中国の古典学者・聞一多も、雲南省を中心に民間伝承における伏羲の伝説を採集している。伏羲・女媧の父が雷公をとじこめていたが、子供たちがそれを解放してしまう。父は雷公と戦ったが、雷公が洪水を起こしたため、兄妹を残して人類が滅亡してしまう。兄妹は雷公を助けた時にもらった種を植えており、そこから生えた巨大な[[ヒョウタン]]の中に避難して助かったのであり、結婚して人類を伝えたとある。聞一多は、伏羲が時に'''庖羲'''とも書かれる点に注目し、その音から、伏羲とはこの伝説の中に舟として登場する'''ヒョウタン'''を指しており、そのことから「木徳」の王であるという要素も導き出されたのではないかと推論仮説している<ref name="聞">聞一多、〈訳註〉中島みどり『中国神話』 平凡社〈東洋文庫〉1989年 87-97頁</ref><ref>袁珂 著、鈴木博 訳『中国の神話伝説』上、青土社、1993年 130-136頁</ref>。
伏羲と女媧は天梯を昇り下りすることができた、とされており、境界神の性質も持っていた。
=== ミャオ族の洪水神話 ===
日本では[[ヒョウタン]]から作った柄杓を神事に用いる、ということが一部であるようである。朝鮮では[[ヒョウタン]]で作った器が好まれるし、中国では[[ヒョウタン]]は縁起物であるとのこと。総じて考えると、[[ヒョウタン]]から作り出した器には、何か持ち主に漠然とした幸運を与える、というような思想があったと思われる。
また、柄杓に対する信仰は、北斗七星信仰と関連しており、伏羲を北斗七星とみなしていた可能性があると思う。柄杓に対する信仰は、北斗七星信仰と関連しており、伏羲を北斗七星とみなしていた可能性があると思う。 また、[[ヒョウタン]]は酒を入れる器でもあるので、伏羲と[[女媧]]には酒神としての性質もあったのではないだろうか。
== 祭祀 ==