イエイヌは人間の手によって作り出された動物群である。最も古くに家畜化されたと考えられる動物であり、現代でも、[[ネコ|イエネコ]]と並んで代表的なペットまたはコンパニオンアニマルとして、広く飼育され、親しまれている。ただし比較されるネコと違って独特の口臭(後述)がある。
[[野生]]化したものを[[野犬]]といい、[[日本語]]ではあたかも標準[[和名]]であるかのように[[片仮名]]で「ノイヌ」と表記されることも多いが、野犬(やけん)を誤って訓読したため生じた[[造語|新語]]である。いずれにせよヒトに飼われているか否かという状態の違いでの区別であって、[[分類学]]上は[[種 (分類学)|種]]や[[亜種]]としてイエイヌとは区別されない。野生化したものを野犬といい、日本語ではあたかも標準和名であるかのように片仮名で「ノイヌ」と表記されることも多いが、野犬(やけん)を誤って訓読したため生じた新語である。いずれにせよヒトに飼われているか否かという状態の違いでの区別であって、分類学上は種や亜種としてイエイヌとは区別されない。
現在{{いつ|date=2013年2月}}<!-- See [[WP:DATED]] -->、[[ジャパンケネルクラブ]]、ジャパンケネルクラブ(JKC)では、[[国際畜犬連盟]]では、国際畜犬連盟(FCI)が公認する331[[犬種]]を公認し、そのうち176犬種を登録してスタンダードを定めている。 が公認する331犬種を公認し、そのうち176犬種を登録してスタンダードを定めている。 なお、非公認犬種を含めると約700 - 800の犬種がいるとされている。 また、頭数については世界全体では4億匹の犬がいると見積もられている。[[血液型]]は8種類と犬種の数に比べれば少ないがヒトよりも多い。また、頭数については世界全体では4億匹の犬がいると見積もられている。血液型は8種類と犬種の数に比べれば少ないがヒトよりも多い。
== 分類 ==
**{{仮リンク|グルーミング (犬)|en|Dog grooming}}
**{{仮リンク|コーディング (犬)|en|Cording (dog grooming)}}
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ファイル:Dog_coat_variation.png|犬の毛
ファイル:ペットトリマーさん (5220868130).jpg|ドッグトリマー
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=== 骨格 ===
陰茎に[[陰茎骨]]があり、交尾の際に勃起の硬さを得るのにやや時間を要し、陰茎自体にある程度の硬さを与えるためである<ref>{{Cite book |和書 |author=フジテレビトリビア普及委員会 |year=2003 |title=トリビアの泉〜へぇの本〜 2 |publisher=講談社 }}</ref>。
<gallery style="text-align:left;" mode="packed">
ファイル:Dog_anatomy_lateral_skeleton_view.jpg|イヌの骨格
ファイル:Rousou1.jpg|狼爪の例
ファイル:Shiba inu zad rybnik-kamien pl.jpg|[[柴犬]]の後肢
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=== 歯 ===
=== 消化器 ===
[[ファイル:Golden retriever eating pigs foot.jpg|thumb|200px|[[豚足]]を食べる[[ゴールデン・レトリバー]]]]
イヌ科グループの他の動物と同様、イヌは基本的には肉食であるが、植物質を含むさまざまな食物にも、ある程度までは適応する。[[消化管]]はそれほど長くないが、[[腸]]の長さが[[体長]](頭胴長)の4から4.5倍程度であるオオカミに対して、イヌのほうは5から7倍と、いくらか長くなっており、これも植物質の消化に役立っている。肉食獣の中には[[盲腸]]をもたない種も存在するが、イヌはそれほど大きくないものの 5から20cm程度の盲腸をもつ。
=== 嗅覚 ===
[[ファイル:Shiba inu profile 01.jpg|thumb|200px|柴犬の鼻づら]]
[[警察犬]]の遺留品捜査や[[災害救助犬]]の被災者探索などでよく知られるように、イヌの感覚のうち最も発達しているのは[[嗅覚]]であり、においで食べられるものかどうか、目の前にいる動物は敵か味方かなどを判断する。また、コミュニケーションの手段としても、ここはどのイヌの[[縄張り]]なのかや、相手の犬の尻のにおいを嗅ぐことで相手は雄か雌かなどを判断することでも嗅覚は用いられたりする。そのため、イヌにとっては嗅覚はなくてはならない存在である。
