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学者のウルリッヒ・マルツォルフ(اولریش_مارزلف)は、ペりの起源がインド・ペルシャであり、後にアラブの伝統的なおとぎ話に組み込まれたと指摘している<ref>Marzolph, Ulrich (08 Apr 2019). "[https://www.routledgehandbooks.com/doi/10.4324/9781315108407-4 The Middle Eastern World’s Contribution to Fairy-Tale History]". In: Teverseon, Andrew. ''The Fairy Tale World''. Routledge, 2019. pp. 46, 52, 53. Accessed on: 16 Dec 2021.
 
学者のウルリッヒ・マルツォルフ(اولریش_مارزلف)は、ペりの起源がインド・ペルシャであり、後にアラブの伝統的なおとぎ話に組み込まれたと指摘している<ref>Marzolph, Ulrich (08 Apr 2019). "[https://www.routledgehandbooks.com/doi/10.4324/9781315108407-4 The Middle Eastern World’s Contribution to Fairy-Tale History]". In: Teverseon, Andrew. ''The Fairy Tale World''. Routledge, 2019. pp. 46, 52, 53. Accessed on: 16 Dec 2021.
 
https://www.routledgehandbooks.com/doi/10.4324/9781315108407-4</ref>。
 
https://www.routledgehandbooks.com/doi/10.4324/9781315108407-4</ref>。
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== 私的解説 ==
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ペリが女性で、特に鳥の姿を取る場合は「[[吊された女神]]」と考える。「鳥女房」譚のヒロインとして語られることが多く、夫との仲は破綻することが多い。
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女性形のペリはいわゆる「天女」であって、インド神話のアプサラス、北欧神話のワルキューレに相当すると思う。語源的にも一つなのではないだろうか。
  
 
== ペルシャ神話と文学において ==
 
== ペルシャ神話と文学において ==
 
パリはペルシャの民間伝承や詩に詳しく、ロマンスや叙事詩に登場する。
 
パリはペルシャの民間伝承や詩に詳しく、ロマンスや叙事詩に登場する。
さらに、後世の詩人たちは、この言葉を美しい女性を指す言葉として、その素晴らしさを説明するために使っている。フェルドウスィーの叙事詩『シャー・ナーメ(王書)』の冒頭で、スラオシャがパリの姿で現れ、破壊的なアーリマンがもたらす脅威をカユーマルス(神話の最初の人間で世界の王)とその息子スィヤーマクに警告している。パリはまた、カユーマルスがアーリマンとその悪魔の息子を倒すために、最終的に作り上げる神秘的な軍隊の一部を成している。
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さらに、後世の詩人たちは、この言葉を美しい女性を指す言葉として、その素晴らしさを説明するために使っている。フェルドウスィーの叙事詩『シャー・ナーメ(王書)』の冒頭で、スラオシャがパリの姿で現れ、破壊的なアーリマンがもたらす脅威をカユーマルス(神話の最初の人間で世界の王)とその息子スィヤーマクに警告している。パリはまた、カユーマルスがアーリマンとその悪魔の息子を倒すために、最終的に作り上げる神々の軍隊の一部を成している。
  
 
ロスタムとソフラーブの物語では、ロスタムの恋人であるタハミーネ王女が「パリのような美しさ」と呼ばれている。
 
ロスタムとソフラーブの物語では、ロスタムの恋人であるタハミーネ王女が「パリのような美しさ」と呼ばれている。
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== イスラム文化 ==
 
