桂男は江戸時代の奇談集『絵本百物語』にも描かれており「月の中に隅あり。俗に桂男という。久しく見る時は、手を出して見る物を招く。招かるる者、命ちぢまるといい伝う。」などとあり、「見るたびに 延びぬ年こそうたてけり 人のいのちを月はかかねど」という歌があるとして紹介している<ref>多田編, 1997, p114</ref>。
[[和歌山県]][[東牟婁郡]][[下里町|下里村]](現・[[那智勝浦町]])に桂男と呼ばれる妖怪の伝承があったと記録されている。満月ではないときに月を長く見ていると、桂男に招かれて命を落とすことにもなりかねないという和歌山県東牟婁郡下里村(現・那智勝浦町)に桂男と呼ばれる妖怪の伝承があったと記録されている。満月ではないときに月を長く見ていると、桂男に招かれて命を落とすことにもなりかねないという<ref name="murakami">{{Cite book|和書|author=, 村上健司編著|authorlink=村上健司|title=, 日本妖怪大事典|date=, 2005-7-16|publisher=[[, 角川書店]]|series=, Kwai books|, isbn=:978-4-04-883926-6|page=95}}, page95</ref>。
桂男は[[月の兎]]と同様に、もとはインドの説話が中国を経て伝わったものだともいわれるが、と同様に、もとはインドの説話が中国を経て伝わったものだともいわれるが、日本神話では月の神である[[日本神話]]では月の神である[[ツクヨミ|月読月読命]]が[[保食神]]を殺害したといわれることから、月の神に死のイメージが伴っている。桂男に招かれて寿命が縮まるという説は、そのような伝説・神話が重なって付与されたのではないかと考えられている<ref name="ehon100" />。
== 備考 ==
日本の[[忍者]]が用いたと伝えられた[[忍術]]にも「桂男の術」という術がある。平時より敵陣に自分たちの味方となる忍者を忍ばせて様々な活動をさせるものであり、敵陣にいる自軍の忍者を、月にいる桂男に例えて呼んだものである日本の忍者が用いたと伝えられた忍術にも「桂男の術」という術がある。平時より敵陣に自分たちの味方となる忍者を忍ばせて様々な活動をさせるものであり、敵陣にいる自軍の忍者を、月にいる桂男に例えて呼んだものである<ref>{{Cite book|和書|author=奥瀬平七郎|title=, 忍法 その秘伝と実例|edition=, 新装版|date=, 1995-9-6|publisher=[[, 新人物往来社]]|, isbn=:978-4-404-02242-4|pages=123, pages123-127}}</ref>。 == 私的解説 ==中国の神話からは消え失せているが、日本の伝承では桂男自身にも「人の命を求める神」という性質がみられることは興味深い。 桂男そのものは、樹木神である[[蚩尤]]と戦う[[黄帝]]が変形したもの、として良いと考える。[[黄帝]]のもう一つの姿である[[羿]]も月との関連が深い伝承を有している。 == 参考文献 ==* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%82%E7%94%B7 桂男](最終閲覧日:22-11-13)
== 外部リンク ==
== 関連項目 ==
* [[黄帝]]
* [[羿]]
* [[オェングス]]:ケルト神話の神。スコットランドの伝承では、木と対立することがある。
* [[月読命]]
* [[ネミの森]]
[[Category:饕餮型神]]
[[Category:月神]]
[[Category:樹木神木と戦う神]]
[[Category:再生神]]