[[排卵]]期が過ぎた後の残りの2ヵ月余りは、メスの体内では黄体ホルモンが分泌されており、妊娠の有無に関わらず[[乳房]]の肥大や[[母乳]]の分泌、地面に穴を掘る営巣行動などが見られる場合がある。こうした状況は'''偽妊娠'''([[想像妊娠]])と呼ばれ、この期間が後述の実際の妊娠期間とほぼ重なる為、妊娠の真偽判定が難しくなる場合がある<ref name="kouhai"/>。その一方で、偽妊娠期間中で母乳が出るメスは他の子犬へ授乳する[[乳母]]の役目を果たせるため、[[育児放棄|ネグレクト]]などの何らかの理由で子犬への生母からの授乳が期待できない場合に、こうしたメスに授乳を行わせる場合もある<ref>{{Cite web |url=http://so-amc.com/column/2002/2002_11.html |title=乳母になれる犬の話 |website=南大阪動物医療センター |accessdate=2019-05-05}}</ref>。同種族のみならず、ネコ科の動物など全く異なる種族の授乳や育児を行なった事例もある<ref>{{Cite web |url=https://www.excite.co.jp/news/article/Crankin_2162105/ |title=虎の赤ちゃんを育てるお母さんシェパード!母性は種を超える |date=2012年11月26日 |website=エキサイトニュース |accessdate=2019-05-05}}</ref><ref>{{Cite news |url=http://j.people.com.cn/94638/94659/8611368.html |title=杭州 ホワイトライオンを育てる「イヌの乳母」 |newspaper=人民日報 |date=2014-04-28}}</ref>。交配が成立した場合の妊娠期間は50から70日。3から12子を一度に出産するため、[[乳房]]を左右に5対持っているのが一般的である。生誕6から12か月目で成犬の大きさになり、その後、2から3か月目で性熟する。これはオオカミの2年に比べて早熟である。[[小型犬]]は成犬に達するのが早いが成熟も早い。
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ファイル:Labrador Retriever babies.jpg|犬の母子
ファイル:Canine reproduction.jpg|交尾を開始した犬
ファイル:Pregnant bitch mongrel Jan 2008 Shot in Jalandhar Punjab India by gopal1035 017.jpg|妊娠した犬
ファイル:Wilde huendin am stillen.jpg|犬の授乳
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=== 寿命 ===
{{main|{{仮リンク|高齢犬の一覧|en|List of oldest dogs}}}}
イヌは10歳になると老犬の域になり12歳から20歳程度まで生きる。ただし犬種や生育環境によっても異なり、基本的に大型犬のほうが[[小型犬]]よりも短命である。また、一般的には屋外飼育よりも室内犬のほうが、寒暖差、雨露をしのげることから長命の傾向があり、純血種よりも[[雑種]]のほうが長命と言われる。歳を取るスピードは若いほど早く成犬となってからは緩やかになる。イヌの年齢をヒトの年齢に換算する方法は諸説あるが、科学的根拠に基づいたものではなく必ずしも正確ではない。目安として、小型犬は生後1年でヒトの約17歳、生後2年で約24歳、大型犬は生後2年で約20歳、それ以降は小型犬で1年につきヒトの4歳程度分、大型犬は5から6歳程度分、歳を取ると考えられる。転じて、ITが普及した2000年前後には、ITの進化の目まぐるしさをイヌの1年がヒトの人生の数年分であることにたとえて「ドッグイヤー」という比喩が使われた<ref>{{Cite web |url=https://toyokeizai.net/articles/-/194758?page=3|title=写メ・ハナキン…、「おじさん言葉」受け流し術|publisher=東洋経済オンライン |accessdate=2019-09-16}}</ref>。
=== 社会性 ===
[[ファイル:Shiba inu Boston Terrier greetings.jpg|thumb|200px|尻を嗅ぐことでイヌは互いの強弱が分かるという]]