== イスラム文化 ==
ペルシャにイスラム教が伝わると、パリ(トルコ語でペリ)はイスラムの民俗学に組み込まれた。初期のペルシャ語訳のクルアーンでは、善いジンはペリス、悪いジンはディブとされていた<ref>https://books.google.com/books?id=O84eYLVHvB0C&q=Piris  , Dictionary of Islam, 9788120606722, Hughes, Patrick, Hughes, Thomas Patrick, 1995</ref>。
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ペルシャにイスラム教が伝わると、パリ(トルコ語でペリ)はイスラムの民俗学に組み込まれた。初期のペルシャ語訳のクルアーンでは、善いジンはペリス、悪いジンはディブとされていた<ref>https://books.google.com/books?id=O84eYLVHvB0C&q=Piris  , Dictionary of Islam, 9788120606722, Hughes, Patrick, Hughes, Thomas Patrick, 1995</ref>。パリの存在は、ジン、シャイターン、悪人の幽霊のほか、霊的な生き物の一種として、インドのイスラム教徒の間で今も根強く信じられている<ref>Frederick M. Smith ''The Self Possessed: Deity and Spirit Possession in South Asian Literature and Civilization'' Columbia University Press 2012 , ISBN=978-0-231-51065-3, page 570</ref>。トルコのイスラム教徒は、ジン、イフリート(地獄の幽霊または悪魔)、ナキール、ディブ(鬼または悪霊)、シャイターン(悪魔または鬼)など、他の霊的な生き物の中にパリの存在を認めることがよくある<ref>Yves Bonnefoy ''Asian Mythologies'' University of Chicago Press 1993 {{ISBN|978-0-226-06456-7}} p. 322</ref>。
  
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ペルシャ語のクルアーンであるTafsir al-Tabariによると、パリは神が悪霊ディブの後に創造した美しい女性の霊であるという。彼らは大抵は神を信じており、人間に対して慈悲深い<ref>Cosimo, Inc ''Arabian Nights, in 16 volumes: Volume XIII, Band 13'' 2008  {{ISBN|978-1-605-20603-5}} page 256</ref>。彼らは今でもいくつかの民間伝承の一部であり、そのため人間の前に姿を現し、時には山中で無礼な態度を取ったり、資源を浪費するハンターを罰したり、あるいは若者を誘拐して彼らの集まりに参加させたりもする。パリとの遭遇は、精神的なものだけでなく、肉体的なものもあるとされている<ref>Peter J. Claus, Sarah Diamond, Margaret Ann Mills ''South Asian Folklore: An Encyclopedia : Afghanistan, Bangladesh, India, Nepal, Pakistan, Sri Lanka'' Taylor & Francis, 2003 {{ISBN|978-0-415-93919-5}} page 463</ref>。
  
The belief in Pari still persist among Muslims in India as a type of spiritual creature besides the jinn, [[Shaitan|shayatin]] and [[Ifrit|the ghosts of the wicked]].<ref>Frederick M. Smith ''The Self Possessed: Deity and Spirit Possession in South Asian Literature and Civilization'' Columbia University Press 2012 {{ISBN|978-0-231-51065-3}} page 570</ref> [[Turkic peoples|Turkish Muslims]] often accept the existence of paris among other creatures, such as jinn, ifrit (''ghosts'' or ''demons of hell''), nakir, div (''ogres'' or ''fiends'') and shayatin (''demons'' or ''devils'').<ref>Yves Bonnefoy ''Asian Mythologies'' University of Chicago Press 1993 {{ISBN|978-0-226-06456-7}} p. 322</ref>
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結婚は可能だが、イスラムの言い伝えでは良くないこと、とされている。人間の短気と猜疑心から、人間とパリの関係は壊れてしまう。ビルキス(シバの女王)は、ある言い伝えによると、パリと人間の破綻した関係から生まれた娘である<ref>Joseph Freiherr von Hammer-Purgstall ''Rosenöl. Erstes und zweytes Fläschchen: Sagen und Kunden des Morgenlandes aus arabischen, persischen und türkischen Quellen gesammelt'' BoD – Books on Demand 9783861994862 p. 103 (German)</ref>。ペリは通常、慈悲深い生き物とされているが、ディブとは対照的に、''空の民''の間では、イスラム教徒か異教徒かわからない、道徳的に両義的な生き物であると信じられている<ref>Shamanism and Islam: Sufism, Healing Rituals and Spirits in the Muslim World. (2017). Vereinigtes Königreich: Bloomsbury Publishing. p. 148</ref>
  
