「チモ族」の版間の差分

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* タガラウソクソクという巨人がいた。常に流浪していて飢えた時には嬰児を丸呑みした。陰茎が大きく、大雨で川が増水した際には陰茎を橋として人々を渡した(ブヌン族タケバタン部族アサンバタン社、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p314)。
 
* タガラウソクソクという巨人がいた。常に流浪していて飢えた時には嬰児を丸呑みした。陰茎が大きく、大雨で川が増水した際には陰茎を橋として人々を渡した(ブヌン族タケバタン部族アサンバタン社、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p314)。
 
* 巨人がいて、人家を訪れるときに大鍋に肉を盛って与えないと暴れるので、人々は彼の姿を見ると逃げ隠れした。巨人は、自分がこのように大きくなったのは、母が去勢したせいだ、としてある日槍の先を削って、ある日ふいに'''母'''の陰部を槍で突いた(ブヌン族イシブクン部族タケトンポ社、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p314)。
 
* 巨人がいて、人家を訪れるときに大鍋に肉を盛って与えないと暴れるので、人々は彼の姿を見ると逃げ隠れした。巨人は、自分がこのように大きくなったのは、母が去勢したせいだ、としてある日槍の先を削って、ある日ふいに'''母'''の陰部を槍で突いた(ブヌン族イシブクン部族タケトンポ社、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p314)。
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* 太陽が降りてきて卵を生んだ。最初の卵を蛇が食べてしまった([[パイワン族]]、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p117)。
  
 
== 首狩りの始め ==
 
== 首狩りの始め ==

2026年3月12日 (木) 18:28時点における最新版

チモ族とは、台湾原住民の中のパイワン族の中の一部族のような存在である。実在というよりは伝説的な部族だが、その家系であるという家もあるようである。

特徴[編集]

  • 5年祭を行う際には、竹を7本取って、これを祖霊に擬しを供す。
  • チモはパイワン族に加わる前は、一定の地域なく諸所に浪遊していた。
    • クリリという頭目を捕らえ、板に打ち付けて断崖より投げ落とした。
    • 馘首を行う。狩った首に対して「芋」というトーテムを与えたり、狩った相手の霊魂を己のものにした。
    • 父が隠れて子供を驚かせたところ、逆に子供に殺されて馘首された。がこれを怒り、子は断崖から槍に串刺しになるように身を投げて死んだ。
  • 邪視を持つバジという者を殺したが、その眼光に射られてチモ族もほとんど死んだ。

蛇または人肉食について[編集]

タガラウソクソクについては、チモ族の神とはされていないが、性質からチモ族の神と思われるので加える。

  • 蛇を食べる、という伝承がある社がある。
  • 人肉を食べた、という伝承がある社がある。よその部族の子供を取って食べたり、人を殺して食べたりした。
  • スカロという頭目がいた。(おそらくサラアツという頭目のことであろう。)
    • 伝承によっては、彼女の夫は通い婚を行う虹蛇であって、夫がいると雨水をもたらし、いないと干魃などが起きるとされる場合がある。
    • 勇猛であるが、蛇を食べるため嫌われていた。
  • タガラウソクソクという巨人がいた。常に流浪していて飢えた時には嬰児を丸呑みした。陰茎が大きく、大雨で川が増水した際には陰茎を橋として人々を渡した(ブヌン族タケバタン部族アサンバタン社、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p314)。
  • 巨人がいて、人家を訪れるときに大鍋に肉を盛って与えないと暴れるので、人々は彼の姿を見ると逃げ隠れした。巨人は、自分がこのように大きくなったのは、母が去勢したせいだ、としてある日槍の先を削って、ある日ふいにの陰部を槍で突いた(ブヌン族イシブクン部族タケトンポ社、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p314)。
  • 太陽が降りてきて卵を生んだ。最初の卵を蛇が食べてしまった(パイワン族、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p117)。

首狩りの始め[編集]