イヌの特徴としてヒトと同じく社会性を持つ生き物であることが挙げられる。意思疎通をするための感情や表情も豊かで、褒める、認める、命令するなどの[[概念]]を持っている。ヒトに飼われているイヌは、人間の家族と自身を1つの群れの構成員と見なしていると考えられ、群れの中の上位者によく従い、その命令に忠実な行動を取る。この習性のおかげでイヌは訓練が容易で、古くからヒトに飼われてきた。最古の[[家畜]]とする説が有力である。子犬を入手して飼う場合には、親犬の元での犬社会に対する社会化教育と新しい飼い主と家庭および周囲環境への馴化(じゅんか)との兼ね合いから、ほぼ6[[週齢]]から7週齢で親元より直接譲り受けるのが理想的とされる。<!--ローレンツやトリュムラーらによる-->
== イヌの起源 ==
{{main|イヌの起源}}
イヌは最も古くに[[家畜]]化された動物であり、手に仔犬(イヌかオオカミかはっきりしない)を持たせて埋葬された1万2千年ほど前の狩猟採集民の遺体が[[イスラエル]]で発見されている。[[分子系統学]]的研究では1万5千年以上前に<!--各説ある[[東アジア]]/[[中東]]で-->[[オオカミ]]から[[分化]]したと推定されている。イヌの野生原種は[[オオカミ]] ({{snamei|Canis lupus}}) の亜種のいずれかと考えられている。イヌの[[デオキシリボ核酸|DNA]]の組成は、オオカミとほとんど変わらない。イヌがオオカミと分岐してからの1万5千年という期間は種分化としては短く、イヌを独立種とするかオオカミの[[亜種]]とするかで議論が分かれているが、交雑可能な点などから亜種とする意見が優勢となりつつある。本項の分類もそれに従っている。イヌとオオカミの交雑に関しては、別項「[[狼犬]](ハイブリッドウルフ)」も参照のこと。
== イヌと人の関係の歴史 ==
=== 世界におけるイヌの歴史 ===
[[ファイル:Tesem.jpg|thumb|200px|古代エジプトの壁画に描かれたイヌ (紀元前2300年頃)]]
人間と暮らし始めた最も古い動物であるイヌは、民族文化や表現の中に登場することが多い。
ヨーロッパ人に発見される前のアメリカ大陸では、犬は唯一とも言える家畜であり、非常に重要な存在であった。人間にとってなくてはならない労働力であり、[[猟犬]]、[[番犬]]、[[犬ぞり]]用の犬などに活用された。
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File:Native American resident man with sled dog.jpg|[[ネイティブ・アメリカン]]と[[犬ぞり]]用の犬(現代)
File:Native Alaskan woman on dogsled on snow.jpg|現在のアラスカに住むネイティブ・アメリカンの女性と犬ぞり
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また祭りでの生贄やご馳走として様々に利用された。[[ユイピの儀式]]など、祭りにおいて犬の肉は重要な存在である。また、白人によって弾圧されたインディアン諸部族の中で、[[シャイアン族]]の徹底抗戦を選んだ者たちは、{{lang|chy|Hotamétaneo'o}}([[ドッグ・ソルジャー]]、犬の戦士団)という組織を作り、白人たちと戦った。
欧米諸国では、古代から[[狩猟]]の盛んな文化圏のため、[[猟犬]]としての犬との共存に長い歴史がある。今日では特に[[イギリス|英国]]と[[アメリカ合衆国|米国]]、[[ドイツ]]などに愛犬家が多い。英国には「子供が生まれたら犬を飼いなさい。子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう。子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう。子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう。そして子供が青年になった時、自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。」という諺がある。世界で最古の愛犬家団体である[[1873年]]に設立された英国の[[ケネルクラブ]]([[ザ・ケネルクラブ]])および[[1884年]]に設立された米国のアメリカンケネルクラブ([[アメリカンケネルクラブ]])がそれを物語っている。ヨーロッパ諸国の王家や貴族の間では、古来、伝統的に愛玩用・護衛用・狩猟用などとして飼われている。特に[[イングランド]]王の[[チャールズ2世 (イングランド王)|チャールズ2世]]および[[エドワード7世 (イギリス王)|エドワード7世]]は愛犬家として有名である。