According to the Persian [[tafsir|exegesis of the Qurʼan]] ''[[Tafsir al-Tabari]]'', the paris are beautiful female spirits created by [[God in Islam|God]] after the vicious divs. They mostly believe in God and are benevolent to mankind.<ref>Cosimo, Inc ''Arabian Nights, in 16 volumes: Volume XIII, Band 13'' 2008  {{ISBN|978-1-605-20603-5}} page 256</ref>
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== 鳥女房譚 ==
They are still part of some folklore and accordingly they appear to humans, sometimes punishing hunters in the mountains who are disrespectful or waste resources, or even abducting young humans for their social events. Encounters with paris are held to be physical as well as psychological.<ref>Peter J. Claus, Sarah Diamond, Margaret Ann Mills ''South Asian Folklore: An Encyclopedia : Afghanistan, Bangladesh, India, Nepal, Pakistan, Sri Lanka'' Taylor & Francis, 2003 {{ISBN|978-0-415-93919-5}} page 463</ref>
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ペリ(天女)は鳥の姿で地上の湖に水浴びに降りてくることがあり、羽衣を盗まれて人間の男の妻になる、というのは各地で見られる物語である。最後には羽衣を見つけて逃げてしまうので、「吊された女神」のうち、[[メリュジーヌ]]譚と並んで「逃走女神」の典型的パターンと考える。妻の羽衣を盗む男は、祝融型神・窃盗型である。妻に羽衣を返してやる役がいるときには、特に女性の場合には「養母としての女神」といえるかもしれない。
  
Marriage, although possible, is considered undue in Islamic lore. Because of humans impatience and distrust, relationship between humans and paris will break up. [[Bilqis]] is, according to one narrative, the daughter of such a failed relationship between a pari and a human.<ref>Joseph Freiherr von Hammer-Purgstall ''Rosenöl. Erstes und zweytes Fläschchen: Sagen und Kunden des Morgenlandes aus arabischen, persischen und türkischen Quellen gesammelt'' BoD – Books on Demand 9783861994862 p. 103 (German)</ref>
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鳥女神に羽衣を返して天に戻してやる女性は、さしずめ[[イナンナ]]が天に戻るために活躍する侍女の[[イナンナ|ニンシュブール]]といえる。ただ一般的に民話では、夫は妻の代わりに冥界送りになるほどひどい扱いは受けないと感じる。牽牛織女のように、夫が自ら苦労の世界へ飛び込むパターンもある。そして民話の方が神話よりも、夫の職業が羊飼いでも牛飼いでもなく[http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=105 ペリの妻]のような商人だったりと、現実的な印象を受ける。
  
Although peris are usually regarded as benevolent creatures, in contrast to the divs, among the ''people of the air'', they are credited with being morally ambivalent creatures, who may or may not be muslims or infidels.<ref>Shamanism and Islam: Sufism, Healing Rituals and Spirits in the Muslim World. (2017). Vereinigtes Königreich: Bloomsbury Publishing. p. 148</ref>
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== ペリが登場する民話 ==
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* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=105 ペリの妻]:鳥女房譚
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* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=193 マリク・ハッサン]:中国(パミール高原)
  
== ペリが登場する民話 ==
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== 関連項目 ==
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=105 ペリの妻]
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* [[吊された女神]]
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* [[イナンナ]]
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* [[ディヴ]]
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* [[鶴の恩返し]]
  
 
== 参考文献 ==
 
== 参考文献 ==
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%AA ペリ]
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* Wikipedia:[https://en.wikipedia.org/wiki/Peri Peri](最終閲覧日:22年3月日)
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* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%AA ペリ](最終閲覧日:22年3月日)
 
** 草野巧, 幻想動物事典, 新紀元社, ファンタジー事典シリーズ, 1997-05, page=277, isbn=978-4-88317-283-2
 
** 草野巧, 幻想動物事典, 新紀元社, ファンタジー事典シリーズ, 1997-05, page=277, isbn=978-4-88317-283-2
  
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2025年12月18日 (木) 21:19時点における最新版

ペリ(Peri)は、イランの高原地帯に棲んでいるとされる妖精の一種。ペルシャ神話では、ペリ(Persian: پری, 複数形 پريان pariān または pari とも)は、その美しさで名高い、優美な有翼の精霊で、人間の姿をしており、魔法を使える。

