差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
3 バイト追加 、 2024年10月20日 (日)
苗族の伝承では、日月乙女も7人登場する。ということは、'''日月女神は北斗の七女神も兼ねている'''のであり、苗族の「ヤマイヌと七人の娘たち」は父系の男神北斗信仰を持つ人々が、母系の女神北斗信仰を持つ人々を略奪し、支配を試みたという歴史を投影しているものなのだ、と推察できないだろうか。何故、日月女神が北斗女神も兼ねるのかといえば、そのヒントは中国神話の方に見いだせるように思う。中国神話の太陽の母女神である羲和は、太陽が乗る車の御者(日御)である、ともされている。羲和は本来太陽女神だったと考えられているので、彼女が太陽を乗せる車輪の管理者ではなく太陽車輪そのものであり、かつ彼女は「'''天の車輪'''」そのものであったとすれば、昼の車輪が太陽であり、夜の車輪は北斗七星であり、昼夜共に見ることができるのが月の車輪とされていたのではないだろうか。そうすることで、人々は24時間、いつでも「天の母神」に見守られていたのである。ウェールズ神話では、月の女神が「銀の車輪」と考えられていた。
また女神の車輪は「車の車輪」のことだけでなく、「'''糸繰り器の輪'''」のことでもあったと思われる。苗族の乙女達は狼藉者に襲われても糸繰りを続ける。そうして、星々と太陽と月がいつものように正しい糸繰りの輪を紡ぎ続けなれば、人々の生活が成り立たなくなるからである。乙女達は太陽女神でも月女神でも北斗女神でもある「'''天の糸繰り女神天輪の糸繰り女神'''」だったのだろう。襲い来るヤマイヌ達は、まさに天の運行を乱す悪魔だったといえる。
== 参考文献 ==

案内メニュー