英国の[[ヴィクトリア (イギリス女王)|女王ヴィクトリア]]は[[コリー]]などの犬を多数飼っていた。[[エリザベス2世]]も愛犬家で知られていた。英国王室は今でも犬舎を所有して飼育と繁殖を行っている。[[プロイセン]](ドイツ)の[[フリードリヒ2世 (プロイセン王)|フリードリヒ大王(フリードリヒ2世)]]は常に身辺に数匹の[[イタリアン・グレイハウンド]]を侍らせていた。大王は[[ポツダム]]にある墓所に愛犬達とともに葬られた。政治家では歴代の[[アメリカ合衆国大統領]]に愛犬家が多い。特に[[カルビン・クーリッジ|クーリッジ]]大統領と[[フランクリン・ルーズベルト]]大統領は愛犬家として有名である。近年{{いつ|date=2013年2月}}<!-- See [[WP:DATED]] -->では[[ジョージ・W・ブッシュ]]元大統領<!--WP:DATED=今しか通用しない略称禁止|WP:AWW=省略してわざわざ難解にしない-->も愛犬家として知られる。
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File:Bracken und Windhunde auf Gobelin.jpg|[[狩り|猟]]をする人々と[[猟犬]](15世紀)
File:Duck-hunter-and-dog.jpg|鴨を狩る人と犬(19世紀)
File:Friedrich II und Friedrich Wilhelm III.jpg|[[フリードリヒ2世 (プロイセン王)|フリードリヒ2世]]と犬たち
File:Annual Bench Show of the Westminster Kennel Club opens this week LOC 3608405718.jpg|[[ニューヨーク・トリビューン]]紙に掲載された{{仮リンク|ウェストミンスター・ケネルクラブ・ドッグショー|en|Westminster Kennel Club Dog Show}}のイベント情報([[1909年]])
File:Grande Boucherie Canine a Paris.jpg|[[フランス]][[パリ]]市内の犬肉店(1910年)<ref>{{Cite web |url=http://www.nord-dressage.fr/chien/index.php?page=roles |archiveurl=https://web.archive.org/web/20080613160823/http://www.nord-dressage.fr/chien/index.php?page=roles |title=Le Rôle des Chiens dans l'Histoire |website=nord-dressag |archivedate=2008-06-13 |accessdate=2019-05-05}}</ref>
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一方、19世紀後半のイギリスでは[[狂犬病]]の原因を巡って大きな論争が起きた。狂犬病はイヌに噛まれることによる感染症であるという主張が流布し、不潔な下層階級の飼う犬、気性の荒い狩猟犬が特に疑いの目を向けられた。人々のヒステリックな対応により、何万匹ともいわれるイヌが狂犬病予防の名目で殺されたが、歴史家の{{仮リンク|ハリエット・リトヴォ|en|Harriet Ritvo}}によれば、19世紀に殺されたイヌのうち、精神に異常をきたしていたイヌは5パーセントに過ぎず、そのうちの四分の三は[[てんかん]]か風変わりな外見だったという<ref>ブライアン・フェイガン『人類と家畜の世界史』東郷えりか訳 河出書房新社 2016年、ISBN 9784309253398 pp.309-310.</ref>。
[[イラン]]では犬をペットとして愛玩する人が増えているのに対して、イスラム保守派が「[[西洋]]化の象徴」と批判している<ref>[http://www.asahi.com/articles/DA3S13110312.html 【世界発2017】イラン、犬はタブー?友達?イスラム教では忌避するが…ペットで人気]『[[朝日新聞]]』朝刊2017年8月31日</ref>。
[[ファイル:Boldini - Madame Rejane.jpg|thumb|200px|[[ジョヴァンニ・ボルディーニ]]([[:en:Giovanni Boldini|en]]) 『レジャーヌ夫人』([[1885年]])]]
犬は一般に出産が軽い(安産)とされることから、日本では<!--WP:POV-->これにあやかって[[戌|戌の日]]に安産を願い、[[犬張子]]や[[帯祝い]]の習慣が始まるようになる。
==== 中世 ====
