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アメノウズメは[[天児屋命]](あめのこやね)、[[布刀玉命]](ふとだま)、[[玉祖命]](たまのおや)、[[伊斯許理度売命]](いしこりどめ)と共に五伴緒の一柱として[[邇邇芸命]]に随伴して天降りした。'''天宇受賣命は[[猿田毘古神]]の名を明かした'''ことからその名を負って仕えることになり、[[猿女君]]の祖神となった。一説には[[猿田毘古神]]の妻となったとされる。
アメノウズメは猿田毘古神を送って[[日向国]](または[[志摩国]])に帰った後、大小の魚を集めて天孫(邇邇芸命)に仕えるかどうか尋ねた。みな「仕える」と答えた中でアメノウズメは猿田毘古神を送って日向国(または志摩国)に帰った後、大小の魚を集めて天孫(邇邇芸命)に仕えるかどうか尋ねた。みな「仕える」と答えた中で[[ナマコ]]だけが何も答えなかったので、アメノウズメはその口を小刀で裂いてしまった。それでナマコの口は裂けている。アメノウズメの功績により、代々の天皇は志摩国から新鮮な海産物が献上される時は、猿女君に与える。
== 解説 ==
[[白川静]]の『字訓』によれば、「神と笑ひゑらぐ」巫女の神格化である。「神々を和ませ 神の手較ぶ(真似する)」神事の零落したものが、現在の芸能であり、[[折口信夫]]によれば、滑稽な技芸である白川静の『字訓』によれば、「神と笑ひゑらぐ」巫女の神格化である。「神々を和ませ 神の手較ぶ(真似する)」神事の零落したものが、現在の芸能であり、折口信夫によれば、滑稽な技芸である[[猿楽]](さるがく [[能楽|能]]や[[狂言]]の祖)は、猿女のヲコのわざと一脈通じるという(上世日本の文学 能や狂言の祖)は、猿女のヲコのわざと一脈通じるという(上世日本の文学 天鈿女命)。
『巫女考』で、芝居の狂人が持つ竹の枝を「ウズメの持つ」笹葉が落ちたものとする[[柳田國男]]の説を享けた折口信夫は、『巫女考』で、芝居の狂人が持つ竹の枝を「ウズメの持つ」笹葉が落ちたものとする柳田國男の説を享けた折口信夫は、[[手草]]<ref>タクサ(多久佐)、タグサ; cf. {{lang-ain|''takusa, [[タクサ]]''}}</ref>を「神である」物忌みを表す標とし、「マナを招く」採り物とは別であるとした。
[[谷川健一]]が、笑いと狂気という、「人間の原始的情念」の一環が噴出したものとしてあげた(『狂笑の論理』)、天の岩戸の前における「巧みに俳優をなす」彼女の行為は、神への祭礼、特に古代のシャーマン([[巫]])が行ったとされる神託の祭事にその原形を見ることができる。いわばアメノウズメの逸話は古代の巫女たちが神と共に「笑ひゑらぐ」姿を今に伝えるものである。折口信夫の『上世日本の文学』によれば、カミアソビは「たまふり」の儀礼であり、岩戸で行なったウズメの所作は「[[マナ]](外来魂)を集め、神に附ける」古代の行為である。谷川健一が、笑いと狂気という、「人間の原始的情念」の一環が噴出したものとしてあげた(『狂笑の論理』)、天の岩戸の前における「巧みに俳優をなす」彼女の行為は、神への祭礼、特に古代のシャーマン(巫)が行ったとされる神託の祭事にその原形を見ることができる。いわばアメノウズメの逸話は古代の巫女たちが神と共に「笑ひゑらぐ」姿を今に伝えるものである。折口信夫の『上世日本の文学』によれば、カミアソビは「たまふり」の儀礼であり、岩戸で行なったウズメの所作は「マナ(外来魂)を集め、神に附ける」古代の行為である。
なお、折口は『上世日本の文学』で、死者の魂を呼ぶ儀礼が遊びであるため、「岩屋戸の神楽は、天照大神が亡くなったため興った」という説は再考すべきだと言っているが、少なくとも『[[延喜式]]』には、宮廷で行われた古代の[[鎮魂祭]]において、巫女たちが「槽ふし」激しい踊りを大王家の祖神へ奉納する儀礼に猿女も参加したことが記されている。なお、折口は『上世日本の文学』で、死者の魂を呼ぶ儀礼が遊びであるため、「岩屋戸の神楽は、天照大神が亡くなったため興った」という説は再考すべきだと言っているが、少なくとも7''『延喜式』には、宮廷で行われた古代の鎮魂祭において、巫女たちが「槽ふし」激しい踊りを大王家の祖神へ奉納する儀礼に猿女も参加した'''ことが記されている。
