城背渓文化が'''母系文化'''であって、「太陽神」=「女神」であれば、石刻の人物は、'''太陽神の下位にくる雷神、樹木神、盤古のような世界の基礎となる巨人'''が考え得る。'''父系文化'''がすでに開始されていて、男性が支配者であれば石刻の人物は人々や神々の頂点に位置する'''王(帝)'''、'''太陽神'''の可能性が高くなる、と考える。
ただし、個人的には'''王'''で良いのではないか、と思う。何故なら石刻の人物は、髪の毛がほとんどなく、「'''弁髪'''」であるように見えるし、それは中国北東部の住人の文化だからである。人物は、'''北方から攻め込んできて人々を征服した支配者の象徴'''ではないだろうか。とすれば、'''王'''とみなすことが妥当であり、太陽よりも大きな姿はその偉大さを現しているともいえる。しかも支配者による父系文化がすでに開始されていた証拠ともなる。後に、「'''弁髪文化'''」である夏家店上層文化を中国東北部で作り上げた人々のY染色体のハプログループはハプログループO2やハプログループC2だった。ハプログループO2はミャオ族に関連すると共に、日本人にも見られる。長江文明の父系の支配者層に、中国東北部出身の遺伝子が入りこんでいる、と考えてみれば、興味深い、といえなくはないだろうか<ref>ただし、日本人に多いのは中国東北部発(夏家店上層文化)のハプログループO1b2とのことである。これはごくわずかではあるが中国南部でも認められ、やはりその起源と意味は興味深い。ただし、日本人に多いのは中国東北部発(夏家店上層文化)のハプログループO1b2とのことである。これはごくわずかではあるが中国南部でも認められ、やはりその起源と意味は興味深い。ハプログループO-M176(系統名称ハプログループO1b2)は日本人及び朝鮮民族に30%程度みられ、満州族では34~4%でみられる。また、モンゴル、ブリヤート、ウデヘ、インドネシア人、ミクロネシア人、ベトナム人、タイ人、そして中国国内に居住するダウール族、ナナイ、エヴェンキ、シボ族、漢族、四川省カンゼ・チベット族自治州新龍県のチベット族(カムパ)、新疆昌吉地区の回族、湖南省の瑶族・苗族・カム族でも低頻度にみられる。</ref>。
また、石刻の人物が'''全身'''の姿で描かれていることも興味深く感じる。