19世紀後半になると、パーンは文学や芸術の世界でますますよく知られるようになった。パトリシア・メリヴェールは、1890年から1926年にかけて、「パーンというモチーフへの関心が驚くほど復活した。」と述べている<ref>Merivale, Patricia. ''Pan the Goat-God: his Myth in Modern Times'', Harvard University Press, 1969, p.vii.</ref>。詩や小説、児童書にも登場し、ピーターパンという人物の名前にも言及されている<ref>Lurie, Alison, Afterword in ''Peter Pan'', Signet, 2003, page198, isbn:9780451520883, https://books.google.com/books?id=6m9UTvQq7ZsC&pg=PA198</ref>。ピーターパンの物語では、ピーターは、文化や教育が浸透する前の幼い子どもの心や、人間の影響を受けない自然界における、文明以前の黄金時代を象徴している。ピーター・パンのキャラクターは魅力的であると同時に利己的であり、人間の本能が自然で良いものか、それとも未開で悪いものなのか、我々の文化的な混乱を強調するものである。J.M.バリーはピーターを「動物と人間の中間」と表現し、ピーターパンの物語の中で、人間と動物の心理に関する多くの問題をこの手法で探求している<ref>Peter Pan and the Mind of J M Barrie, Ridley, Rosalind, Cambridge Scholars Publishing, 2016, isbn:978-1-4438-9107-3</ref>。
アーサー・メイヘンの1894年の小説『偉大なる神パーン』は、全世界がありのままに明らかになるという比喩で、「大神パーンを見て」と、この神の名を用いている。