=== パリスの審判 ===
ゼウスがギリシャ沖の海で出会った海の妖精テティスの息子は、父親より偉大になるという予言があった<ref>Scholiast on Homer’s ''Iliad''; Hyginus, ''Fabulae'' 54; Ovid, ''Metamorphoses'' 11.217.</ref>。そのためか<ref>Apollodorus, [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Apollod.+1.1.1&redirect=true 3.168].</ref>、テティスはゼウスの命令で<ref>Pindar, ''Nemean'' 5 ep2; Pindar, ''Isthmian'' 8 str3–str5.</ref>、あるいは自分を育ててくれたヘラを喜ばせるために、人間の老いた王、アイアコスの子ペレウスと婚約することになった<ref>Hesiod, ''Catalogue of Women'' fr. 57; ''Cypria'' fr. 4.</ref>。ペレウスとテティス(アキレスの両親)の結婚には、すべての神々や女神、そしてさまざまな人間が招かれ、多くの贈り物を携えてきた<ref>Photius, ''Myrobiblion'' 190.</ref>。。不和の女神エリスだけは招待されず、ゼウスの命令でヘルメースに門前払いされた。