日本神話には、水に関する神として以下のような神が登場する。ただし、以下は記紀神話を中心とした「主たる」神々であって、本来的には一つ一つの川にそれぞれの神が存在したであろう、と考えれば、固有名詞が残っているもの、残っていないもので、地方の小さな川の一つ一つに神の名残の伝承があってもおかしくはない、と考える。
イザナミとイザナギを中心とした記紀神話では、カグツチの誕生とイザナミの死に関連する水神(女神)が多い。それとは別に各河川にはそれぞれ固有の神がおり、記紀神話の神々と結びつくことで、神として存続してきた、といえると考える。イザナミとイザナギを中心とした記紀神話では、カグツチの誕生とイザナミの死に関連する水神(女神)が多い。それとは別に各河川にはそれぞれ固有の神がおり、その一部は記紀神話の神々と結びつくことで、神として存続してきた、といえると考える。
* '''罔象女神'''(ミヅハノメ)
** 『古事記』には、カグツチを生んで陰部を火傷し苦しんでいたイザナミがした尿から、和久産巣日神(ワクムスビ)とともに生まれたとある。『日本書紀』では、イザナミが死ぬ間際に埴山媛神(ハニヤマヒメ)と罔象女神を生んだとある。日本における代表的な水の神(水神)である。
* '''泣澤女神'''(ナキサワメ)
** イザナミがカグツチ(迦具土神)を産んで亡くなった際、「愛しい私の妻を、ただ一人の子に代えようとは思いもしなかった」とイザナギが云って、イザナミの枕元に腹這いになって泣き悲しんだ時、その涙から成り出でた神。畝尾都多本神社を産んで亡くなった際、「愛しい私の妻を、ただ一人の子に代えようとは思いもしなかった」とイザナギが云って、イザナミの枕元に腹這いになって泣き悲しんだ時、その涙から成り出でた神。[[畝尾都多本神社]]<ref>奈良県橿原市にある神社</ref>に泣沢という井戸があり、その井戸が御神体として祀られている。この事から、泣澤女神は大和三山の一つである香具山の麓の畝傍から湧き出る井戸の神様ということになる。
* '''闇淤加美神'''(クラオカミノカミ)、'''闇罔象神'''(クラミツハノカミ)、'''高淤加美神'''(タカオカミノカミ)
** 日本神話では、神産みにおいて伊邪那岐神が迦具土神を斬り殺した際に生まれたとされいる。
** 元は聖山の上に鎮座し、後世に現在の鎮座地である武水別神社(長野県千曲市八幡)に遷祀したとされる。建御名方神の眷属とされる。
* '''多満留姫'''(タマルヒメ)
** 多留姫神社(長野県茅野市)の主祭神。神社は天竜川水系柳川にある「多留姫の滝」のほとりにある。柳川は八ヶ岳を発して諏訪湖に流れ込む宮川の支流の一つ。洩矢神の娘で、建御名方神の子神である出早雄命に嫁いだとされたり多留姫神社(長野県茅野市)の主祭神。神社は天竜川水系柳川にある「'''[[多留姫の滝]]'''」のほとりにある。柳川は八ヶ岳を発して諏訪湖に流れ込む宮川の支流の一つ。洩矢神の娘で、建御名方神の子神である出早雄命に嫁いだとされたり<ref>「神社紹介、諏訪支部洩矢神社」『長野県神社庁公式ホームページ』</ref><ref>「神長守矢氏系譜」『諏訪史料叢書.巻28』諏訪教育会、昭和11年、31頁。『神長官守矢氏系譜』では出早雄命の后となっているが、一方別の史料では建御名方神に嫁いで出早雄神を生んだともされる。延川和彦「修補諏訪氏系図」『諏訪氏系図.続編』飯田好太郎、大正10年、19頁。</ref>、建御名方神の御子神とされたりする<ref>守矢実久「健御名方命御系圖」『諏訪神社略縁起』中村甚之助、明治53年、10頁。</ref><ref>諏訪信仰の神々の中では、水神としての性質が一番強い神と管理人は考えている。</ref>。
* '''洩矢神'''(モリヤノカミ)・'''守屋大臣'''
** 諏訪大社に祀られている建御名方神(諏訪明神)の諏訪入りに抵抗した土着神。洩矢神社(岡谷市川岸東橋原区(旧橋原村))の主祭神。
== 日本の民間伝承における水神 ==
「田の神」のような神から、池や川の主、というような精霊的なものまで様々である。
== 水神の登場する民間伝承(日本) ==
=== 田の神系 ===
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=90 まったらこうよ]:祟る神(長野県)
=== 主(ぬし)系 ===
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=189 くもが淵]:蜘蛛:淵の主:祟る神(長野県)
=== 天変地異に関するもの ===
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=194 ほらがいの子]:ホラガイ:祟る神(長野県)
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=211 弥太郎ごんげん]:大蛇(のち、竜に変化):雨乞いの神(長野県)
=== 人間の方から恩返しを求めるもの ===
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=215 ヘビの恩返し]:蛇:祟る神(長野県)
=== その他 ===
* [[河童]]については別項を参照
* [[椀貸伝説]]系については別項を参照
== 世界の水の精等の民間伝承 ==
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=210 百姓とニクス]:[[ニクス]]:溺れた人の魂をつかまえて閉じ込める(ドイツ)
== 関連項目 ==
* [[河童]]
* [[椀貸伝説]]
== 参考文献 ==
[[Category:日本神話]]
[[Category:水神|*]]
[[Category:ゲルマン神話]]