古来、中国では日食は「天狗が太陽を食べる」ことで起こると考えられていた。日食が起きると、人々は太鼓や爆竹を叩いて犬を追い払う。
== Wikipediaの天狗(中国) ==
元々天狗という語は中国において凶事を知らせる流星を意味するものだった。大気圏に突入し、地表近くまで落下した火球はしばしば空中で爆発し、大音響を発する。この天体現象を咆哮を上げて天を駆け降りる犬の姿に見立てている。中国の『史記』をはじめ『漢書』『晋書』には天狗の記事が載せられている。天狗は天から地上へと災禍をもたらす'''凶星'''として恐れられた
明朝の頃から、天狗が日食や月食を起こすという、「天狗食日食月信仰」が登場する。以下のような内容である。
<blockquote>昔々、太陽神と月神が、人間の起死回生の薬を盗んだ。<br>
人々は犬に月と太陽を追いかけさせた。<br>
しかし、月神と太陽神はすでに薬を飲んでいたので、犬が月と太陽を噛んでも噛んでも、月と太陽は死なない。<br>
それでもこの犬は諦めない。常に月と太陽を食う。<br>
それで、日食、月食が起こるのである。(『紅河イ族辞典』より)</blockquote>
ここでいう天狗とは、文字通り「天の狗(=犬)」のことである。この神話は現在、中国全土に広まっている。
=== 羿神話 ===