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太陽神像を見ると多くが男性形だが、女性形の太陽神もわずかにあるようである。母系社会だが、太陽神が女性から男性に移行する過程の文化だったことが分かる。太陽神像は人間と同じ形ではなく、男性形・女性形いずれの場合も頭上にウサギの耳のような突起状のものがついている。これはいわゆる「三叉冠」が変形したものではないだろうか。手足が獣の爪様の神像もある。これらの神像は「木に吊されて使用された」という説もある。女神であれば当然「吊された女神」となろう。「吊された女神」に死者を再生させる能力がある、と考えられていたと思われる。男性形の太陽神も、発生当初は女神を男神に変更しただけだったので、像は木に吊されたのだと考える。再生者としての機能も、その際に男性形の太陽神に移されたのだろう。その際に、おそらく太陽女神は「亡くなった太陽女神」として[[月女神]]に変更されてしまったと考える。男性形の太陽神は太陽女神の兄と考える。朝鮮には「日妹・月兄」という伝承があるが、この伝承によると太陽神は最初兄で、後に妹に太陽神を譲った、とある<ref>日妹・月兄(その一)、韓国昔話集成8、崔仁鶴他、悠書館、50p</ref>。現実の紅山文化の歴史はその逆で、太陽女神が次第に月神だった兄弟と入れ替わったのではないだろうか。広く北東アジア全体で、姉妹が太陽女神・兄弟が月神のパターン、それが入れ替わっているパターンと二種類の神話が流布しており、いずれが正当なのかで若干争いを含む場合があったかもしれない。歴史的な決着は地方によって異なり、紅山文化では最終的に兄弟が太陽神として定着し、日本では姉妹が太陽女神として定着したのではないだろうか。
彩陶(図8)には渦巻き模様が描かれ、雷紋と考える。雷紋の中に小さな鳥が描かれている。これが雷神を意味する雄鶏なのか、雷神の使役神といえるカラス(烏)なのかは不明だが、時代が下ると近隣の朝鮮、日本ではいわゆる「[[三足烏]]」が神霊鳥として有名になっていくので、カラスの可能性が高いと思う。雷神系の神とカラスが組み合わさった意匠は良渚文化にも見られる。三叉冠も良渚文化を特徴づけるアイテムである。紅山文化は宗教的に良渚文化に類似したことが示唆される。」が神霊鳥として有名になっていくので、カラスの可能性が高いと思う。雷神系の神とカラスが組み合わさった意匠は良渚文化にも見られる。三叉冠も[[良渚文化]]を特徴づけるアイテムである。紅山文化は宗教的に[[良渚文化]]に類似したことが示唆される。
紅山文化のみの特徴としては、牛河梁遺跡(ぎゅうがりょういせき、Niuheliang)から出土した女神像がある。緑色のヒスイ(翡翠)の目を持った女神は、再生の力があるとされ、一番尊敬された太陽女神の像だったと推察する。彼女が太陽女神の地位を失ったとしても、再生に関わる何らかの女神として高い地位を維持していたことが推察される。それはメソポタミア神話の[[イナンナ]]、エジプト神話のヘケトを彷彿とさせる。

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