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、 2022年12月11日 (日) 10:44
'''鷲'''(わし)とは、タカ目タカ科に属する鳥のうち、オオワシ、オジロワシ、イヌワシ、ハクトウワシなど、比較的大きめのものを指す通称である。タカ科にて、比較的大きいものをワシ、小さめのものを[[鷹|タカ]](鷹)と呼ぶが、明確な区別はなく、慣習に従って呼び分けているにすぎない。
== 象徴としての鷲 ==
鷲はその姿から鳥の王者とされ、信仰の対象にもなった。ローマ皇帝の紋章は鷲である。のちに東ローマ帝国が[[双頭の鷲]]を紋章とし、ロシア帝国などへ受け継がれたほか、[[12世紀以前からセルビアの国旗には白い双頭の鷲が描かれている。中欧・西欧ではハプスブルク家によって神聖ローマ帝国からオーストリア帝国へ双頭の鷲が受け継がれ、プロイセン王国やドイツ帝国も鷲を紋章とした。ナチス・ドイツもそれにならい、軍服や建築物の随所に鷲の意匠を施した。現在のドイツ・オーストリア両国の国章にも鷲が使われている。また、ナポレオンやイギリス王室、ポーランドなども鷲を紋章に取り入れている。
[[メキシコ]]国旗に描かれているワシは「[[ウィツィロポチトリ]]の予言鷲」と呼ばれる。「蛇をくわえた鷲がサボテンの上にとまっている場所を見つけ、そこを都とせよ」という神託に従い、現在の[[メキシコシティ]]に安住の地を見つけたという[[アステカ族]]の[[神話]]にちなんだものである。
[[アメリカ合衆国]]は[[ハクトウワシ]]を、[[フィリピン]]は[[フィリピンワシ]]を国鳥としている。
鷲の尾羽は[[矢羽根]]として最高のものとされる。[[陸奥国]]の名産として[[朝廷]]や[[伊勢神宮]]の遷宮の折などに鷲の尾羽を献上したという記録が残っている。中央ユーラシアのカザフ人やキルギス人は、イヌワシを鷹狩用に馴致する習慣がある<ref>{{Cite book|和書|title=鷲使いの民族誌-モンゴル西部カザフ騎馬鷹狩文化の民族鳥類学|date=2018年2月|publisher=ナカニシヤ出版|author=相馬 拓也}}</ref>。
== ワシの名を冠した物事 ==
ワシは「鳥の王者」として、力強い印象を与えることから、その名を冠した様々な物事が存在する。
* ドイツやスペインなどでは、視力や観察眼に優れていることを慣用句で「鷲の目」と言う。ドイツ語では Adlerauge、スペイン語では ojo de águila。
* アメリカの[[戦闘機]]である[[F-15 (戦闘機)|F-15]]は「イーグル」の通称で知られている。また、F-15イーグルの[[マルチロール]]戦闘爆撃機版である[[F-15E (航空機)|F-15E]]は「ストライクイーグル」の通称で知られている。
* 人類を初めて[[月]]に運んだ[[アポロ11号]]の月着陸船の名前は「イーグル」である。
* [[ゴルフ]]で、規定打数のパーより2打少なくホールに入れることを「イーグル」と呼ぶ。ちなみに3打少ないとアルバトロス([[アホウドリ]])と呼ぶ。
* 鼻筋が大きく突き出した[[鼻]]をワシの嘴の形から連想して「鷲鼻」と呼ぶ。
* スポーツチームでは[[プロ野球]]の[[東北楽天ゴールデンイーグルス]]、[[アメリカンフットボール]][[NFL]]の[[フィラデルフィア・イーグルス]]などがある。
* [[イーグルス]]はアメリカのロックバンド
* [[大正製薬]]社章。かつて鷲と幸せと言葉を掛けたイメージキャラクター「しあわし君」があった。
* [[石川県]]の県鳥は、[[白山|白山連峰]]に生息する[[イヌワシ]]である。[[石川県警察|同県警]]のマスコットはいぬわし君・いぬわしちゃん。同県[[小松飛行場|小松基地]]・[[第306飛行隊 (航空自衛隊)|306飛行隊]]の部隊マークは、これをデザインしたものである。
* [[アメリカン・モーターズ|AMC]][[AMC・イーグル|イーグル]]は、[[クロスオーバーSUV]]の先駆けとも言える[[自動車]]。また、現時点では最初で最後の[[V型8気筒エンジン]]を搭載したトラディショナルジープである[[ジープ#車種一覧|ジープ]] CJ-7の上級グレード、「ゴールデンイーグル」の[[ボンネット (自動車)|ボンネット]]には大きな金色の鷲が描かれている。どちらも[[絶版車]]。
* [[TOTO (企業)|TOTO]](当時は東洋陶器)は[[1962年]]まで鷲を社章に使用していた。
== 関連項目 ==
{{commons category|Eagles}}
* [[わし座]]
== 参照 ==
{{DEFAULTSORT:わし}}
[[Category:中国神話]]
[[Category:日本神話]]