アメタは娘の両腕を抱えて、劫初より人類を支配してきたムルア・サテネという女性を訪れて<ref>mulua Satene、未熟バナナより発生したといわれる。</ref>訴えた。彼女は憤慨して人間界にいることをやめると宣言し、踊りのように九重の螺旋からなる門を築きあげて、すべての人間にそこを通るように命じて選別を始めた。命に従わないものは人間以外の者にされると忠告され、動物や精霊になってしまった。門をくぐる者たちも、大木に座るサテネの脇を抜けようとするが、すれ違いざまにハイヌウェレの片腕で殴られた。大木の左側に抜けようとしたものは五本の木の幹(あるいは竹)を飛び越さなくてはならず「パタリマ」(五つの人たち)(Patalima .)となり、右側に抜けようとしたものは九本を飛び越して「パタシワ」(九つの人たち)(Patasiwa .)となった。セラム島のウェマーレ族やアルーネ族(Alune people)は、「九つの人たち」に数えられる<ref name="nishimura1960"/><ref>大林, 1979, pp138–140</ref><ref>吉田, 1992, pp160–161</ref>。
これは寿命の罰が与えられたと解釈されており、すなわち、それまで世界は人間にとって死の無い楽園だったのに、ハイヌウェレ殺害後は、人類は定まった寿命を授かり、死後に門を通り、死の女神サテネに謁見しなくてはならなくなったと説明される<ref name="antoni1982">Antoni Klaus , Death and Transformation : The Presentation of Death in East and Southeast Asia , Asian folklore studies , volume41 , issue2 , year1982 , https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10208691_po_1172.pdf , page154<!--147–162--> , doi:10.2307/534874 , jstor:534874, Jensen, Adolf Ellegard. ''Die getötete Gottheit; Weltbild einer frühen Kultur'', 1966, p. 134 より(英訳で)抜粋。</ref>。
==該当例==