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657 バイト追加 、 2022年7月31日 (日) 20:24
 ともかく、ヴェマーレ族の最上位の男性といえるトゥワレの役割は、「'''管理人(父親)'''」といえる。トゥワレはおそらく「外」から来た者で、ヴェマーレ族ではないかもしれない。一般的に母系社会では「父親」というものは存在しないし、必要もされないのだが、トゥワレの存在は「父親」ではなく「管理人」として、ヴェマーレ族を支配している存在にとって必要性がある、といえる。ムルア・サテネやアメタはヴェマーレ族の中では支配する側であったり、支配する側に通じる特殊な立場、といえるので、立場的にも、そして実際にもトゥワレの生物学的な「子供」である可能性はある。トゥワレは望めばヴェマーレ族の女性を囲い込むことだってできるので、その場合には生まれてきた子供達はトゥワレの子供で間違いない、ということになる。ムルア・サテネは母系社会ではトゥワレを補佐する立場として、人々のリーダーになるかもしれない。アメタはムルア・サテネとトゥワレの両方に奉仕する立場になる。とすれば、下位トゥワレである一般的なヴェマーレ族の男性も、社会的にはムルア・サテネとトゥワレの両方に奉仕する存在である。そして、アメタと男性達はヴェマーレ族よりも下位の部族を管理・支配する時はトゥワレのように振る舞わなければならない。
 
 
 マロ祭は「ヴェマーレ族の庶民のための祭り」といえる。そこでは、自由恋愛も母系社会の伝統も認められる。ただし、支配階級であるトゥワレ、ムルア・サテネ、アメタはそこには参加しない。だって、それは「家畜」の祭りだから。家畜が許される範囲で生殖のための祭り、トゥワレ達を讃える祭りをすることは許される。かくして、ヴェマーレ族はトゥワレという「'''巨大な管理人(支配者であり父親であるもの)に支配された母系社会'''」という社会を形成することになる。
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