「黄帝が天(円)、炎帝が地(方)」
と作り替えることに反対した人達もいた。 と作り替えることに反対した人達もいた。彼らは彼らで、
「姫補佐官と饕餮補佐官が協力して悪い火雷神と天で戦う。」
という話を作って持っていたのだ。姫補佐官と饕餮補佐官が、「喧嘩はしたけど、仲は良かった」という設定にはしたかったけれども、どちらかを「地(目下)の神」とするような優劣をつけたくなかったのだ。それでは不平等だ。だから、彼らは姫補佐官のトーテムが蛙であることにちなんで
'''蛙饕餮'''
という合成神を作り出した。そうして二人が「'''天の蛙饕餮神'''」としたのだ。そこまで極端にしなくても'''「2神」が日月を支えて天に並び立つ'''と考える人たちもいた。ちなみに蛙のことを中国では「蛙黽(あぼう)」というので、蛙饕餮のことを人々は「アペ父さん」と呼んでいた。こうして黄帝も炎帝も採用せず、「アペ父さん」を祀っていた人々は石家河文化へと移り、
「黄帝が天(円)、炎帝が地(方)」と考えた屈家嶺文化
から分かれていったのではないだろうか。「'''天の蛙饕餮神'''」は仰韶文化、縄文八ヶ岳の人々に信仰されたと思われ、彼らの土器に'''蛙人紋'''として残されていると思われる。
=== 12 ===
女神たちの変遷を追えば、
12.王家と民のために人身御供になった、とされた姜女王と姫補佐官を子供の女かと伏羲に置き換えたら困ったことになった。生け贄に捧げられたのが子供なら「王家の先祖」にできなくなってしまう。それで困って、「'''河と雷神が洪水を起こしたけれども、伏羲と女かだけは生き残った。彼らが王室と人類の先祖である。'''」と言うようになった。姫補佐官は偉大な先祖だから「黄帝は水雷神だから天に昇った」とか適当に神秘的な表現をつけて神格化することにした。適当に伝承を作るので、新しい話は完全に国中に広まらず、一部では「生け贄にされた姜女王も'''水神(竜神)'''になった。」と言われるようになった。そして、言ってることが適当にころころと変わる王室について行けなくなった人々は、饕餮補佐官をモデルにした炎帝とご都合主義で変形させられた姫補佐官神を信仰するのではなく、饕餮補佐官の弟の'''蚩尤将軍'''を新たな「自分たちの神」として採用して姜氏族から別れて行った。王室の方はこれを根に持って、「いつか痛い思いをさせてやろう」と考えたかもしれない。