'''布洛陀'''(Buluotuoブルオトゥオ)は[[チワン族]]の始祖とされる。布洛陀祭に関する文化にはチワン民謡、銅太鼓、チワン錦、伝統的なチワン祭りなどがある(壮族)の始祖とされる。布洛陀祭に関する文化にはチワン民謡、銅太鼓、チワン錦、伝統的なチワン祭りなどがある<ref>[https://baike.baidu.com/reference/1217696/533aYdO6cr3_z3kATKHZmPvzMHnDP46kv-HaWrJzzqIP0XOpW4HmU40m-Zkv-_h3GA6Fs5dvLtUb2eb7FUlF7_EPcek0RKpxnHb_Wy7Awbzu_9wxnc8c59cf
百色布洛陀民俗文化盛宴绽放非遗魅力【查看原图】].人民日報オンライン。2016/0416 [引用日2018-08-11 ]</ref>。2006年5月20日、中華人民共和国の国家無形文化遺産第2号に認定された。
『布洛陀経詩』の内容は天地創造神話、倫理、宗教の3部に分かれている。主に天地創造、人間世界の創造、万物の創造、地帝の創造、言葉の創造、倫理道徳の創造の6つの面がある。
『布洛陀経詩』は、太陽、月の成り立ち、人類の起源、農作物や家畜の起源、古代人の生活習慣、古代人の生活習慣、人類の起源などを語っている。この物語詩は、半神であり半人間の祖先であるチワン国の祖先、布洛陀の偉業を強く讃えており、すべての詩は1万行にも与ぶ。広西チワン天陽県、自治区地域で伝えられてきた。古代から続く自治区『布洛陀経詩』は、太陽、月の成り立ち、人類の起源、農作物や家畜の起源、古代人の生活習慣、古代人の生活習慣、人類の起源などを語っている。この物語詩は、半神であり半人間の祖先であるチワン国の祖先、布洛陀の偉業を強く讃えており、すべての詩は1万行にも与ぶ。古代から続く自治区<ref>沈菲编著,中国文化知识读本 壮族[M],吉林出版集团有限责任公司,2010.05,第81-84页</ref>。広西チワン天陽県、自治区地域で伝えられてきた。
チワン族の古代の豊かな創造物語詩として、布洛陀の物語詩は主に广弭红水河流域、右江流域、左江流域の広大なチワン族地域に広がっている。
== 私的考察 ==
この神は、伝承が作られた時代によって、性質がやや異なっているように思う。「'''天兵討伐'''」は古い時代の話と見えて、布洛陀神自身が、直接天の兵と戦う。その様子も「砂や石を投げ飛ばす」といったもので、風の神、嵐の神、火山の神といった「自然現象の神」が暴れているような印象を受ける。それこそ、」は古い時代の話と見えて、布洛陀神自身が、直接天の兵と戦う。その様子も「砂や石を投げ飛ばす」といったもので、風の神、嵐の神、火山の神のように「自然現象の神」が暴れているような印象を受ける。[[ミャオ族]]の[[アペ・コペン]]が戦ったり、日本の[[ダイダラボッチ]]が暴れているのと共通した性質である。ただし、チワン族の伝承では、開拓神は[[姆六甲]]女神が担っているので、布洛陀に開拓神の性質は乏しいようである。布洛陀の本来の性質は[[ミャオ族]]の[[アペ・コペン]]に近いものだったと考える。ただ、山の尾根から「砂や石を投げ飛ばす」姿は「火山の神」というのが、一番相応しいのではないだろうか。そして、「火山の神」であるのなら、「火の神」である[[祝融]]の原型の一つとも考えられるのではないだろうか。その一方、樹木との関連が強い姿は[[建木]]に関連の深い[[黄帝]]の姿が重なる。[[黄帝]]を植物の生育と関連とした水神とし、[[祝融]]を火山活動と関連する「火の神」とすれば、布洛陀は[[黄帝型神]]と[[祝融型神]]を習合させた折衷的な神といえるのではないだろうか。
時代が下るにつれて、布洛陀は[[伏羲]]に近いような「文化英雄」的な性質が強くなっていくように思う。「'''雷神とカエル'''」と「'''太陽を撃つ(射太阳)'''」では、布洛陀は自ら戦ったり、行動することがなくなり、彼自身が木であるかのように動かなくなっている、と感じる。まるで日本神話のかかしの久延毘古のようだと考える。久延毘古は蛙神の多邇具久(たにぐく)と関連が深いが、布洛陀も蛙神と関連が深いようである。この2つの伝承で、布洛陀はアドバイザーに徹しているが、「布洛陀と蛙神」「布洛陀と郎正」は、元は同じものが2つに分かれたものだと考える。布洛陀が樹木神のように扱われる傾向が強くなるにつれ、実際に動き回る行動役が必要とされるようになったので、下位の神、あるいは神々よりも下位の英雄として布洛陀から分離してしまったのだろう。
<blockquote>物部氏の祖神である'''饒速日命'''(にぎはやひのみこと)が天から地上に降りる際に、天神御祖(あまつかみみおや)から'''十種神宝'''(とくさのかんだから)(十種類の宝物)を授かった。その際に天神御祖は『汝命、この瑞宝を以ちて、豊葦原の中国に天降り坐して、御倉棚に鎮め置きて、蒼生の病疾の事あらば、この十種の瑞宝を以ちて、「一二三四五六七八九十」と唱へつつ、布瑠部由良由良と布瑠部、かく為しては死人も生反らむ』と述べた。</blockquote>
