「グンデルストルップの大釜」そのものは、「どこかの神」を特定して意匠が施されている、というよりは、大釜が作成された当時、ヨーロッパ(中欧)で御利益がある、と考えられていた神々が出自はあまり問わず描かれたのではないだろうか、と管理人は考える。ローマ人はガリアの神々をローマの神の名を当てて「マールス」とか「メルクリウス」と呼んでいたし、ガリアの人々もローマの神と地元の神の名を組み合わせて碑文に書いていたりして、西欧式のシンクレティズム(習合)が進んでいたものと思われる。
象はインド神話で雲を作り出す動物と考えられていた。象はインドラの乗り物である。ヒッタイトでは太陽神の飼っている羊や羊毛が雲と関連すると考えられていた(参照:[[カムルセパ]])。[[ホレのおばさん]]では鳥の羽毛が雪となる。これらの神話から「グンデルストルップの大釜」の作者は「動植物を育成させる雲の女神(天候神)」の随神として象を取り入れたのではないだろうか。作者がケルトであっても、トラキアであっても、作者自身の地元の思想というよりは「凝った意匠にして、異国的なエキゾチックさを強調するために」このようにした可能性があるように思う。ただし、「6本のスポークの車輪」は雪の結晶を思わせるので、女神の性質としては雪を降らせる[[エレクラ]](ホレのおばさん)を想定していたのかもしれない、と思う。([[ホレのおばさん]])のような女神を想定していたのかもしれない、と思う。
== 参考文献 ==