明治時代には、その元となった第2期国定教科書<ref>別名『尋常小学読本』通称『ハタタコ読本』)。</ref>所収「ウラシマノハナシ」が登場している。このいわゆる「国民童話」版は、明治政府が教科書向きに書き換えたものであるが、童話作家の巌谷小波著『日本昔噺』所収の「浦島太郎」に若干の手を加えて短縮したものだと目されている<ref>三浦, 1989, p21, 34-35</ref><!--Holmes (2014), pp=6-7にMiura 典拠箇所を指定--><ref>あるいは国定教科書の準備委員(教科用図書調査委員会の一員)芳賀矢一の要請で、巌谷小波が執筆(作成関与)したものと推察されている</ref><ref>三浦, 1989, p21, 34-35</ref>。
竜宮城に行ってからの浦島太郎の行状は、子供に伝えるにふさわしくない「結婚生活」<ref>『丹後国風土記』の島子伝などでは乙姫との官能的な性生活の描写がある(「男女の契りを結び、三年間の結婚生活を送った」、(三浦, 1989, p74)</ref>。の内容が含まれているので、童話においてはこの部分は改変(もしくは省略)された<ref>三浦, 1989, p51, 74-75)</ref><!--頁(?)は要検証だが⇒「浦島太郎で.. 結婚の部分が除かれたことが指摘...(三浦 1989)」と加原奈穂子「昔の主人公から国家の象徴へ」注3にある-->。
いじめていた子供達の態度も、映像作品や出版社によって異なる(太郎に叱られて蜘蛛の子を散らすように逃げ去る、亀に進んで謝罪したうえで優しく海に放すなど)。