とされる。この饒速日命が天神御祖から教わった祝詞が「とされる。この饒速日命が天神御祖から教わった祝詞が「布瑠の言」であり、十種神宝と併せて祭祀すると、死者をも蘇生させるような効果があるとされた。石上神宮では、主祭神を'''布瑠の言布都御魂大神'''(ふつのみたまのおおかみ)(神体の'''布都御魂剣'''」であり、(ふつのみたまのつるぎ)に宿る神霊)、配神の一つに'''十種神宝布留御魂大神'''と併せて祭祀すると、死者をも蘇生させるような効果があるとされた。石上神宮では、主祭神を(ふるのみたまのおおかみ)(十種神宝に宿る神霊)を祀る。死者を蘇らせるような性質と剣の霊という性質の2つ神霊に分けられているが、饒速日命とその子孫が奉祭する石上神宮全体としては、この2つの性質は「神宮の特性」として一体化しており、ケルト神話のフィン・マックールが軍神的英雄であり、かつ瀕死の者も救うような医薬神的性質を持つ者でもあったことに通じるように思う。布洛陀も本来は、軍神的英雄でもあり、医薬神的性質を持つ者でもあったのではないだろうか。一方、樹木神としての布洛陀は高木神とも呼ばれる'''布都御魂大神高御産巣日神'''(ふつのみたまのおおかみ)(神体の(たかみむすびのかみ)に現されているように思う。直接[[天照大御神]]・[[須佐之男命]]の系譜にはつながらない神だが「造化三神」といって[[天照大御神]]の上位にくる神である。物部氏系氏族の中に、そもそも太陽女神と布洛陀的な神の一対を始祖とする神話があったと考える。これが日本神話を成立させる際に、'''布都御魂剣高御産巣日神'''(ふつのみたまのつるぎ)に宿る神霊)、配神の一つにを単独で子孫とするグループと、布洛陀的な神(経津主神)から人的祖神として分離させた'''布留御魂大神饒速日命'''(ふるのみたまのおおかみ)(十種神宝に宿る神霊)を祀る。死者を蘇らせるような性質と剣の霊という性質の2つ神霊に分けられているが、饒速日命とその子孫が奉祭する石上神宮全体としては、この2つの性質は「神宮の特性」として一体化しており、ケルト神話のフィン・マックールが軍事的英雄であり、かつ瀕死の者も救うような医薬神的性質を持つ者でもあったことに通じるように思う。布洛陀も本来は、軍的英雄でもあり、医薬神的性質を持つ者でもあったのではないだろうか。の子孫を称するグループに分かれたものと思われる。一方、太陽女神は各氏族が祖神と仰ぐ複数の太陽女神がかつては存在したのかもしれないが、皇祖神としての天照大神に統一され、「高御産巣日神グループ」「饒速日命グループ」とは別の家計の祖神とされたのだろう。太陽女神の本来の配偶神と思われる布洛陀的な神は天之手力男神として古事記に名を残すこととなったと考える。天之手力男神もまた岩を投げ飛ばすような力持ちの神である。
「'''ヒョウを征服する(制伏豹子)'''」の伝承では、布洛陀の医薬神的性質が窺えるように思う。布洛陀は草豹が好きではないが、草豹の苦しみと悲しみは、妊娠しても胎児が育たず、生まれても子が育たない、という点にある。布洛陀が対立するのは常に「天」である。おそらく「天」というのは古代の[[ミャオ族]]の一派のことで、草豹もそれに属するものなのだと思う。草豹の悲しみは、古代の[[ミャオ族]]の一派が純血を重要視するあまり、閉鎖的な母系社会で近親相姦を繰り返したことによるものなのではないだろうか。遺伝子の近い交合が繰り返されれば胎児は育ちにくくなり、生まれても子供は育ちにくくなる。おそらく、古代において布洛陀に相当する人物が提示したのが'''「兄妹婚(近親結婚)」の禁止'''だったのではないか。この伝承は、管理人にはミャオ族の子供である[[ダロン]]が近親結婚のタブーを破ることに対して、「天の罰」を受けるのではないか、と恐れおののくことを思い出させる。
このように考えていくと、布洛陀の本来の性質は軍神的な戦士であり、かつ、医薬神的な性質も含めて知恵の神だったと考える。樹木的な性質も併せもっていたため、時代が下ると自らは動かず、アドバイザー的な神、預言者的な神へと性質が変化していき、神としては伏羲のような文化英雄となり、人の社会的役割としては神官、預言者、王権者という立場に変化していったのではないだろうか。'''[[黄帝型神]]'''としての性質が強い神と考える。
== 参考文献 ==
* 百度百科:[https://baike.baidu.com/item/%E5%B8%83%E6%B4%9B%E9%99%80/1217696 布洛陀](最終閲覧日:255(最終閲覧日:25-01-05)* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E4%B8%8A%E7%A5%9E%E5%AE%AE 石上神宮](最終閲覧日:255(最終閲覧日:25-01-08)* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E7%A8%AE%E7%A5%9E%E5%AE%9D 十種神宝](最終閲覧日:255(最終閲覧日:25-01-08)* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B4%A5%E4%B8%BB%E7%A5%9E 経津主神](最終閲覧日:255(最終閲覧日:25-01-08)
== 関連項目 ==
* [[バジ]]:台湾神話の邪視持ちの英雄である。名前から見て、布洛陀に類する神と考える。
* [[アペ・コペン]]:ミャオ族の神。古い時代の布洛陀に類する神と考える。
* [[高御産巣日神]]
* 経津主神
** 大国主命
** [[天若日子]]:雷神と対峙する蛙神は天若日子そのものといえる。
== 脚注 ==