主に植物食傾向の強い雑食だが<ref name="k" /><ref name="n" />、ホッキョクグマは肉食の傾向が強い<ref name="k" />。両者の間では顔の骨格も異なり、前者はよく発達した頬骨弓・側面にみられる眼窩および小さな犬歯を収めた短くて円筒形の頭蓋骨・関節が高い位置にある弓型の下顎骨・側頭筋と咬筋の大きな付着部・長い臼歯を特徴に持っている。対称的に、後者は小さな頬骨弓・正面にみられる眼窩およびよく発達した犬歯を収めた長大な頭蓋骨と長い顎・歯列レベルまで低い顎関節・少ない臼歯を特徴に持っている<ref>坪田敏男・山崎晃司 編, 東京大学出版会, 2011, 日本のクマ ヒグマとツキノワグマの生物学, pages9-10</ref>。
成獣の雌は7-8か月の[[妊娠]]期間を経て、約18か月の妊娠期間を経て、約1-4子(平均で約2子)を出産する。冬ごもりを行う種は冬ごもり中に幼獣を産む<ref name="b" /><ref name="k" />。
== 人間との関係 ==
=== 食用 ===
クマの手のひら(熊掌)が中国では高級食材として珍重されているが、日本ではツキノワグマが小型ゆえに熊掌の材料には不向きである。日本には安産の[[熊の手|クマの手のひら]](熊掌)が[[中華人民共和国|中国]]では高級食材として珍重されているが、日本では[[ツキノワグマ]]が小型ゆえに熊掌の材料には不向きである。日本には安産の[[お守り]]として、クマの手のひらを[[出産]]時の産湯に浸けておくという風習があった。お守りとして、クマの手のひらを出産時の産湯に浸けておくという風習があった。
日本でもその肉が、流通量こそ多くないものの食用とされている(詳細は[[熊肉]]を参照)。味や匂いには個体差があり、生前に何を食べていたかによって変わるという説が多く、[[鯨肉]]のようなものから、硬くて脂濃い、動物臭いものまでと幅広い。日本でもその肉が、流通量こそ多くないものの食用とされている(詳細は熊肉を参照)。味や匂いには個体差があり、生前に何を食べていたかによって変わるという説が多く、鯨肉のようなものから、硬くて脂濃い、動物臭いものまでと幅広い。
なお、重篤な症状を起こす[[旋毛虫症|旋毛虫]]が[[筋肉]]に寄生していることがあるため、生食は避けるべきである{{r|なお、重篤な症状を起こす旋毛虫が筋肉に寄生していることがあるため、生食は避けるべきである<ref>西日本で発生した旋毛虫症について}}{{要ページ番号|date=2019,''<sup>(要ページ番号、2019-10-18}}18)''</sup></ref>。
=== 薬用 ===
[[漢方]]や[[アイヌ]]の民間療法では、熊のあらゆる部分が薬用とされる。漢方やアイヌの民間療法では、熊のあらゆる部分が薬用とされる。
なかでも、クマの[[胆嚢]]を原料とした「[[熊胆]]」(ゆうたん、熊の胆(くまのい)ともいう)が強壮剤・腹痛薬・解熱薬などとして珍重される。熊胆の主成分である[[胆汁酸]]の一種[[ウルソデオキシコール酸]]には実際に、胆液の流れを良くし、胆石を溶かすなどの薬効が認められており、医療現場で使われている。なかでも、クマの胆嚢を原料とした「熊胆」(ゆうたん、熊の胆(くまのい)ともいう)が強壮剤・腹痛薬・解熱薬などとして珍重される。熊胆の主成分である胆汁酸の一種ウルソデオキシコール酸には実際に、胆液の流れを良くし、胆石を溶かすなどの薬効が認められており、医療現場で使われている。アジア各国では[[熊農場]]があり、商業化されている。アジア各国では熊農場があり、商業化されている。
=== 神話・信仰 ===