0001/fuudoki/page28/page28.html|title=, 28.厳島のカンカンムロ|work=, 酒々井町教育委員会|accessdate=, 2020-08-22}}</ref>など、[[古墳]]の[[横穴式石室]]や[[横穴墓]]が伝説地となっている事例もある。なお酒々井町(カンカンムロ)の事例では、最初に碗貸しを祈願する相手は[[弁財天]]だが、実際に碗や膳を貸してくる横穴墓の中にいる存在は正体不明である。など、古墳の横穴式石室や横穴墓が伝説地となっている事例もある。なお酒々井町(カンカンムロ)の事例では、最初に碗貸しを祈願する相手は弁財天だが、実際に碗や膳を貸してくる横穴墓の中にいる存在は正体不明である。
この伝説には、不心得者が返さなかったとされる椀や、反故にした証文などが残っている家や地域がある。それらの品々の中には[[木地師]]との関係を伺わせるものがあり、木地師との交易の際に聞いた[[口上]]が伝説になったという見方がある<ref>『神話伝説辞典』東京堂出版、1968年、第6刷、pp.471-472</ref>。また、膳椀を村の共有財産としている地域では、借りたものを盗むな、壊すなという戒めを含んだ説話であるという見方もある<ref>柳田國男『定本 柳田國男集 第五巻』筑摩書房、1977年、第14刷、pp.238-239</ref>。

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