洪水があった際に、犬を食べようと思って殺し、戯れにその首を切って竹竿の先に刺して痴情に建てたら面白かった。猿なら犬よりもまだ愉快だろうと考えて、猿を殺して建てたら更に面白かった。人間の首ならどうだろうかと思い、悪戯をする小児がいたのでその児を殺して建てたらとても面白かった。洪水が引いた後、小児を殺した楽しさを思い出し、他社の首を取ってみよう、ということになってそれぞれの社で首を狩るようになった。これが首狩りの始めである。他社の者を殺して、その者の名を氏族の名とするようになって氏族の数が増えた[1]

同族性と同門性[編集]

台湾原住民の伝承、そしてもっと広くは中国長江中流域の伝承、日本他の神話・伝承など、「類似した伝承」が多くみられる。妻争い、親殺し、妻殺しなどの祖神に関する独特の伝承は、どの部族・氏族やあらゆる人々にとって、「個々の部族・氏族ごとに先祖が同じ事をした」とは考えにくい。

これは、おそらく、「創世記」に関する現代の人類の取り扱いに類似した現象と考える。「創世記」のアダムとハヴァ、ノアの伝承など、多神教風な見方をすれば、これらはユダヤ民族の「祖神神話」といえる。ユダヤ民族は、もしかしたら本当の意味で彼らの「子孫」かもしれない。でも、例えば現代に当てはめた場合、日々キリスト教に入信する人々はユダヤ民族でない人も大勢いるであろうが、入信する、ということは「アダムとハヴァ」が「人類の先祖」だと受け入れる、ということである。でも、生物学的にはユダヤ民族でない人々は「アダムとハヴァ」の現実の子孫ではない可能性の方が高いように思う。キリスト教に入信した人が「アダムとハヴァ」を「人類の先祖」とみなすのは宗教的な意味においてであって、実際に彼らが自分たちの何代前の先祖で、血筋がどこからどう繋がり、何代経て自分となっていくのか、証明できる人などいないだろう。「後からキリスト教に入信した人達」は、「アダムとハヴァを先祖とする」人達と同じ派閥、同じ門閥に「属する」と決めたから、いわば「アダムとハヴァの養子」みたいなものとなった、といえるのではないだろうか。

これと同じことで、古い時代の神話は、一つには「どこかの部族の現実の祖神神話」なのだと思うけれども、もう一つには「その根幹となる部族と同門・同派閥となった養子部族の祖神神話」でもあると考える。タイヤル族のスタンスが、まさにこれに当てはまる状態であって、彼らにとって神々は「先祖ではない」のだけれども「祖神」なのである。

同門・同派閥の思想の起原は大渓文化あるいはそれよりも古くからあったと考える。大渓文化で大きく発展し、確立した思想なのではないだろうか。個人的には「根幹となる部族」とはチモ族だと考える。中国における食人の長い歴史、台湾原住民の首狩りの歴史、そしてこれまた長い日本における人身御供の歴史の起源は、すべて「チモ族から始まった」とみなされているようだからである。

大渓文化では王族・貴族階級は楓、庶民階級は竹をトーテムに持っていたと考えられる。建築資材として王族・貴族階級は楓、庶民階級は竹を使用していたと思われる。また、王族・貴族階級のトーテムは「」だったと思われるが、タイヤル族の伝承にある通り「竹はの餌」である。竹をトーテムに持つチモ族は、チモ族の中では庶子的な存在で、下位の貴族あるいは庶民にまで地位が低下したチモ族なのだと考える。日本の文化からみれば、天皇の子孫だけれども、臣籍降下した源氏や平氏、といった存在なのではないだろうか。しかし、チモ族以外の人からみれば「チモ族」なので、庶民といえど王侯・貴族に通じる人々なので、少数派であっても一般的な「庶民」との関係では優位にふるまえるのだ。

参考文献[編集]

  • 神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p416-421
  • 北ツゥオ族タパグ部族タパグ社、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p84-86