「ヨーロッパの神話伝承やフォークロアに詳しい中世フランス文学の専門家」フィリップ・ヴァルテールは、「[[ケルト]]世界のかなり古い神話的存在」で、「慣例で「ヨーロッパの神話伝承やフォークロアに詳しい中世フランス文学の専門家」フィリップ・ヴァルテールは、「ケルト世界のかなり古い神話的存在」で、「慣例で[[シーラ・ナ・ギグ]]と呼ばれて」いる存在は、「これについての文字資料は皆無であるが、創造と破壊の女神として紹介されることが多い」が、「アメノウズメと同じような猥褻な動作をしている」と指摘していると呼ばれて」いる存在は、「これについての文字資料は皆無であるが、'''創造と破壊の女神'''として紹介されることが多い」が、「アメノウズメと同じような猥褻な動作をしている」と指摘している<ref>フィリップ・ヴァルテール『ユーラシアの女性神話-ユーラシア神話試論Ⅱ』([[渡邉浩司]]・渡邉裕美子訳)[[中央大学]]出版部2021年 ISBN ユーラシア神話試論Ⅱ』(渡邉浩司・渡邉裕美子訳)中央大学出版部2021年 ISBN 978-4-8057-5183-1、202頁。</ref>。
== 信仰 ==
猿女君・稗田氏の祖とされ、稗田氏の氏神である[[賣太神社]]では、芸能の始祖神、福の神、おたふく、猿女君・稗田氏の祖とされ、稗田氏の氏神である賣太神社では、芸能の始祖神、福の神、おたふく、[[おかめ]]、等と称すると伝わる。千代神社([[滋賀県]][[彦根市]])、[[車折神社|芸能神社]]([[京都市]][[右京区]])、[[椿大神社]]([[三重県]][[鈴鹿市]])、[[鈿女神社]]([[長野県]][[北安曇郡]][[松川村]])などで祀られている。、等と称すると伝わる。千代神社(滋賀県彦根市)、芸能神社(京都市右京区)、椿大神社(三重県鈴鹿市)、鈿女神社(長野県北安曇郡松川村)などで祀られている。
鈿女神社は地元で「おかめ様」として崇められており、最寄駅の[[大糸線]][[北細野駅]]は[[信濃鉄道]]の駅として開業した際「おかめ前駅」と呼ばれていた。国営化に当たって改称。鈿女神社は地元で「おかめ様」として崇められており、最寄駅の大糸線北細野駅は信濃鉄道の駅として開業した際「おかめ前駅」と呼ばれていた。国営化に当たって改称。
天孫降臨の地、高千穂より天の岩戸が飛来したと伝えられる長野県の戸隠神社には天の岩戸開神話に功績のあった神々(天手力雄命・天八意思兼命)が祀られており、そのうちの一社、火之御子社には天鈿女命が祀られている。また、岩戸開神話に基づいた神楽が古来より受け継がれている。天孫降臨の地、高千穂より天の岩戸が飛来したと伝えられる長野県の戸隠神社には天の岩戸開神話に功績のあった神々(天手力雄命・天八意思兼命)が祀られており、そのうちの一社、'''火之御子社'''には天鈿女命が祀られている。また、岩戸開神話に基づいた神楽が古来より受け継がれている。
[[宮崎県]]西臼杵郡の[[高千穂町]]には、アメノウズメがサルタヒコと結婚した場、荒立宮の後と伝わる[[荒立神社]]がある。宮崎県西臼杵郡の高千穂町には、アメノウズメがサルタヒコと結婚した場、荒立宮の後と伝わる荒立神社がある。
== アメノウズメを祭神とする神社 ==
* [[佐倍乃神社]](宮城県名取市)佐倍乃神社(宮城県名取市)
* 御園神社(東京都大田区西蒲田)
* 太田神社 - [[北野神社 (文京区) |牛天神北野神社]](東京都文京区春日)の境内社。
* [[日本の神の一覧]]
* [[五十鈴 (神器)]]
* [[イアンベー]]:ギリシア神話の天宇受賣命的女神
 
== 私的注釈 ==
<references group="私注"/>
== 参照 ==

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