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=== 私的考察 ===
タイのオーストロネシア語族の伝承では、山の神としてプーセとヤーセという男女の鬼神が登場する。彼らは人を食べていたが、お釈迦様に説得されて、仏法の僕となることを約束する。ただし、年に1度、人間の代わりに牛を生贄に求めることにした、とのことである。オーストロネシア語族の伝承ではあるが、動物供犠が広く「人身御供」の代替として発生したことを示す伝承と考える。
 
金枝篇によると、ベンガルのドラヴィダ系民族であるコンド族は、大地の女神タリ・ペンヌーに対して、人身御供を焼く祭祀を年に1度は必ず、あとは不定期に行っていたとのことなので、おそらくプーセとヤーセも、本来は定期的かつ不定期に人身御供を求める神だったのだけれど、本伝承の場合は仏法の僕となって、人身御供を放棄したとされる。プーセとヤーセを併せて、ポ・トゥン、魃、ヴリトラという名となるように思う。彼らは元は1対の男女神だったのだろう。タリ・ペンヌーも同様で、元は男女の神だったと思われる。タリ神とペンヌー神に分かれたのではないだろうか。彼らに人身御供を捧げるのは、干魃や災害を避けるという目的だったのではないだろうか。
 
一方ギリシア神話には、ピュートーンとかテューポーンといった、蛇の怪物のような悪神が登場する。ピュートーン・テューポーンは、元は「同じ神」であって、男女の一対の神だったもので、どちらの名前を先にするかで入れ替えただけのものだったのではないだろうか。特にテューポーンは雷神ゼウスと激しく対立する神とされている。ミャオ族神話のアペ・コペン、インド神話のヴリトラを思わせる。
 
ということで、男性形の神を略して「ポ神」、女性形の神を「ト神」としたい。ミャオ族の別の神話では、彼らはバロン・ダロンとなる。クーポゥ老人の神話では「ポ神」が主体の話となる。ただ、殺された「チュウポウ」には「ト神」が習合させられている可能性があるように思う。漢族の伝承では、バロン・ダロンは伏羲・女媧となり、伏羲はその名から「ポ神」といって良いと考える。蛇神の1対の夫婦神である。
 
すなわち、「干魃を起こす蛇神」とは、「火を使って誰かを燃やして殺した1対の蛇の夫婦神」といえると考えるが、これが伝承によって双体であったり、男女のいずれかであったりする。そして、倒される神とされることもあるが、タイの伝承のように、誰かの「'''使役神'''」として神話世界で生き残ることもあったと考える。おそらく、彼らは最初は、彼らを倒した「太陽女神」の使役神だったのだろうが、彼らの地位が高まっていくと、「主人と使役神」に分裂してしまい、「'''天帝に仕える竈神'''」などに変化していったと考える。太陽女神は逆に彼らに支配される神となったり、神々の列から消されていってしまうこととなったように思う。
=== 付加された八束水臣津野命 ===

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