男女ともに理想的な姿で、男は威厳があり、女は美しいという。四大元素の内の火から作られた存在で、麝香やシタンなどの香りが食べ物とされる。

普段は峻厳とした山の頂上や、深い泉の底にいるが、たまに人間の世界に行くこともある。日本の天女と同じように、ペリの女性が人間の男と結婚する事もあるという。

ペリは後に他の文化にも取り入れられた[1]。ペリは贖罪のための懺悔を終えるまで楽園へ入ることを拒否されたいたずら好きな存在として描かれている[2]。 イスラム教の影響下では、ペリはいたずら好きのジンやディブ(悪魔)とは対照的に、慈悲深い霊となった[3]。 学者のウルリッヒ・マルツォルフ(اولریش_مارزلف)は、ペりの起源がインド・ペルシャであり、後にアラブの伝統的なおとぎ話に組み込まれたと指摘している[4]

私的解説[編集]

ペリが女性で、特に鳥の姿を取る場合は「吊された女神」と考える。「鳥女房」譚のヒロインとして語られることが多く、夫との仲は破綻することが多い。

女性形のペリはいわゆる「天女」であって、インド神話のアプサラス、北欧神話のワルキューレに相当すると思う。語源的にも一つなのではないだろうか。

ペルシャ神話と文学において[編集]

パリはペルシャの民間伝承や詩に詳しく、ロマンスや叙事詩に登場する。 さらに、後世の詩人たちは、この言葉を美しい女性を指す言葉として、その素晴らしさを説明するために使っている。フェルドウスィーの叙事詩『シャー・ナーメ(王書)』の冒頭で、スラオシャがパリの姿で現れ、破壊的なアーリマンがもたらす脅威をカユーマルス(神話の最初の人間で世界の王)とその息子スィヤーマクに警告している。パリはまた、カユーマルスがアーリマンとその悪魔の息子を倒すために、最終的に作り上げる神々の軍隊の一部を成している。

ロスタムとソフラーブの物語では、ロスタムの恋人であるタハミーネ王女が「パリのような美しさ」と呼ばれている。

パリはディヴ(دَيۋَ다)(ディーヴァ、دَيۋَ )と呼ばれる下層の悪魔の標的となり、鉄の檻に閉じ込められて迫害された[5]。この迫害は、ディブが認識していたように、パリが堕落に対する反乱に加わるだけの自尊心がないために生じたものであった[2]

イスラム文化[編集]

ペルシャにイスラム教が伝わると、パリ(トルコ語でペリ)はイスラムの民俗学に組み込まれた。初期のペルシャ語訳のクルアーンでは、善いジンはペリス、悪いジンはディブとされていた[6]。パリの存在は、ジン、シャイターン、悪人の幽霊のほか、霊的な生き物の一種として、インドのイスラム教徒の間で今も根強く信じられている[7]。トルコのイスラム教徒は、ジン、イフリート(地獄の幽霊または悪魔)、ナキール、ディブ(鬼または悪霊)、シャイターン(悪魔または鬼)など、他の霊的な生き物の中にパリの存在を認めることがよくある[8]

ペルシャ語のクルアーンであるTafsir al-Tabariによると、パリは神が悪霊ディブの後に創造した美しい女性の霊であるという。彼らは大抵は神を信じており、人間に対して慈悲深い[9]。彼らは今でもいくつかの民間伝承の一部であり、そのため人間の前に姿を現し、時には山中で無礼な態度を取ったり、資源を浪費するハンターを罰したり、あるいは若者を誘拐して彼らの集まりに参加させたりもする。パリとの遭遇は、精神的なものだけでなく、肉体的なものもあるとされている[10]

結婚は可能だが、イスラムの言い伝えでは良くないこと、とされている。人間の短気と猜疑心から、人間とパリの関係は壊れてしまう。ビルキス(シバの女王)は、ある言い伝えによると、パリと人間の破綻した関係から生まれた娘である[11]。ペリは通常、慈悲深い生き物とされているが、ディブとは対照的に、空の民の間では、イスラム教徒か異教徒かわからない、道徳的に両義的な生き物であると信じられている[12]

