2024/12/03(火)貫前女神について

2024/12/03 10:57 日本神話
荒船山伝承を調べていたのですが、女神の伝承について詳細なサイトを発見しました。で、内容を確認した結果、これって甘基王(ガンジ王)と逆の立場から書いた話ではないか、と思いました。甘基王(ガンジ王)は火を使って敵を攻めますが、貫前女神は攻められても水の力で身を守って対抗しようとします。

そもそも貫前女神は鉾で自分の身を守り、土地の権利も主張しようとします。中世の関東武士団は相続に関し、男女平等だったし、女性が当主になることもできました。そして、女性であっても武芸に優れていれば、男性と同じように戦ったと思います。自ら身を守り、身を立てようとする貫前女神の姿は上野を開拓した物部氏と後裔の関東武士団の矜持を強く感じる気がします。

でもその一方で、貫前女神は祭神として固有名詞を失っています。かつ、時代が下ると「養蚕の女神」として扱われるようになると感じるのですが、中国では蚕の女神は「蚕馬」といって、「殺される女神」の代表格ともいえ、祖神とか開拓神としての印象は良くありません。