== 宗教・精神生活 ==
ナナイ族は、'''クマ'''や'''トラ'''に対し、これを人びとの保護者として尊敬を捧げてきた<ref name="koto1" /><ref name="koto2" /><ref name="94katoh170">加藤(1994)pp.170-175</ref>。彼らは太陽、月、山、水、木精霊(セオン)を崇拝し、また、火などの無生物にも精霊が宿るという宗教観をもっていた。その信仰はシャーマニズム(巫俗)で、シャーマンは神に祈りを捧げることで、悪霊(ブセウ)を追い出す力を持っていると考えていた<ref name="ogihara120">荻原(1989)pp.120-121</ref><ref group="注釈">「シャーマン」の語は、本来ツングース語起源とみられる。それが、17世紀にロシアに入ってロシア語を経てヨーロッパ諸国の学術用語になったと考えられる</ref><ref name="94katoh170" />。<ref name="94katoh170" />。
=== シャーマン ===