鳥女房譚[編集]

ペリ(天女)は鳥の姿で地上の湖に水浴びに降りてくることがあり、羽衣を盗まれて人間の男の妻になる、というのは各地で見られる物語である。最後には羽衣を見つけて逃げてしまうので、「吊された女神」のうち、メリュジーヌ譚と並んで「逃走女神」の典型的パターンと考える。妻の羽衣を盗む男は、祝融型神・窃盗型である。妻に羽衣を返してやる役がいるときには、特に女性の場合には「養母としての女神」といえるかもしれない。

鳥女神に羽衣を返して天に戻してやる女性は、さしずめイナンナが天に戻るために活躍する侍女のニンシュブールといえる。ただ一般的に民話では、夫は妻の代わりに冥界送りになるほどひどい扱いは受けないと感じる。牽牛織女のように、夫が自ら苦労の世界へ飛び込むパターンもある。そして民話の方が神話よりも、夫の職業が羊飼いでも牛飼いでもなくペリの妻のような商人だったりと、現実的な印象を受ける。

ペリが登場する民話[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Wikipedia:Peri(最終閲覧日:22年3月日)
  • Wikipedia:ペリ(最終閲覧日:22年3月日)
    • 草野巧, 幻想動物事典, 新紀元社, ファンタジー事典シリーズ, 1997-05, page=277, isbn=978-4-88317-283-2

参照[編集]

  1. Sherman, Josepha (2008). Storytelling: An Encyclopedia of Mythology and Folklore. Sharpe Reference. p. 361. ISBN, 978-0-7656-8047-1
  2. 2.0 2.1 Nelson's New Dictionary of the English Language, Nelson, Thomas, Thomas Nelson & Sons, 1922, https://books.google.com/books?id=LJURAAAAIAAJ&dq=peri+mythology&pg=RA1-PA234 ,pages=234
  3. Denise Aigle The Mongol Empire between Myth and Reality: Studies in Anthropological History BRILL, 28.10.2014 , ISBN, 9789004280649, p. 118
  4. Marzolph, Ulrich (08 Apr 2019). "The Middle Eastern World’s Contribution to Fairy-Tale History". In: Teverseon, Andrew. The Fairy Tale World. Routledge, 2019. pp. 46, 52, 53. Accessed on: 16 Dec 2021. https://www.routledgehandbooks.com/doi/10.4324/9781315108407-4
  5. Olinthus Gilbert Gregory Pantologia. A new (cabinet) cyclopædia, by J.M. Good, O. Gregory, and N. Bosworth assisted by other gentlemen of eminence, Band 8 Oxford University 1819 digitalized 2006 sec. 17
  6. https://books.google.com/books?id=O84eYLVHvB0C&q=Piris , Dictionary of Islam, 9788120606722, Hughes, Patrick, Hughes, Thomas Patrick, 1995
  7. Frederick M. Smith The Self Possessed: Deity and Spirit Possession in South Asian Literature and Civilization Columbia University Press 2012 , ISBN=978-0-231-51065-3, page 570
  8. Yves Bonnefoy Asian Mythologies University of Chicago Press 1993 ISBN 978-0-226-06456-7 p. 322
  9. Cosimo, Inc Arabian Nights, in 16 volumes: Volume XIII, Band 13 2008 ISBN 978-1-605-20603-5 page 256
  10. Peter J. Claus, Sarah Diamond, Margaret Ann Mills South Asian Folklore: An Encyclopedia : Afghanistan, Bangladesh, India, Nepal, Pakistan, Sri Lanka Taylor & Francis, 2003 ISBN 978-0-415-93919-5 page 463
  11. Joseph Freiherr von Hammer-Purgstall Rosenöl. Erstes und zweytes Fläschchen: Sagen und Kunden des Morgenlandes aus arabischen, persischen und türkischen Quellen gesammelt BoD – Books on Demand 9783861994862 p. 103 (German)
  12. Shamanism and Islam: Sufism, Healing Rituals and Spirits in the Muslim World. (2017). Vereinigtes Königreich: Bloomsbury Publishing. p. 148