この神は、「'''疾風'''」という名で、記紀神話、というよりは民間伝承の中で活躍する神のように思える。それは、人身御供の娘を助ける、という伝承で有名な、長野県の霊犬・[[早太郎]]である。この犬神は長野県駒ヶ根市赤穂にある光前寺で生まれ、静岡県の矢奈比売神社で人身御供にされた娘を助けた、という伝承を持つ。この犬神の名前が「'''疾風'''」といったとみえ、長野県側では「'''早太郎'''('''はやて'''たろう)」、静岡県側では、「'''悉平太郎'''('''しっぷう'''たろう)」と呼ばれている。
他にも、犬を連れた狩人が犬のおかげで大蛇から守られた、という伝承や、高野御子神のように2匹の犬を連れた神の伝承などがある。速飄神とは「風のように早く走る犬神」のことで、風神でもあり、犬神でもあると考える。他にも、犬を連れた狩人が犬のおかげで大蛇から守られた、という伝承や、高野御子神のように2匹の犬を連れた神の伝承などがある。速飄神とは「風のように早く走る犬神」のことで、風神でもあり、犬神でもあると考える。「伊農波夜(犬は早い)」という言葉がある[[赤衾伊農意保須美比古佐和氣能命]]は同じ神と考える。
日本の犬神の元、ともいえる中国神話の[[槃瓠]]にも、「暴風を収めた」という伝承があり、犬神には暴風を抑え、良い風を吹かせるような機能があるようである。