[[ファイル:Inu ou mono00.jpg|thumb|250px|right|犬追物]]
[[鎌倉時代]]には[[武士]]の[[弓術]]修練の一つとして、走り回る犬を[[鏑矢#種類|蟇目矢]](ひきめや。丸い緩衝材付きの矢)で射る[[犬追物]]や犬を争わせる[[闘犬]]が盛んになった。
==== 近世 ====
[[ファイル:Tsunyaoshi.jpg|thumb|250px|right|徳川綱吉]]
[[江戸幕府]]中期、江戸では[[野犬]]が多く、赤ん坊が食い殺される事件もあった。5代[[征夷大将軍|将軍]]・[[徳川綱吉]]は[[戌年]]の戌月の戌の日の生まれであったため、彼によって発布された「[[生類憐れみの令]]」([[1685年|1685]]- [[1709年]])において、犬は特に保護(生類憐れみの令は人間を含む全ての生き物に対する愛護法令)され、[[元禄]]9年([[1696年]])には犬を殺した江戸の町人が[[獄門]]という処罰まで受けている。綱吉は当時の人々から「犬[[公方]]」(いぬくぼう)と[[あだ名]]された。
徳川綱吉は狆を愛玩したようで、綱吉は二人の大名に狆を飼わせたため、二人は高価な狆を求め百余匹も飼育していた。それらの狆は綱吉の命によって江戸城に納められたが、狆は役人に護送され、立派な乗り物に乗せられて登城したという(『三王外記』){{Sfn|谷口|2012|p=80}}。この法令が直接適用されたのは[[天領]]であったが、間接的に適用される[[藩|諸藩]]でも将軍の意向に逆らうことはできなかった。綱吉の後を継いだ[[徳川家宣]]の治世当初に生類憐れみの令は廃止された。[[天明の大飢饉]]により米価が高騰し深刻な米不足が起こった際、[[江戸北町奉行]]・[[曲淵景漸]]がイヌや[[ネコ]]の肉の価格を示して「米がないならイヌやネコの肉を食え」と発言し町人の怒りを買い、江戸市中で[[打ちこわし]]まで引き起こす結果となった。
==== 日本犬 ====
[[File:Shiba_Inu.jpg|thumb|200px|[[柴犬]]は[[日本犬]]]]
[[日本犬]]とは国の[[天然記念物]]に指定されている6犬種を始めとする古くから日本に存在する犬種の総称である。また、[[土佐闘犬]]などの外来の犬種を日本で交配して作出した犬種も含める場合もある。
==== 日本語以外 ====
[[英語]]では {{Lang|en|bow-wow}} ([[仮名 (文字)|仮名]][[転写 (言語学)|転写]][<small>以下同様</small>]:バウワウ)、{{Lang|en|bark}} (バーク)、{{Lang|en|howl}} (ハウ)など、<!--[[ドイツ語]]では ???? (フント)、|※そもそも合ってるのか(Hundの事ではないの? ドイツ語ではwau-wau)-->[[ロシア語]]では {{Lang|ru|Гав-гав}} (ガフガフ)、[[中国語]]では「{{Lang|zh|汪汪}}(ワンワン)」<!--、[[朝鮮語]]では ???? (モンモン)-->と鳴くとされる。
=== 歴史に名を残した犬 ===
人間との共生が最も古い動物故に多くの犬たちが[[名犬]]とされてきた。
ノンフィクションの分野でも、[[忠犬ハチ公]]や[[南極物語]]などのように、実在した犬にまつわるエピソードや芸術作品などが数多く存在。
(以下の犬たち以外にも名を残したのも多くいる。)
*50年頃?(垂仁天皇87年) 足往(あゆき) - 名前が記録に残る日本最古の犬。むじなを殺して出て来た勾玉が献上された。([[日本書紀]]・[[垂仁天皇]]の条)
*587年 名前不明(白犬)- 記録に残る日本最古の忠犬(日本書紀・[[崇峻天皇]]の条)。[[物部守屋]]の家来・[[捕鳥部万]]の飼い犬。朝敵として晒される主人の遺骸を餓死するまで護り、朝廷に自分と主人を墓に葬らせた。
*1700年代
**1781年 名前不明(狆) - [[酒井忠以]]の愛犬。[[光格天皇]]より六位の位を下賜された(『[[耳嚢]]』)。
*1880年代
**1889年 ツン([[薩摩犬]]) - [[西郷隆盛]]の[[ウサギ]]狩時の愛犬である雌犬。[[上野恩賜公園]]に立てられた銅像にその銅像が寄り添って立てられた(製作者は後藤貞行、モデルは[[仁礼景範]]海軍中将の飼い犬である雄犬)。
**1895年 オウニー(雑種) - 1888年に米国のニューヨーク州の郵便局のマスコットとなり、[[アメリカ合衆国郵政長官|郵政長官]]から旅行許可証を貰い、船に乗って世界一周をした。
*1900年代
