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388 バイト除去 、 2025年2月9日 (日)
おかねの小屋で二人は仲良く暮らし、一年後に男の子が生まれた。子供が産まれたが、不思議なことにおかねは毎晩外に出かけていく習慣があり、それを止めなかった。不思議に思った夫がある晩後をつけると、妻は蛇の姿に変身して、とある池の中に入っていった。夫はびっくりして家に帰り、妻が帰ってくるのを待った。妻が戻ってくると、夫は「蛇になった姿を見たが、どういうことになっているのか。」と尋ねた。
おかねは泣きながら「私はあの池の大蛇ですが、小さいときに親の言いつけを守らず、人間の世界を見ようと思って池から這い出ていたところ、子供達につかまって殺されるところでした。その時、あなたが通りかかって助けてくれたので、恩返しをしようと思って娘の姿になってあの村に住み着き、あなたに会うために待っていたのです。お会いすると、あなたがあまりにも優しいので、夫婦になってしまいました。おかねは泣きながら「私はあの池の大蛇ですが、小さいときに親の言いつけを守らず、人間の世界を見ようと思って池から這い出ていたところ、子供達につかまって殺されるところでした。その時、あなたが通りかかって助けてくれたので、恩返しをしようと思って娘の姿になってあの村に住み着き、あなたに会うために待っていたのです。お会いすると、あなたがあまりにも優しいので、夫婦になってしまいました。でも、あの池の主である私は、一日一 回は必ず池に戻って勤めを果さねばなりません。本当の姿をあなたに見られたので、もう人間界に住むことはできません。今夜でお別れです。」と言った。夫は思いとどまるように説得したが、妻は泣くばかりで聞き入れなかった。 日が暮れると、妻はきれいな玉を夫に渡して「もし赤ん坊が泣くときはこの玉をしゃぶらせてください。」と言って、泣く泣く池に帰っていった。 妻が言ったようにすると、乳もないのに子供はすくすくと育った。子供が二さいになったときに、不思議に思った村の者が玉をだまして取り上げてしまった。それから子供は火のついたように大泣きして、どんなにあやしても泣き止まなかった。夫は困って、その晩子供を抱いて池に行った。妻は蛇の姿で現れ「どうしてそんなに子供を泣かすのですか。」と夫に尋ねた。夫は村の者に玉を撮られた話を聞かせた。
 そっでも、あの池の主である私は一日一 回は必ず池に戻って勤めば果さねばなりません。私の本性ば貴男に見られたからにゃもう人間界に住む こつが出来まっせんので今夜でお別れです」ち涙ばボロボロ流して言うた。男は「子まで出来たつに、何とか思い止まってくれ、男手でこの乳飲児ばどげんして育てらりゃうか」ち、かき口説(クドイ)たばって、女ごは子供ば抱いて泣くばっかりぢゃった。
 いよいよ日の暮れち別るる時になった。女はきれ いか玉ば一つ(イッチョ)男に差し出して、「もしこん子が泣く時ぁこん玉ばシャブらしてくれんの。 子供ばお頼みします」ち言うて泣き泣き池さん帰って行った。
 女が言うたごつ子供が泣く時、もろた玉ばねぶらすっとぴたっと泣き止み、乳もなかつにすくすく子供は育って、二つになった時、あんまり不 思議かけ、村ん者が、子が持っとる玉ばダマクラかして取り上げた。
 さーそりから子は火の付いたごつ 泣いて、どげんちょーくらかしてん泣き止まん。男は往生してその晩、子ば抱いて池んとこまで来た。 池の主は子の泣声が聞えたつか、蛇の姿ば見せち「どうしてそう泣かすっとですか」ち男に聞いた。男 は村ん者に玉ば取られたこつば話した。
 蛇は悲しんで「あの玉は実は私の目玉です、も一つ目玉はあり ますが、盲になつたらもう龍になることはできません。子が泣いていて可哀そうですが、私にはもうど うするこつも出来ません」ち泣いて水に又沈んでしもうた。男はその言ば聞いて、生きっとったっちゃ 何の楽しみがあろうか、そりより夫婦揃うて池の中で子ば育てたがよっぽどましち、子供ば抱(ウダ) いて身投げしてしもうた。

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