イシェドの木
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新王国以降の神殿浮彫には、王に長い治世を授ける儀礼として,古代 エ ジプト語 で「イシェ ド」と呼ばれる樹 木の傍らに王が ひざまずき,神々がその王の名を、イシェドの葉や果実に記す場面がみられる。この儀礼の中心地 は太陽信仰 の総本山ヘリオポリスであり、イシェドは太陽信仰と結びついた聖樹 だっ た とみ られ る.夜 間に冥界 を旅す る とされた太陽神 (太 陽)は ,そ の夜 の旅 の 間に,太 陽神 を飲 み込 も うと襲 って くる大蛇 アペ ピと戦 わねばな らない とさ れていた。「死者の書」 (17章 )の 挿画 には, この戦 いの表現 として,猫 の姿の太 陽神が イシェ ドの本の 前 で アペ ピを切 り刻 む場面が描 かれ るll 13).こ の イ シェ ドが どの本 を指す か につ いて は諸説が あ るが, ペルセアか,ハ マ ビシ科 のバ ラノス とみ るのが一般 的であ り,想 像上 の樹木である可能性 も否定で きな ぃ。
参考文献
- 古代エジプトの植物と庭園、内田杉彦、明倫短期大学紀要21(1) 8-14 2018