**1900年 ニッパー([[フォックス・テリアタイプ犬種|フォックス・テリア]]) - 円盤式[[蓄音器]]の発明者[[エミール・ベルリナー]]が感動した以前の飼い主の声に耳を傾ける肖像画を商標登録し、現在でも[[日本ビクター]]などで使われている(His Master's Voice, [[HMV]] の商号はこれによる)。{{Main|ニッパー (犬)}}
**1902年 名前不明 - ロシアの生理学者[[イワン・パブロフ]]博士の飼い犬で、[[条件反射]]の実験に使われ、以降、「[[条件反射|パブロフの犬]]」といえば条件反射のことを指すようになる。
**1923年 ボビー([[コリー]]種) - 米国インディアナ州で飼い主とはぐれ、6か月でおよそ4000kmを歩き、離れた飼い主の住むオレゴン州まで戻ってきた。
*1930年代
**1934年4月 [[忠犬ハチ公]]([[秋田犬]]) - 主人([[東京大学|東京帝国大学]]農学部教授の[[上野英三郎]])の帰りを[[渋谷駅]]においてその死後も待ち続ける姿が話題となり、同駅前に[[銅像]]が立てられた。
**1939年 [[ブルーイ]]([[オーストラリアン・キャトル・ドッグ]]) - ギネス公認の世界最長寿記録の犬。老衰により'''29歳'''で死亡(1910年6月7日 - 1939年11月14日)。
*1940年代
**[[ブロンディ (犬)|ブロンディ]]([[ジャーマン・シェパード・ドッグ]]) - ナチスドイツの総統ヒトラーの愛犬。1945年ベルリンの防空壕で主人と運命をともにした。
**チップス(雑種) - 第二次世界大戦中数々の勇敢な行為により、アメリカ陸軍から二つの勲章を授与された。
*1950年代
**1957年11月3日 クドリャフカ([[ライカ (犬)|ライカ]]) - 旧[[ソビエト連邦|ソ連]]が宇宙に打ち上げた[[スプートニク2号]]に搭乗した。
**1958年 [[タロとジロ|タロ、ジロ]]([[樺太犬]]) - [[南極越冬隊]]の[[犬ぞり]]用に[[南極]]に連れて行かれ、かの地で生き延びた。当時使われ、現在[[船の科学館]]に係留展示されている南極観測船「宗谷」、また[[東京タワー]]に銅像がある。
*1980年代
**[[サーブ (盲導犬)|サーブ]](ジャーマン・シェパード・ドッグ・[[盲導犬]]) - 飼い主をかばい足に怪我を負った事故をきっかけに、[[自動車損害賠償責任保険|自賠責保険]]の支払いが盲導犬に対しても行われるよう法改正が行われた。
*2000年代
**2008年 [[ベラ (イヌ)|ベラ]](シープドッグ系雑種) - ギネス非公認の世界最高齢記録保持犬。3歳の時に保護されたが、正式な出生証明書が無かった為、ギネス記録として公認されず。2008年、[[老衰]]により'''29歳'''で死亡。
**2009年 [[シャネル (イヌ)|シャネル]](ワイアーヘアード・ミニチュア・[[ダックスフント]]) - ギネス公認の世界最高齢記録を保持していた犬。生後6か月の時、収容施設から保護された。2008年8月28日、老衰により'''21歳'''で死亡。
**2011年 [[プースケ]] - ギネス公認の世界最高齢記録を保持していた日本の犬。2011年12月5日、老衰により'''26歳'''で死亡。世界歴代記録としては第9位。
=== 犬を主題とした作品・キャラクターなど ===
== 関連項目 ==
{{sisterlinks | wikt = 犬 | commons= Dog | commonscat = Dogs | q = no | d = Q144 | species = Canis lupus familiaris}}{{div col}}; 犬の飼育*[[犬小屋]]*[[犬の十戒]]*[[ドッグライフカウンセラー]]*{{ill2|カーミング・シグナル|en|Calming signals}}(犬の気分を表す行動)*{{ill2|パピー(犬)|en|Puppy|label=パピー}}(子犬)*{{ill2|犬の首輪|en|Dog collar}}*[[ドッグウェア]]*[[ドッグショー]]; 病気・医療*[[ジステンパー]]*[[犬糸状虫症|犬フィラリア]]*[[くる病]]*犬の[[白内障]]*[[狂犬病]]; 学問*[[キュニコス派|犬儒派]]*[[犬学]]; 信仰*[[狛犬]]*[[犬神]]*[[犬神人]](いぬじにん); 派生語*[[犬吠埼]]*[[犬かき]]*[[おおいぬ座]]、[[こいぬ座]]、[[りょうけん座]]*[[ペーパーわんこ]](ペーパークラフト)*[[犬走り]]*[[犬矢来]]*[[Wikt:忠犬|忠犬]]*[[名犬]]*[[ドッグファイト]]; 食文化* [[犬肉]]*[[補身湯]]*[[犬焼酎]]*[[牡丹市場]]; その他*[[犬部]](漢字の部首)*[[戌]]([[十二支]])
{{DEFAULTSORT:いぬ}}
[[Category:犬|*]]
[[Category:中国神話]]