デルポイはアポローンの神託所で、ギリシア世界では最大の権威を持つ聖地であるが、少なくともミケーネ文明以前の時代から開けており、元は他の別神格の信仰中心地であったと考えられる。神話によれば、もともと[[ガイア]]の聖地だったものを、番人の大蛇[[ピュートーン]]を'''射殺して'''奪ったものだという。神託は巫女・[[ピューティアー]]により詩の形で与えられた。ギリシア人たちは、主に植民市建設の助言を貰い受けるためにデルポイを訪れ、デルポイは捧げ物によって繁栄を謳歌した。戦勝記念にもギリシア各地から贈り物が届けられ、マラトンの戦いの際にはアテナイから神殿が寄贈され、ガウガメラの戦いの勝利後には東方遠征中のアレクサンドロス大王から敵兵の武具が寄贈された。
このほか、生誕地とされる[[デロス島|デーロス島]]、[[ミレトス|ミーレートス]]市近郊のディデュマもアポローンの聖地とされる。このほか、生誕地とされるデーロス島、ミーレートス市近郊のディデュマもアポローンの聖地とされる。
=== ピューティア大祭 ===
アポローンを讃える祭事はギリシアで広く行われていた。特に有名なのはデルポイを開催地として行われていた[[ピューティア大祭]]であり、4年に1度、[[古代オリンピック]]の開催年と被らないように開かれた。音楽演奏の競技が最初に行われていたが、やがて[[キタラー]]の伴奏付きの歌唱や、[[フルート]]の演奏、フルートの伴奏による歌唱などが加わった。更に、[[演劇]]の上演コンクールや、詩や散文作品の朗読競技が行われ、紀元前582年以降では、オリュンピア大祭に倣って、各種の運動競技も加わり、また戦車([[チャリオット]])による競争も加わるようになった。であり、4年に1度、古代オリンピックの開催年と被らないように開かれた。音楽演奏の競技が最初に行われていたが、やがてキタラーの伴奏付きの歌唱や、フルートの演奏、フルートの伴奏による歌唱などが加わった。更に、演劇の上演コンクールや、詩や散文作品の朗読競技が行われ、紀元前582年以降では、オリュンピア大祭に倣って、各種の運動競技も加わり、また戦車(チャリオット)による競争も加わるようになった。
これらの数々の競技には、全ギリシアから参加者やその見物人が集まり、古代ギリシアの国際親善の場とも機会ともなった。各種競技の優勝者には、アポローンの聖樹であるダプネーつまり[[月桂樹]]の葉で飾られた冠が贈られ、これを「[[月桂冠]]」と称した。