差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
103 バイト追加 、 2022年9月5日 (月) 12:30
編集の要約なし
==== アイヌの人身御供伝説 ====
[[青木純二]]の「アイヌの伝説」では、神話学者[[高木敏雄]]が早太郎童話論考にて分類した人身御供伝説の形式以外に特異な展開を見せる伝説が書かれている。青木純二の「アイヌの伝説」では、神話学者高木敏雄が早太郎童話論考にて分類した人身御供伝説の形式以外に特異な展開を見せる伝説が書かれている。
(ただし、青木は阿寒の「恋マリモ伝説」等を創作している人物であり、実際にアイヌに伝わる伝説であるかは疑わしい)
即ち、「娘を奪う山の神」、「火の神の使い」、「雪の中に咲く百合の花」、「白神岬の祟」などである<ref> 青木純二「アイヌの伝説」第百書房 大正15年1926年5月14日発行33頁―36頁52頁―56頁80頁―81頁82頁―84頁</ref>。これがその他の人身御供伝説と異なるのは、勇者や僧侶が人身御供となる犠牲人を助ける展開がなく、人身御供の儀式が決行され、しかもその後に後味の悪い結末が用意されている点である。例えば、「火の神の使い」では神の怒りを鎮めるための人身御供が行われたにも関わらず、神の怒りが鎮まらず、村人が全員死んでしまう。それに反して「娘を奪う山の神」は、人身御供の儀式が行われ一応成功に終わるものの、人身御供となった女性の恋人が自殺する。「白神岬の祟」は、ある権力者が恩恵を得たいがために人身御供の儀式を行い、呪いの起因をつくることになる。
== 日本の人身御供の研究 ==
=== 人身御供の分析・分類 ===
[[松村武雄]]や神話学者の[[高木敏雄]]らは、人身御供およびその伝説について、著書の中で分類を試みている。主に、松村武雄や神話学者の高木敏雄らは、人身御供およびその伝説について、著書の中で分類を試みている。主に、'''1.''' どの様な人物を生け贄にするか '''2.''' 何に対して捧げられるか によって分けられる。
=== 誰を生贄にするか ===
==== 隻眼の人身御供 ====
[[近江国]](現在の滋賀県)[[伊香郡]]には、水神に対して美しい娘の生贄を奉ったが、当地では生贄となる娘が片目であったとされる近江国(現在の滋賀県)伊香郡には、水神に対して美しい娘の生贄を奉ったが、当地では生贄となる娘が片目であったとされる<ref>『新編 柳田國男集 第七巻』 [[筑摩書房]] 1978年 p.251 - p.252</ref>。[[柳田國男]]の『[[一つ目小僧]]その他』において、人身御供と[[隻眼]]の関係が説かれている。。柳田國男の『一つ目小僧その他』において、人身御供と隻眼の関係が説かれている。柳田國男の「日本の伝説」<ref>柳田國男「日本の伝説」三国書房 昭和15年1940年12月20日95頁-96頁</ref>では、神が二つ目を持った者より一つ目を好み、一つ目の方が神と一段親しくなれると書いており、神の贄となる魚を通常の魚と区別するために片目にすることが紹介されている。では、神が二つ目を持った者より一つ目を好み、一つ目の方が神と一段親しくなれると書いており、神の贄となる魚を通常の魚と区別するために片目にすることが紹介されている<ref group="私注">健常ではない者を生贄にする、という風俗は蛭子信仰と関連するのではないだろうか。</ref>。
==== 巫女・旅人の人身御供 ====

案内メニュー