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8.時代が下ると、子孫達は増え、いろんな考えの人が現れるようになった。姜王子が男性でも祭祀者や摂政になる、という先例を作ったのだから、男性が祭祀者や摂政になって個人的な権力を持つようになっても良い、と考える者。伝統的な太陽女神信仰と女王制度を重要視して、財産は女性のもの、と考える者。その間をとって、祭祀者は女性でも男性でも良いし、女性も男性も財産を持つことが許される、と考える者などである。彼らは自らの思想に従って神々を信仰した。姜王子を敬う人達は、饕餮補佐官と姜王子を最高神と考えたし、太陽女神信仰を重要と思う人は太陽女神を最高神とした。女性も男性も同じように権利を持つべきと思う者は饕餮補佐官と太陽女神の両方と神として祀った。彼らの真の「父」ともいえる姫補佐官を神格化する者も現れた。8.時代が下ると、子孫達は増え、いろんな考えの人が現れるようになった。姜王子が男性でも祭祀者や摂政になる、という先例を作ったのだから、男性が祭祀者や摂政になって個人的な権力を持つようになっても良い、と考える者。伝統的な太陽女神信仰と女王制度を重要視して、財産は女性のもの、と考える者。その間をとって、祭祀者は女性でも男性でも良いし、女性も男性も財産を持つことが許される、と考える者などである。彼らは自らの思想に従って神々を信仰した。姜王子を敬う人達は、饕餮補佐官と姜王子を最高神と考えたし、太陽女神信仰を重要と思う人は太陽女神を最高神としたが、「父」と「母」の真の後継者となる「太陽女神」は夫に騙され殺された女王なのか、親の敵を討った妹王女なのかで意見が分かれた。女性も男性も同じように権利を持つべきと思う者は饕餮補佐官と太陽女神の両方と神として祀った。彼らの真の「父」ともいえる姫補佐官を神格化する者も現れた。
こうして、こうして、人々が好き勝手に自分の好きな先祖を神格化して祀るようになったので、どうしても社会的な統率力やまとまりに欠けるようになった。どの神様が一番偉いのかで人々が争うようにもなった。それではまずい、ということで大きな宗教的思想が二つ起こった。 一つは太陽女神を頂点として、姫派と饕餮派は仲良く並び立ち女神、すなわち地上における女王を支えよう、という思想である。彼らは生前は互いに争い戦ったかもしれない。でももう大分時代は下ったのだし、自分たちは二人のどちらの子孫でもあるといえる。どちらが強く正当だったのかを争うのではなく、どちらの派閥も協力して平等に仲良く太陽女神を支えるべきである。一族は死んだ先祖は天に昇って鳥神になり太陽女神を支える、と考えていた。だから、姫補佐官は一族の者ではないのだけれども、一族と同じように天に昇って鳥になったと考えた。 もう少し保守的な人達は、身分の低い姫補佐官が天に昇って鳥神になるのはあり得ないことだと考えていた。でも、尊敬すべき先祖ではある。だから、彼が水に投げ込まれたことを記念して、補佐官を水神として祀ることにした。水神となって水害から子孫を守って欲しい、と願ったのだ。 二つ目の思想は、かたくなに姜王子を信奉し、男性が女性と平等では飽き足らない、男性の方が女性よりも優位に立つべき、と考えるものだった。女なんかに財産と権力を渡してはならない。彼らにとっての神は饕餮補佐官と姜王子のみである。太陽神も女神から姜王子そのものに変更し、姫補佐官は水の中の悪神とされた。悪霊と化した姫補佐官を鎮めるだけの力ある太陽神は姜王子のみ、ともされた。こうして、饕餮補佐官と姜王子が悪い水神を退治する話が作られた。それに合わせて姫補佐官の妻であった女王も、悪い水神の妻の悪い女神にされてしまった。こうして彼らは女神を信仰しなくなったのだ。 二つの大きな神話群は各地に散っていき、後の時代の神話や宗教思想に大きな影響を与えた。だけど、人間の歴史全体としては後者が強い勢力となり、人間社会は父兄化していった。
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